愛犬が高齢になり「夜になかなか寝なくなったな」と感じることはありませんか?
老犬になると睡眠の質は変化しますが、時には夜中に何度も起きて部屋をウロウロしてたり、一晩中寝ずに吠え続けるといったことも起こります。
老犬が寝ない理由はいったい何なのでしょうか。
今回は「老犬が寝ない原因」と「寝ないときの対処法」をご紹介します。
「原因がわからない、当てはまらない」という場合にどうすればいいかも一緒に解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
「老犬が寝ない」考えられる原因6つ
愛犬が高齢になるにつれ「夜泣き」「夜に寝ない」「夜中に徘徊する」といった変化が起こり、飼い主さんを困らせることがあります。
では、愛犬が夜に眠らない理由はいったいなんでしょうか。
考えられる原因を6つご紹介します。
▼老犬が「寝ない理由」6つ
①日中の睡眠が長い
②空腹・喉が乾いている
③排泄をしたい
④認知症
⑤体に痛みがある
⑥睡眠環境があっていない
①日中の睡眠が長い
日中に寝ている時間が長いと夜中に起きやすくなります。
高齢になると「浅い眠り」よりも「深い眠り」の頻度が高くなるので、昼間でも覚醒時間が短くすぐにウトウトと眠ってしまいがちです。
「ぐっすり眠っているから」とそのまま寝かせていると、昼夜逆転の生活になってしまい、夜中に起きやすくなります。
②空腹・喉が乾いている
空腹や喉の乾きを感じている場合も、夜に起きて歩き回ることがあります。
夜の食事の時間が早いと次の朝の食事までの時間が空いてしまい、空腹で目がさめることがあります。
③排泄をしたい
排泄がしたくて夜に起きたり要求吠えをしている可能性があります。
高齢になると視力が衰えるので、明かりがない中で排泄をしたり、遠くのトイレに行くのが難しくなります。
そのため、排泄を手伝ってほしくて呼んでいる可能性があります。
④認知症
高齢になると人と同じように犬も認知機能に障害がでると考えられています。
認知機能に障害が出ると「昼夜逆転生活」や「寂しさや不安で泣き続ける」といったことが起こります。
寂しさや不安からきている要求吠えの場合、解消されれば一時的になきやむこともありますが、要求が放置されると行動がエスカレートすることもあります。
⑤体に痛みがある
高齢になると眠っている時間が増え、長時間同じ体制で過ごすことが多くなります。
そうすると血行不良になり、床ずれが発生しやすくなります。
また、運動の機会が減ると筋肉量も落ちるので、関節などにトラブルを抱えがちです。
皮膚や関節に痛みが出ていると、痛みで夜に起きてしまう、寝られないといったことが起こります。
⑥睡眠環境があっていない
睡眠環境が整えられていないときも夜に起きてしまいがちです。
「ベッドの固さがあっていない」「外からの光が入る」「エアコンの風が直接あたる」「車の音が聞こえる」なども眠りの妨げになります。
「老犬が寝ないときの対処法」5つ
老犬が夜に眠らない理由を「6つ」ご紹介しました。
では、老犬が眠らないときはどういった対処をすればよいのでしょうか。
対処法を「5つ」ご紹介します。
▼老犬が眠らないときの対処法5つ
①日中に眠ったままにさせない
②食事・水飲み場を工夫する
③トイレの設置場所を見直す
④睡眠環境の見直し
⑤飼い主さんと一緒に寝る
①日中に眠ったままにさせない
愛犬がぐっすり眠っていると、ついそのまま寝かせてあげたくなります。
しかし、昼間にずっと寝かせたままだと昼夜逆転生活になりがちです。
「無理のない範囲で散歩にいく」「知育のオモチャで遊ぶ」「鼻をつかった遊びをする」など愛犬の様子を見ながら活動時間を増やしてあげましょう。
歩くのが難しくなった子もペットカートや抱っこで外に連れ出してあげるのもいい刺激になります。
②食事・水飲み場を工夫する
食事と食事の間隔が空きすぎていると、空腹で目覚めてしまうことがあります。
夜の食事を少し分けておいて、寝る前に夜食として与えるなど時間を空けすぎないように工夫しましょう。
また、寝室に水飲み場を設置して、遠くに行かなくても水が飲めるようにしてあげましょう。
飲みやすいように常夜灯をつけておくのもオススメです。
③トイレの設置場所を見直す
トイレが遠かったり通り道に段差があったりすると、トイレに行くのが難しくて要求吠えをすることがあります。
寝床から行きやすい場所、見えやすい場所にトイレを設置するようにしましょう。
また、暗いと見えづらくトイレを失敗しやすくなるので、トイレ周りやトイレに行く道に常夜灯を設置してあげましょう。
④睡眠環境の見直し
人と同じように犬も「暑い」「寒い」「うるさい」「まぶしい」「痛い」といったことは睡眠を妨げる要因になります。
「ベッドの位置に光が入っていないか」「音がうるさくないか」「エアコンの風が直接当たっていないか」など、愛犬のベッド周りの環境を見直してみましょう。
また、高齢になるとベッドの固さが体に合わなくなることがあります。
愛犬がシニアになったら一度ベッドを見直すのもよいでしょう。
⑤飼い主さんと一緒に寝る
老犬になると「耳が聞こえにくい」「目が見えにくい」といった感覚器の衰えが出てくるので、不安を感じやすくなります。
不安が強くて飼い主さんを呼ぶ子の場合、飼い主さんと一緒に寝る、同じ部屋で過ごすと落ち着いて眠ってくれることがあります。
「原因」や「対処法」が分からないときはどうする?
愛犬が眠ってくれないときの対処法を5つご紹介しました。
では、眠ってくれない原因やどの対処法をとればいいかわからない場合は、どうすればよいでしょうか。
とれる対処法は「2つ」あります。
・睡眠メモをとる
・動物病院に相談する
・睡眠メモをとる
夜中に起きる、夜泣きする原因は複数重なっている場合があります。
そのためご紹介した対処法をとっても、今日はうまくいったが次の日にはうまくいかなかったということもあります。
愛犬の睡眠傾向を探っていくために、睡眠メモを取るようにしましょう。
「何をしたら眠ってくれたか」「日中の睡眠時間」「日中の活動状況」をまとめておくと、傾向が見えやすくなり、相談をするときにも役立ちます。
・動物病院に相談する
「夜眠らない」「夜泣きする」といったことが頻繁に起きる場合は、一度動物病院に相談しましょう。
原因でもお話したように「痛み」や「認知症」で眠らない場合もあります。
飼い主さんの睡眠時間が削られていくと、体力的も精神的にも苦しくなります。
動物病院に相談をして一緒に眠らない原因を探っていくとよいでしょう。
「夜に眠らない」「夜泣き」は犬の老い行動の一つではありますが、長期化すると飼い主さんの負担となるだけでなく、ご近所トラブルに発展することもあります。
まずは睡眠環境を見直し、原因を見つけ出すことが大切ですが、家族だけで対処するのが難しい場合もあるのでひとりで抱え込まずに動物病院に相談しましょう。
<参考書籍>
イヌの老いじたく 「7歳」からの最適な飼い方を伝授 臼杵 新 (著)
7歳からのシニア犬とのしあわせな暮らし方 伊藤 みのり (監修) 内田 恵子 三浦 裕子
<画像元>
Unsplash
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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