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「犬の歯石には種類がある?!」 種類の違いでおきる病気を解説

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犬の歯の汚れといえば「歯石」ですね。

実はこの歯石、1種類だけではないということをご存知でしょうか。

歯石の種類によってかかりやすい病気や起きやすいトラブルは異なります。

「目に見える歯石だけきれいにすればいい」と思っていると知らない間に歯のトラブルが進行しているかもしれません。

そこで今回は「歯石の種類」や「歯石の種類の違いで起きる病気」について解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

犬の「歯石」には種類がある?!

歯石の種類についてお話する前に、少しだけ「歯石はどうやってできるのか」を復習しておきましょう。

口の中には色んな菌が存在しています。

この菌たちが集まって塊になったものを「歯垢」といいます。

「歯垢」に唾液中のリンやカルシウムが付着すると石のように硬くなります。

この硬くなったものが「歯石」です。

そしてこの「歯石」は「2つの種類」に分けられます。

▼歯石の種類は「2種類」
・縁上歯石(えんじょうしせき)
・縁下歯石(えんかしせき)

▼「縁上歯石」とは?
「縁上歯石」は歯茎より上についている歯石のこと言います。
「縁下歯石」に比べると柔らかく比較的落としやすいです。
黄色みがかった色をしています。

▼「縁下歯石」とは?
「縁下歯石」は歯茎より下についている歯石のことを言います。
「縁上歯石」に比べると硬く除去が難しいです。
緑色や黒っぽい色をしています。

「縁上歯石」は目で確認できる範囲に付着しているので、比較的発見しやすいですが「縁下歯石」は歯茎より下に付着しているので発見するのが難しいです。

この2種類の歯石は付着している場所の違いだけではなく「原因」や「引き起こす病気」も異なります。

ではそれぞれの歯石がどんな病気を引き起こしやすいのか、みていきましょう。

「歯石」の違いによって引き起こされる病気・トラブル

歯石の違いによって引き起こしやすい病気はなんでしょうか。

縁上歯石の原因と引き起こす病気

先ほど「歯垢」はいろんな菌の塊だとお話しました。

この菌の中には「酸素が好きな菌(好気性菌)」と「酸素が嫌いな菌(嫌気性菌)」がいます。

「好気性菌」は酸素に触れても平気なので、歯茎の周りに集まって歯垢を形成します。

これが「縁上歯石」に変わります。

そして歯茎まわりに集まった菌たちは炎症を起こすので「歯肉炎」にかかりやすいです。

縁下歯石の原因と引き起こす病気

「好気性菌」は酸素に触れても平気ですが、「嫌気性菌」は酸素が苦手です。

そのため酸素に触れないように歯肉の歯周ポケットの中に潜り込みます。

そして潜り込んだ歯周ポケットの中で歯石を形成します。

これが「縁下歯石」に変わります。

嫌気性菌には「歯周病」を引き起こす「歯周病菌」も含まれます。

そのため「縁下歯石」は「歯周病」を引き起こしやすいです。

「歯石」はどうやって落とせばいいの? 

では、できてしまった「歯石」はどうやって落とせばよいのでしょうか。

「縁上歯石」の場合も「縁下歯石」の場合も、歯ブラシなどのホームケアでは落とすことができません。

とくに「縁下歯石」は歯茎の下に形成されるので、歯周ポケットが深くなっていると除去するのが非常に難しいです。

そのため、動物病院で麻酔をかけて歯石を除去する必要があります。

「歯茎から出血が見られる」「歯がグラグラする」という場合は、歯周病が進行している可能性があるので、一度動物病院で診察を受けるとよいでしょう。

自宅で「歯石」をとったらダメなの?

自宅での歯石取りグッズとして「スケーラー」や「ペンチ」などが販売されていますが、

「日本小動物歯科研究会」からは犬の口腔内の知識がない、器具の訓練を受けていない者が歯石をとるのは非常に危険な行為であると注意喚起が出されています。

舌の近くには太い血管や唾液腺があるので、少し傷つけただけでも大事故に繋がりかねません。

実際に歯石を除去しようとして、歯を折ってしまった事故も報告されているので、自宅で歯石を取るのはおすすめしません。

▼こちらの記事もオススメです

犬の口臭は歯石が原因?歯石取りは自宅でも出来るの?【動物看護師が解説】
>https://www.inutome.jp/c/column_7-54-35235.html#a1

「歯石」を防ぐにはどうすればいいの?

では、どうすれば「歯石」の付着を防げるのでしょうか。

▼「縁上歯石」の防ぎ方
歯茎の上の歯垢が原因なので、歯石になる前に歯ブラシで歯垢を落とす

▼「縁下歯石」の防ぎ方
歯周ポケットを深くしないように、歯ブラシや口内ケアグッズで口の中を清潔に保つ

「縁上歯石」の場合も「縁下歯石」の場合も、歯垢を減らすために定期的に歯磨きをして口腔内を清潔にすることが大切です。

歯ブラシで磨く場合は、歯だけでなく歯周ポケットも意識して磨きましょう。

また、力を入れて磨くと歯茎から出血をするので、軽い力で握って磨くようにしましょう。

歯ブラシに加えて口内ケアグッズを使うのもオススメです。

炎症を抑えたり口の中の菌数を減らしたりするスプレーや継続的に取ることで口内環境を整えていくサプリメントもあるので、継続しやすいものを選びましょう。

歯石には種類があり、種類によって引き起こしやすい病気は変わります。

目に見える歯石ばかり気にしていると、気が付かないうちに歯周ポケットの中で歯周病が進行しているかもしれません。

自分で見つけることが難しい歯石もあるので、こまめに歯や歯茎の状態をチェックして定期的に動物病院で診察してもらうことが大切ですね。

<参考URL>

今さら聞けない歯石除去
>https://www.jstage.jst.go.jp/article/dobutsurinshoigaku/24/2/24_57/_pdf

無 麻 酔 で 歯 石 を と る ? !
>https://ivypetclinic.com/_src/sc2858/93FA967B8FAC93AE95A88E9589C88CA48B8689EF814096B39683908C83X83P815B838A839383O82C982C282A282C4.PDF

21世紀の犬の歯科治療 21動物病院
>https://21ah.co.jp/news/91/

<画像元>

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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