ふと愛犬の肉球を見てみると「ガサガサだった」という経験はありませんか?
「ガサガサ」というと乾燥が原因のイメージがありますが、乾燥以外にも「歩き方」や「生活環境」が原因で肉球が荒れている場合があります。
肉球は犬の全体重がかかる場所なので、きちんとケアをすることが大切です。
そこで今回は「犬の肉球がガサガサになる原因」や「ガサガサを繰り返さないためのポイント」をお話していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
肉球がガサガサになるのはどうして?
肉球がガサガサになる理由は大きくわけて「2つ」あります。
ひとつが「乾燥」もうひとつが「角質が増えて固くなっている」からです。
頻繁に足を洗っていたり、足を洗った後に保湿をしないと乾燥が進んで肉球がカサつきやすくなります。
また肉球に刺激が多い環境で生活をしていると、角質が増えて肉球が固くガサガサになってしまいます。
では、日常生活の中でどんなことが「乾燥」や「肉球の刺激」になっているのでしょうか。
原因をみていきましょう。
肉球がガサガサになる5つの原因
肉球がガサガサになってしまう原因はいったいなんでしょうか。
考えられる原因を「5つ」ご紹介します。
▼肉球が「ガサガサ」になる原因5つ
①足の洗いすぎ
②肥満
③関節などの筋肉にトラブルがある
④歩き方の癖
⑤肉球に刺激の多い環境での生活
①足の洗いすぎ
散歩から帰ると毎回足をしっかり洗っていませんか?
汚れを軽く拭き取る程度なら問題ありませんが、毎回足をしっかり洗ってしまうと必要な油分まで落としてしまうので、肉球を乾燥させてしまいます。
また、毎回石鹸やアルコール成分が含まれた除菌液を使って足を拭いていると、肉球のバリア機能が衰え感染を引きおこしやすくなってしまいます。
②肥満
肉球には犬の全体重がかかります。
体型が肥満の場合、肉球へかかる圧が強くなるのでダメージを受けやすいです。
また足を高くあげずに歩こうとするため、足を擦って肉球にダメージを与えてしまいます。
③関節などの筋肉にトラブルがある
「関節に痛みがある」「関節が外れやすくなっている」といったトラブルが起こっている場合、足を引きずるように歩いたり足を庇うように歩いたりするため、肉球が擦れてガサガサになってしまいます。
④歩き方の癖
「筋肉の付き方に差がある」「体幹が弱い」「筋肉があまりついていない」という場合、歩き方に癖が出ているかもしれません。
筋肉がないと足をしっかり蹴り上げて歩くことができないので、地面を擦るように歩くことが多くなります。
こういった歩き方の癖があると、肉球にダメージを与えやすくなります。
⑤肉球に刺激の多い環境での生活
散歩コースに砂利道や目の荒いアスファルトの道が多い場合、肉球に刺激を受けやすいのでガサガサになる可能性があります。
肉球のガサガサを見つけたら、どうする?
では愛犬の肉球がガサガサになっているのを見つけたら、どうすればよいのでしょうか。
とれるアプローチは「2つ」あります。
▼「愛犬の肉球がガサガサに」どうする?
・ホットタオルで温める
・保湿をする
・ホットタオルで温める
肉球が人間のかかとのように固くガサついている状態であれば、角質が増えて固くなっています。
ホットタオルで温めて角質を柔らかくしてあげましょう(火傷に注意してください)。
・保湿をする
乾燥で肉球ががさついている場合も、角質が多くて肉球がガさついている場合も、保湿をすることが大切です。
肉球の状態によって使う保湿剤を変えましょう。
▼「乾燥」で肉球がガサガサの場合のオススメ保湿剤
「セラミド」が入っている保湿剤か「ヘパリン類似物質」の保湿剤がおすすめです。
「セラミド」は角質細胞の間に水分を入れて保持し、外に水分が逃げないようにしてくれる働きがあります。
「ヘパリン類似物質」は保湿力が高く、血行を良くして皮膚の再生をうながしてくれます。
※注意!
「ヘパリン類似物質」は血行促進効果があるので「血が止まりにくい病気にかかっている」「出血がある」「怪我をしている」場合には、出血を助長する可能性があるので使用は控えましょう。
▼「角質」が多くて肉球がガサガサの場合のオススメ保湿剤
「尿素」が入っている保湿剤がオススメです。
「尿素」は固くなっている皮膚を柔らかくして、古い角質を取り除くピーリング作用があります。
※注意!
「尿素」にはピーリング作用があるので、使いすぎると角質を落として出てきた新しい皮膚まで傷つけてしまいます。
長期常用はしないように注意しましょう。
肉球のガサガサを繰り返さないための4つのこと
では、肉球のガサガサを繰り返さないために、気をつけることは何があるでしょうか。
ポイントは「4つ」あります。
▼肉球のガサガサを繰り返さないためのポイント
①動物病院を受診する
②ダイエットをする
③洗いすぎない
④散歩コースを見直す
①動物病院を受診する
「保湿をしてもガサガサが治らない」「ガサガサを繰り返す」「出血をしている」という場合には、一度動物病院を受診しましょう。
ガザガサを引き起こす原因でもお話したように、関節や筋肉のトラブルでガサガサを繰り返している可能性があります。
また、一緒に下痢や嘔吐、発熱なども引き起こしていたら「犬ジステンパーウィルス」にかかっている可能性もあります(感染すると肉球が固くなります)。
別の病気に繋がっている可能性もあるので、おかしいなと感じたら動物病院を受診しましょう。
②ダイエットをする
肉球のガサガサを繰り返さないためには、肉球の刺激を減らすことが大切です。
体重を減らして肉球への刺激を少なくしましょう。
③洗いすぎない
散歩後に毎回しっかりと足を洗っているという方は、洗いすぎないようにしましょう。
洗うたびに保湿をしっかりする、何回かは軽く拭き取るだけにするなど、肉球のバリア機能を落としすぎないように注意しましょう。
④散歩コースを見直す
散歩コースに砂利道や目が洗いアスファルトが多いという場合は、散歩コースを見直しましょう。
また、犬が嫌がらないようなら犬用の靴や靴下を履かせるのも一つの手です。
「肉球のケアをしない=必ずトラブルが発生する」というわけではありませんが、地面を素足で歩く犬にとって肉球は常に刺激にさらされている場所です。
健康な肉球であればトラブルを起こさなくても、ひび割れやガサつきがあることで「炎症」や「痛み」を引き起こす可能性もあります。
特に肉球は普段から目に入る場所では無いので、意識してチェックをしておかないと異変に気づくことができません。
足の健康のバロメーターにもなるので、ケアやチェックをこまめにおこなうようにしましょう。
<参考書籍>
動物スキンケア実践ガイド2022 (アジア動物スキンケア検定 公式テキスト)
<参考情報>
獣医皮膚科専門医が教える 保湿剤の使い分け(完全版)
サーカス動物病院・どうぶつの皮膚科 Youtube
意外と知らない犬の肉球のお話 つだ動物病院
>https://tsuda-vet.com/%E6%84%8F%E5%A4%96%E3%81%A8%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E7%8A%AC%E3%81%AE%E8%82%89%E7%90%83%E3%81%AE%E3%81%8A%E8%A9%B1/
<画像元>
Unsplash
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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