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「耳の病気にかかりやすい犬種は?」 注意すべき耳の病気もご紹介

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犬の耳は人間よりも複雑な構造のためトラブルが起こりやすい場所です。

愛犬の耳トラブルに頻繁に悩まされているという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は「耳の病気にかかりやすい犬種」や「覚えておきたい犬の耳の病気」について解説します。

かかりやすい病気や注意すべきことを覚えおくと、愛犬の異変にいち早く気づくことができるので、ぜひ最後までご覧ください。

犬に多い病気ランキング第3位は「耳の病気」

下の図はアニコム損害保険㈱が保険金請求データを基に犬がかかった病気をまとめたグラフです。

約57万頭の犬を対象に調査したところ、結果は下記のようになりました。

▼犬の疾患の請求割合(2021年)

▼「犬に多い病気」ランキング

1位:「皮膚疾患」25.8%
2位:「消化器疾患」24.8%
3位:「耳の疾患」16.1%
4位:「全身性の疾患」12.4%
5位:「筋骨格疾患」11.6%

犬に多い病気は1位が「皮膚疾患」で25.8%、2位が「消化器疾患」で24.8%、「耳の疾患」にかかった犬は16.1%で3番目に多いという結果になりました。

割合でみると「6頭に1頭が耳の病気を患っていた」という計算になるので、どんな犬でもかかるリスクがある身近な病気ということがわかります。

では、特に耳の病気に気をつけたほうがよい犬種はいるのでしょうか。

次章では耳の病気にかかりやすい犬種を10犬種ご紹介します。

「耳の病気にかかりやすい犬種」トップ10は

少し古いデータになりますが、アニコム損害保険㈱が2009年に報告した「耳の病気の発症割合の犬種別のデータ」によると耳の病気にかかりやすい犬種は下記のようになりました。

耳の病気を発症した割合 (約22万頭)

1位:「パグ」32.0%
2位:「フレンチ・ブルドッグ」:28.1%
3位:「ゴールデン・レトリーバー」27.7%
4位: 「キャバリア・キングチャールズ・スパニエル」25.0%
5位: 「シー・ズー」24.9%
6位: 「ラブラドール・レトリーバー」23.1%
7位: 「マルチーズ」22.7%
8位: 「トイ・プードル」17.5%
9位: 「ミニチュア・シュナウザー」17.3%
10位: 「柴犬」13.9%

参照元: https://www.anicom-page.com/hakusho/statistics/pdf/090302.pdfから一部抜粋

もっとも耳の病気にかかりやすい犬種は「パグ」で次に「フレンチ・ブルドッグ」「ゴールデン・レトリーバー」の順となりました。

他の犬種と比べて「パグ」や「フレンチ・ブルドッグ」の発症割合が高い理由はなんでしょうか。

「パグ」や「フレンチ・ブルドッグ」のような短毛かつ剛毛な犬種は、被毛が大量に耳の中に入ってしまうと異物化し、耳の中を刺激して炎症をおこしやすくなります。

また「パグ」や「キャバリア」、「シー・ズー」のような短頭種は、他の犬種と比べて耳道(耳から鼓膜までの通路)が狭いため通気性が悪く、耳垢や被毛がたまりやすい構造です。

そのため、他の犬種に比べると耳のトラブルが起きやすくなっているようです。

ランキングに入っている犬種を飼っている方は、こまめに耳をチェックして早めに異変に気づけるようにしましょう。

覚えておきたい犬の耳の病気5つ

ではどんな耳の病気に気をつけておけばよいのでしょうか。

覚えておきたい耳の病気を「5つ」ご紹介します。

▼覚えておきたい犬の耳の病気5つ

①外耳炎
➁中耳炎
③マラセチア
④耳ダニ
⑤耳血腫

①外耳炎

耳の入り口から鼓膜までを「外耳(がいじ)」といい、そこに起きる炎症を「外耳炎」といいます。

犬に多い病気ランキングでは毎年上位に入るほど、犬に頻繁におきる耳の病気です。

外耳炎を引き起こす原因や悪化させる要因は多いので、一度かかってしまうと再発しやすく慢性化もしやすい傾向にあります。

▼犬の外耳炎の原因と要因

高温多湿の環境は外耳炎の発症リスクを上げるので、特に春から夏にかけては注意が必要です。

➁中耳炎

下の模式図をみると鼓膜の奥に「中耳」という場所があります。

振動を耳の奥へ伝える役割をする部分ですが、この部分に起きる炎症を「中耳炎」といいます。

▼犬の耳の模式図

中耳炎の多くは外耳炎が悪化し、炎症が内耳まで広がったことによって起こります。

痛みが強いため耳を触ろうとすると「キャン」とないたり、攻撃的になることもあります。

さらに悪化すると「眼球が揺れ動く」「首が傾く」といった神経症状も出てくるので、おかしいなと感じたらすぐに動物病院にいきましょう。

③マラセチア

マラセチアは犬にいる常在菌で普段は悪さをしません。

ですが体の免疫力が落ちたり、何らかの原因で皮脂が増えたりする(マラセチアは皮脂を好みます)と耳の中で増殖し炎症を引き起こします。

耳が垂れている犬種やしわが多い犬種は発症しやすいといわれているので、黒い耳垢を見つけたら早めに動物病院で検査をしましょう。

④耳ダニ

正式名称を「ミミヒゼンタニ」といい、耳の穴から鼓膜までの間に寄生する寄生虫です。

感染した動物(犬・猫など)との接触や森遊びをした際に感染することが多いです。

感染すると強いかゆみを伴うので激しく耳を掻きむしり、頭を振り続けます。

症状がわかりやすいので飼い主さんが発見しやすい病気ではありますが、かゆみがひどいと出血するまで引っかき続けるので、早めに診断をうけましょう。

⑤耳血腫

耳血腫は耳介(耳たぶの部分)に血液がたまってしまう病気で、耳介内の血管が切れたことによっておこります。

▼耳血腫にかかったわんちゃん

外耳炎の悪化や耳ダニの感染によって激しく耳を引っかいたり頭を振り続けると、物理刺激で耳の血管が切れて耳血腫を引き起こします。

長期間放置すると耳が変形し外科手術が必要になることもあるので、耳の腫れを見つけたら早めに動物病院にいきましょう。

耳の病気にかからないために注意したいこと

ではこういった耳の病気にかからないために、飼い主さんが注意すべきことはなんでしょうか。

▼耳の病気予防のために飼い主さんができること

・耳や仕草こまめにチェックする
・入浴や水泳をしたら耳をしっかり拭く
・綿棒を使った耳掃除をしない
・良質な食事と生活環境で免疫をしっかり保つ
・外耳炎を繰り返す場合は耳専門の獣医師さんに相談

愛犬の耳はこまめにチェックし「頭を振る」「耳を何度も掻く」といった仕草が出ていないか観察しましょう。

また綿棒を使って耳掃除をすると汚れを奥に押し込むだけでなく、ゴシゴシこすることで耳道を傷つける可能性があります。

耳道を傷つけると外耳炎を引き起こす可能性があるので、綿棒を使った耳掃除はひかえましょう。

耳の病気は一度発症すると繰り返しやすいです。

いつの間にか悪化していたということが起こらないように、今回ご紹介した内容を覚えて愛犬の健康管理に役立ててくださいね。

<参考URL>

アニコムどうぶつニュース 2013年11月号
>https://www.sfil.co.jp/info/files/20131211054805_data.pdf?1688169600168

耳の疾患にかかりやすい犬種 NO.1 は? アニコム損害保険株式会社
>https://www.anicom-page.com/hakusho/statistics/pdf/090302.pdf

家庭どうぶつ白書
>https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_202112_2.pdf

<参考書籍>

小動物獣医看護学 小動物看護の基本と実践ガイド  上巻下巻

D.R.レイン (著)B.ク-パ- (著) 西田利穂 (著)

<画像元>

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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