私たち人もそうですが、犬もまた気圧の変化で食欲不振や元気消失が起きてしまう梅雨の季節。
特に長年家族として生活を共にしてきたシニア犬を持つ飼い主さんにとっては、健康面などが気になるところではないでしょうか?
そんな時に真似してほしい!おうち時間に簡単にできるツボマッサージ、余分な水分排出に役立つオススメ食材を今回はご紹介します。
<目次>
湿度が高い梅雨を乗り切る!老犬との過ごし方
どんな犬にとっても湿度が高くなり、尚且つ気温の上昇も気になる梅雨時期は体調に気を付けたいものです。
特にシニア犬の場合には、東洋医学の『湿邪(しつじゃ)』と言われる梅雨の邪気によって、リウマチや関節炎、てんかん発作や皮膚炎といった様々な不調を招いてしまう危険性があります。
こういった症状を少しでも軽減し、シニア犬に梅雨から夏にかけての期間を快適に過ごす過ごし方には以下のようなポイントに気を付けましょう。
【シニア犬が梅雨時を快適に過ごすポイント】
・ベッドやマットは清潔に保つようにする
・湿度は60%、室温は26℃前後に設定する
・皮膚炎予防や血行促進のためブラッシングをする
・新鮮な飲み水をいつでも飲めるように常備しておく
・雨で散歩に行けない日はノーズワークなどで脳トレをする
・食中毒にならないためにドライフードでも残ったものは一定時間経過後片付ける
シニア犬であっても成犬であっても、基本的に梅雨から夏にかけての気を付けておきたいケアなどに大きな違いはありません。
しいて言うなら、食欲の低下で食事の量が減った時には、出来ることなら1日2回の食事を3・4回程に増やすと食べ残しを減らせる場合があります。
しかし、それでもやはりシニアになると筋力の低下や睡眠時間の増加、食欲の低下などから来る免疫力低下や熱中症などは起こしかねません。
上記でお伝えした湿邪は、シニア犬の弱いところに溜まりやすいとされており、中でもこの時期のシニアのワンちゃんが気を付けたい臓器には、脾臓が湿気ることで起こる食欲不振があります。
その他にも、関節にこの湿邪が溜まると関節痛や腰痛が起こったり、肺に溜まると咳が見られたり、皮膚の場合であれば皮膚炎が起こったりと、ご自身の愛犬の弱いところをついて様々な症状が表れてしまいがちです。
シニアになった愛犬と梅雨~夏を快適に乗り切るためには、こういった過ごし方のポイントを押さえつつ、梅雨で散歩に行けない時に自宅でも簡単に真似できるツボマッサージがおすすめです。
梅雨の免疫低下予防にオススメ!自宅で簡単ツボマッサージ!
シニアになるほど運動量や食事量がどうしても減ってしまいがち。
そうなると、気になるのが免疫力やシニアが患いやすい内臓疾患ですよね。
シニアのワンちゃんにツボ押しを行う際には、以下の注意点をご確認の上、是非ともツボマッサージを行ってあげてください。
【ツボ押しを行う際の注意点】
・嫌がっている場合は無理せずお互いリラックスしている時に行う
・毎日少しでも良いので、ツボ押しを日課にする
・力加減:小型犬や猫→350g~500g、中型犬→500g~1kg、大型犬→2kg~3kgが目安だけれど、適宜加減が必要
・回数:1ヶ所につき3秒程時間をかけた圧を計10~30回。
・炎症、腫脹、外傷、骨折、熱、ショック時、妊娠中、食前・食後は控える
①心臓病やてんかん発作に効くツボ:【壇中】【神門】
梅雨時だけではなく、愛犬が7歳以降で気を付けておきたい疾患に、心臓病があります。
人の心疾患の統計でも、65歳以上の患者さん6527人(脳疾患含む)のデータで、2012(平成24)年~2019(令和1)年までの梅雨入りから梅雨明け3か月分の気温が最も上昇する梅雨明け後の1か月間は、心疾患の発生リスクが心血管疾患で34%高いことが分かっています。
そんな時に試したい自宅で簡単に出来る心臓病に効くツボマッサージの一つとして、【壇中】と【神門】というツボがあります。
△【壇中】
【壇中】は胸骨(喉の下の窪みから鳩尾までの骨)の下端1/4当たりの位置にあり、このツボには脈拍の異常亢進での不安感や胸の痛み、イライラ、息切れ、咳、喉の痛みの軽減などに効果を発揮すると言われています。
△【神門】
一方【神門】は、前肢の手首の内側、手根球の下の丁度窪み部分に各1穴存在しており、心を安らかにする効果や心疾患、分離不安症、てんかん、認知症などに効果を発揮すると言われています。
②腎臓病やホルモンバランスに効くツボ:【腎兪】【足三里】
梅雨の影響で低気圧になると、シニアのワンちゃんが患いがちな腎臓病も気を付けておきたい疾患の一つです。
老廃物や尿の排泄を促す機能を担っている腎臓や甲状腺などのホルモンバランスが鈍くなるシニアのワンちゃんにオススメなツボとして、【腎兪】と【足三里】というツボがあります。
△【腎兪】
【腎兪】は13番目の最後の肋骨をゼロとして、そこから尻尾方向に3個目ズレた背骨の両側に各1穴ずつ位置しているツボです。
腎機能は成長や生殖、老化などを司っていて、【腎兪】のツボはその機能を補う働きがあるとされています。
そのため、このツボは腎臓の疾患だけではなく、腰痛や後肢の痛み、麻痺や骨疾患にも効果があると言われています。
△【足三里】
一方、【足三里】というツボは、後肢の膝の外側、斜め前下の窪み辺りにあります。このツボは、筆者の2代目シェルティも患った甲状腺ホルモンなどに効き、生命力を養い、ホルモンバランスを整え、体力を増進させる作用があると言われています。
③肝臓病や胆のうに効くツボ:【胆兪】【肝兪】
腎臓病同様、シニアになると気がかりなのが肝臓疾患です。
肝臓は解毒作用だけではなく、栄養素の代謝やホルモン機能などを司る主要な臓器ですが、シニアになって弱ってしまっている時に試したいツボに【胆兪】と【肝兪】というツボがあります。
△【胆兪】
【胆兪】は13番目の最後の肋骨をゼロとして、そこから頭の方に2個指をズラした背骨の両側の窪み(10本目と11本目の間)に位置しています。
写真では分かりづらいですが、愛犬の脇腹の肋骨を辿っていくと、「大体この辺…」という感覚が掴めるはずです。
主にこのツボは、胆石や黄疸、胆のう炎のほか、肝臓病全般に効果があると言われています。
△【肝兪】
一方、【肝兪】は【胆兪】より一つ上(9本目と10本目の間)に位置するツボで、肝臓と深いかかわりを持っていると言われており、刺激することによって、肝と血を養い、肝機能を強める役割を持っていると言われています。
梅雨の【湿邪】予防にオススメの食材って?
上記でもお伝えしましたが、梅雨の時期の老犬にとって、脾臓に湿気が溜まってしまうことは、食欲不振や下痢・嘔吐などを引き起こしてしまう原因になります。
食事だけで完全に湿気を取り除くということはなかなか難しいことですが、以下の食材をトッピングなどに取り入れることで、脾臓ケアに役立てられるので、気になる方はぜひ取り入れてみてくださいね。
【湿邪予防に効果的なオススメ食材】
・あずき
・モロヘイヤ
・スイカ
・シソ
・ショウガ
・冬瓜etc…
梅雨時期は適度な運動で水分代謝を促すことが大切ですが、シニアになってなかなか動きも鈍くなってきた愛犬には、上記のような食材をドッグフードのトッピングや手作り食の一つとして取り入れると、カリウムや抗酸化作用などの効果で湿邪予防に役立てられます。
餡子として好まれるあずきに関しては、市販のあずき粉末を使って与えると与えやすいですし、ミネラル分が豊富なモロヘイヤについても市販のモロヘイヤ粉末を使って与えることで、カリウムだけではなく、カルシウムや鉄分などの補給が可能です。
また、香味野菜のシソやショウガなども胃腸の働きを良くし、湿邪対策で脾臓ケアに最適ですよ。
(初めて与える場合や与える量について、ご注意ください。)
まとめ
いかがでしたか?
老犬にとって梅雨から夏にかけての時期は、熱中症に限らず、免疫力低下や食欲低下など、幼犬や成犬以上に気に掛かることが多い季節です。
また、専門的な知識を必要とする治療を行っている場合には、事前に獣医師さんと相談した上で行うことも大切になるでしょう。
しかし、こうした自宅で出来るケアで、梅雨から夏にかけての季節を少しでも愛犬と快適に過ごせるように、是非とも取り入れてみてくださいね。
<参考書籍>
7歳からの老犬ごはんの教科書
ワンちゃんの病気予防と健康管理に 犬のツボ押しBOOK
<参考サイト>
岡山の医療健康ガイドMEDICA|梅雨明け後の心不全や脳卒中注意 1カ月は高リスク 藤本医師ら分析
>https://medica.sanyonews.jp/article/30264/
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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