皆さんは、ゴールデンウィーク明けのようやく慣れてきた環境の変化などに伴って表れる五月病って経験したことはありますか?
五月病と聞くと、どうしても『人がなる』というイメージが強くなってしまいがちですが、実は五月病に似た症状は犬にも存在します!
今回は、犬に起こる五月病の症状や五月病にならないために取り入れたい食習慣・対処法などについて解説します!
<目次>
そもそも五月病ってどんな病気?
世間一般に言われている五月病とは医学的な病名ではありません。
主にゴールデンウィーク明け頃から見られることがある気怠さ、不安感、食欲不振、体調不良、不眠など、こうした症状を総称した精神的・身体的な不調を多くの人が感じることで言われるようになったいわば造語で、医学的観点から診断される病名としては、『適応障害』といった病気に分類されることが多いと言われています。
五月病の主な原因はストレスと言われておりますが、その要因は様々です。
日本の春の時期というのは、就職や転勤といった移動の時期でもありますし、急激な気温の変化や気圧の変化による自律神経の乱れ、それまでとは違った新しい環境での生活など、こういった要因が複雑に絡み合った結果起こってしまうのが五月病です。
これを聞く限りでは、ストレス社会と言われているこの世の中、「やっぱり人の方が当てはまるんじゃないか」と感じてしまいそうですが、実はそのストレスは愛犬にも伝染してしまっている可能性があることを、スウェーデン・リンショーピング大学の動物学者であるリナ・ロス主任研究チームが明らかにしています。
ストレスが原因で起こる犬の五月病の症状って?
上記でもお伝えしたように、飼い主さんのストレスというのは愛犬に伝染してしまう場合があり、そのストレスレベルというのは、毛髪に含まれるコルチゾール(ストレスホルモン)の値が高ければ高いほど、同様に愛犬のストレスも高く、ストレスレベルはシンクロしていることが分かっています。
とはいえ、このストレスレベルのシンクロは五月病に限ったことではなく、いつどんな時であっても飼い主さんが強いストレスを感じた時には愛犬もまたストレスを感じやすいという研究結果です。
そのため、五月病とはまた一線を画す考え方をする必要性はありますが、例えば新生活に伴って引っ越しや就職、転職など生活の変化によって飼い主さんも五月病を患って、明らかにそれと同時期に愛犬の様子もおかしい場合には、五月病を患っている可能性を考えても良いでしょう。
それでは、具体的にはどんな症状が犬の五月病と言えるのでしょうか?
下記でご紹介する症状をご自身の愛犬と照らし合わせて、もしも当てはまるようなら五月病を疑ってみてください。
【犬で見られる五月病の主な症状】
・不眠
・食欲不振
・下痢・嘔吐
・通常よりも吠える
・問題行動が見られる
・散歩に行きたがらない
普段の愛犬なら見られることのないこういった症状が、ゴールデンウィーク明けに見られるようになったのなら、それはもしかしたら五月病かも知れません。
愛犬の五月病対策で取り入れたい食習慣
五月病の症状は、人の場合であっても長く続く人もいれば、短く異変を感じる前に症状が治まる人もいることでしょう。
犬の場合は特に元々我慢強い動物でもあるため、もしかしたら飼い主さんが異変に気付かず五月病になっていた事すら感じさせないワンちゃんも居るかもしれませんが、どうせなら五月病が発症してしまう前に対策しておきたいですよね。
それでは、五月病対策に最適な食習慣が何なのか、一つずつ確認していきましょう。
五月病対策食習慣その1:大豆類や肉類、魚類などのたんぱく質を摂る
犬の体に必要不可欠な大豆類や肉類、魚類などのたんぱく質には、トリプトファンという成分が豊富に含まれています。
トリプトファンは必須アミノ酸の一つで、体内では生成できない成分なので、必ず食材から摂取する必要がありますが、この成分はその後、セロトニンという精神安定剤の効果をもたらす幸せホルモンに変換されるため、内側からの五月病対策にオススメです。
五月病対策食習慣その2:トマトやカボチャなどに含まれるGABAを摂る
GABAは、天然のアミノ酸の一つで自律神経のバランスを整える効果やリラックス効果、安眠効果などが期待できる成分です。
トマトやカボチャ、キウイ、エノキなどに含まれています。
エノキには疲労回復効果や食欲増進効果が期待できるビタミンB1も豊富に含まれており、内側からだけではなく、外側からも五月病対策にオススメと言えます。
ただし、愛犬にエノキを与える際には、必ず炒めたり煮たりして、消化不良を起こさないために細かく刻んであげた上で与えるように注意しましょう。
五月病対策食習慣その3:ヨーグルトやチーズなどの発酵食品を摂る
ストレスが掛かると、腸内環境が乱れ、腸内細菌のバランスなどが悪くなります。そうした腸内環境の乱れは自律神経にも影響してしまうため、愛犬だけではなく人も手軽に摂取することが出来るヨーグルトやチーズといった発酵食品は、五月病対策の食習慣として、とてもオススメです。
『肝』の影響が出やすい春には合わせてデトックスを
漢方などの東洋医学では、春は『肝』の季節とされています。
この『肝』というのは、感情のコントロールや自律神経の働き、血の巡りや気の流れなどに関係していると言われており、ストレスととても密接だとも言われています。
西洋医学の『肝臓』とは全く別物とされてはいるものの、新生活にようやく慣れてきた生活環境後の大型連休のゴールデンウィーク明けは、肝臓の機能から見ても、アンチエイジングやデトックスが重視される時期だと思います。
そのため、東洋医学で言う『肝』に影響を及ぼす精神不安や気力低下、食欲不振、気怠さなどで表れる五月病には、西洋医学で言う『肝臓』へのアプローチも合わせてケアしてあげると、一年間健康バランスを整えることが出来ます。
デトックス効果のあるセロリや春菊、レタスやゴボウといった食材を積極的に摂るように飼い主さんも心掛け、また、愛犬にも与えることで『肝臓』と『肝』の消耗・疲弊を出来る限り防ぎましょう。
愛犬が五月病かも?と思った時の対処法
もし、どんなに気を付けていても愛犬がゴールデンウィーク明け直後に五月病のような症状を見せた時には、出来る限り傍にいてあげたり、日光を浴びさせてあげるため、散歩に出掛けてあげたり、コミュニケーションを取ってあげてください。
愛情ホルモンと言われる『オキシトシン』には、飼い主さんが愛犬を見つめてあげるだけで分泌されることが分かっています。
ただし全ての犬が、みんながみんな見つめられることに幸せホルモンを感じるかと言えば、個体差があるためその点には注意が必要ですが、スキンシップが好きな愛犬や見つめられると嬉しそうにする愛犬には、それだけでも十分五月病には効果的と言えます。
先程も述べましたが、犬は基本的に調子が悪くても我慢してしまう動物です。それは五月病だけに限らず、ケガや病気においても同様なので、時間の許す限り普段から愛犬の状態を気にかけてあげ、少しでも普段と違った姿や状態が見受けられた時には、五月病なのか、そうでないのかということも合わせて、専門家や獣医師さんに相談するように心掛けましょう。
まとめ
五月病は、私たち人であっても何の前触れもなく気力を失ったり、食欲が低下したりするものです。
そのため、特に普段から大人しいワンちゃんの場合では、違いが読み取れないこともあるかもしれませんが、年初めの最初に訪れるゴールデンウィークという大型連休前は、可能な限り愛犬の状態を気にするように心掛けてあげたいものですね。
<参考書籍>
いぬほん
7歳からの老犬ごはんの教科書
気持ちを知ればもっと好きになる! 犬の教科書
<参考サイト>
漢方内科|証(あかし)クリニック|五月病に備えて
>https://www.akashi-clinic.com/kurashi/033.html
ナショジオニュース|飼い主のストレスは愛犬に伝染 最新研究で判明
>https://style.nikkei.com/article/DGXMZO46293970Z10C19A6000000/
博多犬猫医療センター|犬猫の五月病
>https://www.hakata-dcm.jp/news/%E7%8A%AC%E7%8C%AB%E3%81%AE%E4%BA%94%E6%9C%88%E7%97%85/
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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