秋といえば『スポーツの秋』、『読書の秋』、『食欲の秋』ですよね。
中でも『食欲の秋』は犬にとっても楽しみの一つで、梨やりんご、栗、柿などは、秋の味覚の代表格ではないでしょうか?
けれど今回は、そんな代表格だけじゃない!愛犬と一緒に食べられる秋の味覚6選とその栄養価、秋の食材で気を付けたいNG食材や注意点などを合わせてご紹介します。
<目次>
そもそも犬に食欲の秋って存在するの?
基本的に【食欲の秋】の由来には諸説あり、以下のような理由から秋にはよく、【食欲の秋】という言葉が生まれたと言われています。
▼【食欲の秋の由来】一覧
・セロトニンが関係している説
・夏バテ解消説
・基礎代謝上昇説
・味覚の秋が豊富説
・冬に備えて栄養を蓄える説
この説はあくまでも人に関係して言われている説ではありますが、『夏バテ解消説』や『冬に備えて栄養を蓄える説』については、犬にも当てはまる部分があります。
というのも、犬は季節によって必要とするカロリーを自らコントロールしていて、夏場は暑さから身を守るために食欲をセーブし、皮下脂肪を出来る限り減らすのに対して、秋はそれまでセーブしていた食欲を元に戻し、冬に備えて脂肪を蓄えようとします。
そのため、犬においても秋という季節は【食欲の秋】があると言えるのです。
犬が食べられる秋の味覚①かぼちゃ
3大抗酸化ビタミンのβカロテン、ビタミンC、ビタミンEが豊富に含まれているかぼちゃ。
血行促進や細胞再生、動脈硬化の予防などの効果が期待できる秋の味覚野菜の一つですが、かぼちゃは野菜の中でも高カロリーで、肥満になりやすいブルドッグやゴールデン・レトリバーなどの犬種にはカロリー調節や与える量に注意が必要になります。
犬が食べられる秋の味覚②さつまいも
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンA、カリウム、食物繊維などが豊富なさつまいもは、皮膚や骨の健康維持、がんや生活習慣病予防、便秘解消などの整腸作用にも効果がある秋の味覚野菜です。
中でも熱による損失が少ないビタミンCが豊富に含まれており、免疫力強化や抗酸化作用の効果も期待できます。
ただし、こちらもカボチャ同様カロリーが高いため、与える際には量に注意して与えてあげてください。
犬が食べられる秋の味覚③シイタケ
ビタミンDやカルシウム、食物繊維を豊富に含み、だしを取ったり、水で戻して使ったり、料理に取り入れやすい秋の味覚野菜です。
βグルカンの一種である「レンチナン」という成分は強い抗がん作用があり、抵抗力が弱い子犬や老犬には特に取り入れてあげたい食材の一つです。
ただし、シイタケは前述した通り食物繊維が豊富なため、消化があまりよくないので、干しシイタケにして乾燥のまま摩り下ろしたり、しっかりと火を通してみじん切りにしたり、工夫した上で与えてあげましょう。
犬が食べられる秋の味覚④鮭
ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、カルシウムなどが豊富な鮭は、骨や歯の強化や疲労回復などに効果がある秋の味覚食材です。
赤身のように思われがちな鮭は実は白身魚で、あの赤い身を作り出すアスタキサンチンには、強い抗酸化作用が認められ、がん抑制などの働きがあることが分かっています。
また、血液をサラサラにしてくれるEPAや脳細胞の活性化に役立つDHAも豊富に含んでいるため、シニア犬や白内障や認知症になりやすいと言われている柴犬などにオススメです。
犬が食べられる秋の味覚⑤イワシ
青魚であるイワシには、カルシウムがアジの3倍あり、それに加えてビタミンDも豊富なため、骨や歯の強化が必要な成長期には、とてもオススメな秋の旬食材です。
また、イワシは魚介類の中でも特にEPAの含有量を多く含み、血栓予防や高血圧改善に効果が期待できます。
さらに、イワシに含まれているイワシペプチドという成分には血圧上昇を抑制する働きがあるので、心臓や腎臓に負担がかかっている愛犬にはとてもオススメな食材と言えます。
犬が食べられる秋の味覚⑥サンマ
たんぱく質や脂質、ビタミンAやビタミンD、カルシウムなどを多く含むサンマは、たんぱく質よりも脂質を多く含むため、高カロリーではありますが、その脂質にEPAやDHAが豊富に含まれています。
ただし、前述でも述べましたがサンマは高カロリーな魚でもあるため、肥満気味の愛犬に与える際にはカロリーオーバーにならないように気を付けましょう。
犬にとってNGな秋の味覚①ブドウ・マスカット
秋の味覚にはブドウやマスカットなどの果物も含まれておりますが、このブドウ・マスカット類に限っては、犬にとって中毒を起こす危険性がある果物のため、決して与えないようにしましょう。
ブドウやマスカットを食べて起こす中毒は、はっきりとした原因が解明されておらず、与えた場合には、最悪死に至ってしまう程危険とされています。そのため、ブドウやマスカットについてはその実はおろか、皮や種に至るまで、犬に与えないようにしてください。
犬にとってNGな秋の味覚②アボカド
「森のバター」と称されるアボカドについても殺菌作用のあるペルシンという成分が含まれています。
この成分は人以外の多くの動物では有害とされており、嘔吐や下痢、呼吸困難といった中毒症状が危惧されています。
アボカドには多くの品種があり、ドッグフードの原料で使われているアボカドの場合には、ペルシンの含有量が少ないものを使っているため中毒症状は出にくいようですが、日本のスーパーで一般的に多く出回っているアボカドは、ペルシンを多く含んでいる品種のため、生のアボカドを犬に与えるのは控えましょう。
犬に秋の味覚を与える時の注意点
犬にドッグフード以外のトッピングを与える時には、基本的に1日に与える給餌量の10~20%が限度とされています。
しかし、普段ご自身の愛犬に与えている給餌量の10~20%を初めから与えてしまうと、食物アレルギーの有無によってはアレルギー反応が出てしまう危険もあるため、初めは少量から与えるように心掛けてください。
可能であれば、事前に動物病院でアレルギー検査を行い、問題がなければ与えるようにすると、心配なく与えることが出来るので検討してみてくださいね。
また、上記でご紹介した秋の味覚のイワシやサンマといった青魚については、与え過ぎによる黄色脂肪症(イエローファット)という症状を持ち合わせていたり、加熱すれば問題ないものの多くの魚介類に含まれるチアミナーゼは、ビタミンB1を破壊してしまう酵素が含まれていたりするので、与える時には、加熱処理、適正量を守るように注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
【食欲の秋】は実りの秋とも言われるほど様々な食材の旬を迎えます。
けれど、その中には決して犬には与えていけない食材も存在し、その判断は私たち飼い主がしっかりと見極めなければなりません。
以前筆者は近所のスーパー内で、商品紹介のPOPに『ブドウと犬』の絵が可愛らしく飾られているのを見掛けた事がありました。
しかし、ブドウは上記でもお伝えした通り、犬にとっては有害な果物です。
そのため、そのPOP通りに愛犬にブドウを与えてしまうのは大変危険を要するので、愛犬と一緒に秋の味覚を楽しみたい時には、事前に調べて問題がないことを確認してから、与えてあげてくださいね。
<参考書籍>
健康維持・病気改善のための愛犬の食事療法 ホリスティック獣医師による病態別・成長別180種のレシピ
愛犬のための症状・目的別栄養事典
<参考サイト>
公益社団法人埼玉県獣医師会|食欲の秋、肥満にご用心
>https://www.saitama-vma.org/topics/%E9%A3%9F%E6%AC%B2%E3%81%AE%E7%A7%8B%E3%80%81%E8%82%A5%E6%BA%80%E3%81%AB%E3%81%94%E7%94%A8%E5%BF%83/
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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