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「犬は白菜や大根を食べていいの?」犬も一緒に楽しめる冬の味覚をご紹介【動物看護師が解説】

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クリスマスやお正月など、冬には美味しいものを食べるイベントがたくさんありますね。

「愛犬と一緒に美味しいものを楽しみたい」「美味しいものをおすそ分けしてあげたい」と思う飼い主さんも多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「犬も飼い主さんも一緒に楽しめる冬の味覚」を5つご紹介いたします。

犬が避けた方が良いNG食材も一緒に紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

愛犬と一緒に楽しめる冬の味覚① 「白菜」

白菜は犬も食べることができる野菜です。

白菜には「カリウム」と「カルシウム」が豊富に含まれています。

「カリウム」は過剰な塩分を体外に排出することで、血圧を安定させる働きがあり、「カルシウム」は骨や歯を構成する材料になります。

また食物繊維も多く含んでいるので、お腹の中で腸内細菌の餌になり、整腸作用も期待できます。

犬に「白菜」を与えるときの注意点!

▼犬に「白菜」を与えるときの注意点
・加熱をして与える
・芯は取り除くか加熱して細かく刻む
・与えすぎない
・持病がある子は与える前に獣医師に要確認

生の白菜を食べることもできますが、加熱をしてあげた方が消化もしやすいので、できれば加熱をして与えるようにしましょう。

また、白菜の芯は硬いのでそのまま食べると、消化不良を起こす可能性があります。

犬に与える際は芯の部分を避けるか、加熱して細かく刻んで与えるようにしましょう。

持病を持っている子や治療中の子は、必ず与える前に獣医師さんに相談するようにしてください。

特に腎臓の働きが弱っている子の場合、カリウムが尿に上手に排出できなくなるので、体の中にカリウムが溜まりがちになってしまいます(カリウムが溜まると嘔吐、しびれ、不整脈などが引き起こされます)。

愛犬と一緒に楽しめる冬の味覚➁ 「大根」

大根も犬に与えてよい野菜です。

大根には「根っこである白い部分」と「葉の部分」がありますが、含まれている栄養素はそれぞれ異なります。

「白い根の部分」には、消化酵素である「アミラーゼ」が含まれています。

この「アミラーゼ」は消化を手助けする働きがあるので、お腹が弱い子や食欲が落ちている子にオススメの食材です。

また大根の「葉」の部分には、抗酸化力の高い「βカロテン」が豊富なだけでなく、丈夫な骨を作るのに欠かせない「カルシウム」も含まれています。

大根というと白い部分を食べるイメージがありますが、葉っぱの方にも栄養がたくさん含まれているので、一緒に与えるといいですね。

犬に「大根」を与えるときの注意点!

▼犬に「大根」を与えるときの注意点
・根の部分は上側の方を与える
・細かく刻んで与える(餃子の具くらいが目安)
・与えすぎないようにする
・持病がある子は与える前に獣医師に要確認

大根の根の部分は、下の方にいくにしたがって辛みが強くなります。

生で与える場合、特に辛みを感じやすくなるので、犬に与える場合はなるべく上側の方を与えるようにしましょう。

また、大根は水分や食物繊維も豊富です。

与えすぎると、消化不良や下痢を引き起こしてしまうので、少量だけ与えるようにしましょう。

愛犬と一緒に楽しめる冬の味覚➂ 「みかん」

冬の代名詞といえば「みかん」という方も多いのでないでしょうか。

みかんも犬と一緒に楽しめる冬の味覚です。

みかんには抗酸化作用の高い「ビタミンC」や食物繊維の一種である「ペクチン」が含まれています。

食物繊維は整腸作用もあるので、便が硬くなりがちな犬にはピッタリのオヤツです。

犬に「みかん」を与えるときの注意点!

▼犬に「みかん」を与えるときの注意点
・皮、薄皮、白い筋、種は取り除いて与える
・与えるときは細かく刻む
・与えすぎない
・お腹が弱い犬や老犬、子犬に与えるときは要注意
・持病がある子は与える前に獣医師に要確認

犬に「みかん」を与えるときは、消化に負担がかかる「皮」・「薄皮」・「白い筋」・「種」は取り除くようにしましょう。

犬はほとんど噛まずに丸のみしてしまうので、そのまま食べると喉に詰まられる可能性があります。細かく刻んで与えるようにしましょう。

また、みかんは「ビタミンC」が豊富です。

「ビタミンC」の取りすぎは、下痢や腹痛を引き起こしてしまうので、消化機能が弱い老犬や子犬、お腹が弱い犬に与えるときは慎重に与えてください。

「こちら」の記事もオススメです

【犬にアレルギーが出やすい食材は避けた方が良いと思っていませんか?】

愛犬と一緒に楽しめる冬の味覚④ 「タラ」

お魚の「タラ」も犬と一緒に楽しめる食材です。

タラはカロリーが低く、タンパク質も豊富な魚です。

日本水産株式会社(ニッスイ)が65歳以上の女性を対象に行った研究によると、スケトウダラを食べると骨格筋量や筋力の増加が確認されたそうです。

犬も年齢が高くなると、筋肉量が落ちてくるので、良質なタンパク質を摂取して筋肉量を維持させることはとても大切です。

年齢が高い犬はもちろん成長過程の子犬にもオススメな食材ですね。

犬に「タラ」を与えるときの注意点!

▼犬に「タラ」を与えるときの注意点
・必ず加熱して与える
・与えすぎない
・アレルギーに注意する
・持病がある子は与える前に獣医師に要確認

犬に「タラ」を与えるときは、必ず加熱をして与えるようにしましょう。

生の魚には「アニサキス」という寄生虫がついている可能性があります。

また、「タラ」にはビタミンB1を分解する酵素が含まれています。

加熱をするとなくなるのですが、生のまま与え続けるとビタミンB1欠乏を起こし、エネルギー不足からの疲労や食欲不振、脚気(足のむくみやしびれ等)を引き起こす可能性があります。

またタラはアレルギーが出にくい魚ではありますが、反応する子もいるので、与える際は普段と変わった様子がないか注意して与えてください。

愛犬と一緒に楽しめる冬の味覚➄ 「りんご」

りんごも犬に与えても良い冬の味覚です。

りんごには強い抗酸化力をもつポリフェノールや食物繊維のペクチンが豊富に含まれています。

食物繊維は整腸作用がありますし、甘味を好む犬は多いので、老犬や食欲が落ちている犬にピッタリのオヤツです。

犬に「りんご」を与えるときの注意点!

▼犬に「りんご」を与えるときの注意点
・皮、芯、種は取り除いて与える
・与えるときは細かく刻んで与える
・与えすぎない
・血糖値が高めの犬や糖尿病の犬には与えない
・持病がある子は与える前に獣医師に要確認

りんごの芯や種には「アミグダリン」という成分が含まれており、犬が中毒を起こす可能性があるので、与える際は芯や種は取り除きましょう。

また、ポリフェノールは皮に多く含まれていますが、皮は消化しにくい部位ですし、農薬が付着している可能性もあるので、剥いてあたえるか、しっかり洗って細かく刻むようにしましょう。

りんごは糖分を含むので血糖値を大きく変動させたくない、血糖値が高めの犬や糖尿病の犬には与えないようにしましょう。

「魚介類・甲殻類」を犬に与えるときは要注意!

冬は「カニ」や「エビ」などの甲殻類や魚介類が美味しい季節でもありますね。

しかし、犬には注意が必要な食べ物です。

「イカ」や「タコ」は人にとっては美味しい食材ですが、犬は消化不良を起こす可能性があります。

特におつまみで食べる「スルメ」は犬が食べてしまうと胃の中で水分を吸って膨張し、腸に流すことも吐き出すこともできずに、苦しむことになります。

「カニ」や「エビ」は犬も食べることのできる食材ではありますが、ビタミンB1を分解する酵素も含まれるので、必ず加熱をして与えてください(加熱すると酵素が壊れます)。

犬も飼い主さんも楽しめる食材を「5つ」ご紹介しました。

人にはOKでも犬にとっては健康に良くない食材もあるので、与える前に「ちょっと調べる」を習慣にして、愛犬と一緒に冬の味覚を楽しんでくださいね。

▼「こちら」の記事もオススメです

【犬の食物アレルギー検査の信憑性ってどれくらい?】

 

<参考書籍>

動物看護のための小動物栄養学 阿部 又信 (著)

臨床栄養学―獣医学教育モデル・コア・カリキュラム準拠 阿部又信 左向敏紀 (著)

<参考URL>

スケソウダラタンパク質に関する研究成果
>https://www.nissui.co.jp/news/20210625.html

スケソウダラタンパク質に関する研究成果について
>https://www.nissui.co.jp/news/20191007.html

<画像元>

写真AC

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。