「食欲の秋」という言葉があるくらい秋は美味しい食べ物がいっぱいの季節ですね。飼い主さんが大好きな食べ物を愛犬にもおすそ分けしてあげたいと思う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、愛犬と一緒に楽しめる「秋の味覚5つ」と「与えるときの注意点」をご紹介致します。反対に犬に与えてはいけない秋の味覚もあるので、そちらも合わせて覚えてみてくださいね。
<目次>
犬と一緒に楽しめる秋の味覚① さつまいも
さつまいもは犬に食べさせてもいい食べ物です。
さつまいもの主成分は炭水化物なので、運動するときの大切なエネルギー源になってくれます。
また、さつまいもには食物繊維も多く含まれているので、お腹の調子を整えたり便秘を解消してくれる効果が期待できます。
蒸したさつまいもは柔らかくて甘みもあるので、好む犬が多い食材です。
「さつまいも」を犬に与えるときの注意点
▼「さつまいも」を与えるときの注意点
・糖質とカロリーが高いので与えすぎに注意
・皮は消化に悪いので細かく切るか取り除く
・蒸すなど必ず加熱して与える(火傷に注意)
・喉に詰まらせないように小さくカットして与える
・初めて与えるときは少量から与える
・肥満や持病がある犬は与える前に獣医師さんに相談
さつまいもは犬が食べてもいい食材ですが、与えるときにはいくつか注意点があります。
まず、さつまいもはカロリーが高い食材なので与えすぎには注意しましょう。
オヤツのカロリーの目安が1日の総カロリーの10%ほどと言われているので、小型犬であれば輪切り1枚程度の量におさえておきましょう。
また、さつまいもはアレルギーが出にくい食材ではありますが、反応してしまう犬もいるので、初めて与える際には少量だけで様子をみるようにしましょう。
犬と一緒に楽しめる秋の味覚➁ 梨
梨も犬に与えてもいい食材です。
梨には水分が多く含まれているので、食欲が落ちているときや暑い日のオヤツなど水分補給のひとつとして与えるとよいでしょう。
また、梨には「アスパラギン酸」というアミノ酸の一種が含まれています。アスパラギン酸には、利尿作用や疲労回復効果があるといわれているので、季節の変わり目で食欲が落ちている犬にはピッタリのオヤツです。
「梨」を犬に与えるときの注意点
▼「梨」を与えるときの注意点
・皮、種、芯は取り除いて与える
・与えすぎは下痢や腹痛を引き起こすので注意
・与えるときは薄くスライスするかみじん切りにする
・初めて与えるときは少量から与える
・肥満や持病がある犬は与える前に獣医師さんに相談
梨には水分や食物繊維が多く含まれているので、与えすぎると下痢や腹痛などを引き起こします。
小型犬サイズなら与える量は10g程度におさえておきましょう。
また、人が食べる時と同じように皮や芯、種は取り除いて与えるようにしましょう。
犬と一緒に楽しめる秋の味覚➂ 柿
秋の味覚と言えば、柿を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
柿も犬と飼い主さんが一緒に楽しめる食材です。
柿には「βカロテン」という色素成分が含まれています。βカロテンは体内に入るとビタミンAに変換されて、消化管の粘膜を強くしたり、健康な皮膚を維持する働きがあります。
また食物繊維も豊富に含んでいるので、食物繊維が腸内で菌のごはんになり、腸内のバランスを整える効果も期待できます。
「柿」を犬に与えるときの注意点
▼「梨」を与えるときの注意点
・皮と種は取り除いて与える
・与えるときは薄くスライスするかみじん切りにする
・与えすぎは消化不良や下痢、便秘を引き起こすので注意
・初めて与えるときは少量から与える
・肥満や持病がある犬は与える前に獣医師さんに相談
愛犬がおいしそうにパクパク食べると、もっと与えたくなってしまいますが、先ほどお話ししたように柿には食物線維が豊富です。
食物繊維は多く取りすぎると、消化不良を引きおこす可能性があるので、与えるときは少量だけにしましょう。
また大きい塊を犬にかじらせるようにして与えると、一気に飲み込んで喉に詰まらせる可能性があるので、与えるときは薄くスライスするかみじん切りにして与えましょう。
犬と一緒に楽しめる秋の味覚④ かぼちゃ
かぼちゃも犬に与えて良い食材です。
かぼちゃにはビタミンEやビタミンB1などビタミンが豊富に含まれています。ビタミンEは抗酸化作用があるので老化防止や血行改善効果が期待できますし、ビタミンB1は脳や心臓など働きを正常に保つのに欠かせないビタミンです。
若い犬はもちろんシニア犬にも健康維持のためにオススメな食材です。
「かぼちゃ」を犬に与えるときの注意点
▼「かぼちゃ」を与えるときの注意点
・糖質とカロリーが高いので与えすぎには注意
・蒸すなど必ず加熱して与える(火傷に注意)
・種や皮は取り除いて与える(皮まで与えたい場合は十分に加熱して柔らかくするかみじん切りにして与える)
・初めて与えるときは少量から与える
・肥満や持病がある犬は与える前に獣医師さんに相談
さつまいも同様にかぼちゃも糖質とカロリーが高い食材です。
甘味があるので犬は好む食材ですが、与えるときはたくさん与えず少量(小型犬サイズでひと切れ程度)にしておきましょう。
またかぼちゃの皮は硬いので、与える際は取り除くか十分加熱してみじん切りにして、消化不良を起こさないように工夫してあたえましょう。
犬と一緒に楽しめる秋の味覚➄ さんま
秋になると「さんま」を食べたくなりますね。
大好物な方も多いさんまですが、犬も一緒に楽しめる食材です。
さんまには、DHAやEPAといった良質な脂が豊富に含まれており、脳を活性化したり血液をサラサラにしてくれる効果が期待できます。
また、カルシウムの吸収を促進するビタミンDも豊富に含んでいるため、丈夫な骨を作るのに役立ちます。
「さんま」を犬に与えるときの注意点
▼「さんま」を与えるときの注意点
・しっかりと加熱して身をほぐして与える
・小骨は取り除く
・塩などの調味料は足さない
・初めて与えるときは少量から与える
・肥満や持病がある犬は与える前に獣医師さんに相談
さんまは小骨が多い魚です。そのまま与えてしまうと、小骨が喉の粘膜を傷つけたり消化の負担になるかもしれません。与えるときは身をしっかりほぐして、小骨は取りのぞいてあたえましょう。
また、魚介類の内臓には「アニサキス」という寄生虫がいる可能性があります。しっかりと加熱して「アニサキス」を死滅させてから与えましょう。
犬に与えてはいけない秋の味覚は?
これまで、犬に与えても良い「秋の味覚」をご紹介してきましたが、反対に犬に与えてはいけない「秋の味覚」もあります。
それは「ぶどう」です。
犬が中毒を引き起こす食材は「たまねぎ」や「チョコレート」が有名ですが、同じくぶどうも中毒を起こす可能性があると報告されています。
アメリカで発表された研究によると、ぶどうやレーズンを摂取した犬(43頭)のうち、約半数が腎機能障害で死亡したと報告されています。
どうしてぶどうが中毒に結びつくのか、詳しいメカニズムはまだ解明されていませんが、愛犬の安全のために避けておいた方がよいでしょう。
いかがでしたか?
犬と一緒に楽しめる秋の味覚を紹介しましたが、すべてに共通するのが「食べすぎはダメ」「初めて食べる物は慎重に」という事です。
注意点をしっかり覚えて、愛犬と一緒に季節の食材を楽しんでくださいね。
<参考URL>
Acute renal failure in dogs after the ingestion of grapes or raisins: a retrospective evaluation of 43 dogs (1992-2002)
>https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16231710/
<画像元>
Unsplash
写真AC
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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