この度、犬猫へのマイクロチップ装着の義務化が決定しました。
マイクロチップ装着の義務化は、2019年6月に動物愛護法の改定により決定。改定の公布から3年以内の2022年6月までに施行される予定となっています。
既に愛犬にマイクロチップを装着されている飼い主さんもいらっしゃるかと思いますが、日本ではまだまだ未装着のわんちゃんの方が多い模様。「犬にマイクロチップなんて初めて聞いた!」「マイクロチップを装着して何かメリットがあるの?」と思われる飼い主さんも多いのではないでしょうか?
今回は、マイクロチップとは何か?という基礎知識から、マイクロチップ装着の義務化の内容、マイクロチップ装着によって得られるメリットと起こり得るデメリットについてお話しします。
そもそもマイクロチップって何?どんな機能があるの?
マイクロチップとは直径2mm、長さ8~12mmのICチップの入った電子器具。電子器具と言っても外側は生体適合ガラスで覆われていて、体に悪影響を与えないようになっています。
▲ICチップが内蔵されたマイクロチップ
出典元:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/pickup/chip.html
内蔵されているICチップには個体それぞれの15桁の数字が記録され、この番号をマイクロチップリーダー(読み取り専用機)で読み取ることにより、個体識別(そのわんちゃんの飼い主の名前、住所、連絡先の照会)が出来るという仕組みです。
マイクロチップ自体に電池は必要ないので、一度埋め込めば半永久的に使用が出来ます。埋め込むのはわんちゃんにとって一生に一度でよいという事ですね。
マイクロチップ装着にかかる費用・埋め込み方法や情報登録機関について
マイクロチップ装着にかかる費用は動物病院によって異なりますが、3,500円~5,500円ほどが一般的だと言われています。
装着部位は首の後ろ側、良く親犬が子犬を移動させる時にくわえる場所です。なぜこの部位なのかというと、皮余りが多く比較的に痛みに鈍感な部位であるから、とのことです。
装着方法は、通常の注射針よりも少し太めのチップ注入器を使って、体内に注入します。痛みは通常の注射と変わらないと言われています。マイクロチップの埋め込み作業は医療行為ですので、獣医師のみが行えます。
マイクロチップに記録されている番号と飼い主の情報は、「動物ID普及推進会議(AIPO)という機関に登録されます。照会の際は、各都道府県の動物愛護センターや保健所、警察署等を通じてAIPOから通知されます。
また、飼い主は愛犬が迷子になってしまったら、AIPOに対して逸走の登録をする必要があります。
マイクロチップ装着の義務化、改定の内容は?
マイクロチップ装着の義務化で大きく変わるのは次の2点です。
1.ペットショップや犬猫を直接販売するブリーダーなど、販売業者へのマイクロチップ装着、情報登録の義務化
2.マイクロチップを装着している犬猫を譲り受けた飼い主に対して、登録情報変更の義務化
ここで大事なのが装着自体を義務化されるのは、ペットショップや犬猫を販売しているブリーダーに対してのみだということ。
2022年6月以降は、販売業者から一般の飼い主にわんちゃんが飼われるときには既にマイクロチップが装着されていることになります。つまり、2022年6月以降、マイクロチップを装着しないまま犬猫を販売する業者は、「違法業者」という事ですので注意しましょう。
おそらく、わんちゃんを購入する際にペットショップやブリーダーに対して飼い主がマイクロチップ装着の代金を支払うことになるでしょう。
新しくわんちゃんを飼った飼い主に課せられる義務は、登録情報の変更のみとなります。
既に飼っている犬猫への装着も義務化されるの?
今現在わんちゃんを飼っている飼い主の皆さんにとって一番気になるのが、既に飼われている犬猫に対してもマイクロチップ装着が義務化されるのかどうか?ではないでしょうか。
実は、既に飼っている犬猫に対してはマイクロチップの装着は義務化されません。義務ではありませんが、努力義務として推奨されることになります。
また拾ったり人から新しく譲り受けたりした場合も、マイクロチップの装着がされていない犬猫の場合は努力義務です。もし拾ったり人から譲り受けた犬猫でも、マイクロチップの装着がされていた場合には、登録情報の変更が義務づけられます。
マイクロチップ装着の義務化の理由
マイクロチップ装着の義務化の理由はいくつかありますが、ここでは2つ紹介します。
1.脱走や災害時の迷子犬と飼い主との再会率を上げるため
東日本大震災の際、犬鑑札もしくは狂犬病予防接種注射済票を付けていた迷子犬の飼い主への再会率は100%でした。しかし、犬鑑札、注射済票のどちらも付けていなかった迷子犬の飼い主との再会率は10%にも満たなかったそうです。
マイクロチップは一度体に入れてしまえば無くなることはないので、より飼い主との再会率が上がると考えられます。
愛犬の脱走や迷子になってしまった時、マイクロチップが装着されていて情報照会のシステムも整っているとなれば、飼い主の皆さんも少しは安心できるのではないでしょうか。
2.世界情勢への適応のため
現在、ヨーロッパを中心に犬猫へのマイクロチップ装着を義務化する国が増えています。
日本から海外へペットと一緒に入国するためには、マイクロチップを装着していなければならない国も多いです。また海外から日本へペットと一緒に入国する際にも、マイクロチップを装着している必要があります。
世界の主要国の対応に適応するためにも、マイクロチップ装着の義務化が必要であると考えられています。
マイクロチップ装着の安全性は?デメリットはある?
マイクロチップは生体適合ガラスに覆われているため、体に害はないとされています。世界では装着した部分に炎症が起きた例も稀にあるそうですが、数は極めて少ないです。
念のためひどいアレルギー体質のわんちゃんは、装着直後は注意深く見守ってあげると良いでしょう。
また動物愛護法を所管する環境省HPでは、故障や外部からの衝撃での破損の報告はないとされています。
デメリットは、動物病院でMRIを使って検査するときに画像が乱れる場合があること。画像の乱れた部位に異常があった場合は、病気を発見しづらくなる可能性があります。
以上、マイクロチップ装着の義務化についてお伝えしました。
今おうちにいるわんちゃんへの装着は努力義務ですので、今すぐ飼い主の皆さんにとって変化があるわけではありません。しかし、改めて法律で装着が義務化されたと知ることによって、マイクロチップ装着について考える良い機会となったのではないでしょうか?
マイクロチップはもしもの時にとても役立つものです。既におうちにいるわんちゃんに装着するかは、わんちゃんの年齢、体調などを考慮しながら検討してみると良いのではないでしょうか。
実家でチワワ4匹、ミニチュアダックスフンド1匹、チワックス1匹を飼っています。
過去には最高8匹の多頭飼い経験も!
最近はわんことのお出掛けにハマっています。
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