迷い犬の張り紙やSNS情報を見ると、自分のことのように胸が痛みますね。
迷い犬の情報が近所だと、愛犬の散歩のときや外出のときに探してみようかなという方もいらっしゃるかもしません。
では、こういった迷い犬を実際に発見した場合、どういった対応をとればよいのでしょうか。
今回は「迷い犬を見つけたらどうするのか」や「迷い犬を保護するときの注意点」をご紹介します。
「迷い犬を保護した後に気をつけること」も合わせてご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
迷い犬を保護するときの注意点は?
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迷い犬を見かけたらすぐにでも保護してあげたいと思う方は多いと思います。
ですが、相手の犬の性格や心理状態によっては慎重に行動をしないと危険な場合もあります。
自分の愛犬と同じ感覚で接すると、思わぬ怪我や事故を起こすこともあるので、迷い犬を保護するときは注意点があることを覚えておきましょう。
▼迷い犬を保護するときの注意点3つ
①保護するときは時間をかける
②無理に保護しようとしない
③噛まれないように注意する
①保護するときは時間をかける
迷子犬を保護するときはできる限り静かに時間をかけて接近しましょう。
「見つけた!」と大声で叫んだり、走って近寄ると怯えて逃げてしまう可能性があります。
一度怖い思いをすると、そのエリアに犬が近寄らなくなるので、捜索範囲が広がって発見しにくくなってしまいます。
②無理に保護しようとしない
迷い犬を見つけると「可愛そうだから早く保護しないと」と思うかもしれませんが、リードを付けていない初めて会う犬を捕まえるのは非常に難しいです。
見知らぬ人から追いかけられた不安で「交通量の多い道路に飛び出す」「段差で転倒する」といった大きな事故を起こしてしまう可能性があります。
近づくと逃げ回るなど迷い犬を安全に保護するのが難しい場合は、無理に保護しようとせず、通報という選択肢をとりましょう。
③噛まれないように注意する
迷子になった犬は強い緊張状態です。
保護するために近寄ったとしても、自分の身を守ろうとして攻撃してくる可能性があります。
オヤツを使って保護する方法も有効な手ではありますが、オヤツに固執する性格であったり空腹感が強かったりすると、無理に奪い取ろうとしてくる可能性もあります。
その犬のバッググラウンドがわからないので、保護する場合は噛まれないように十分注意しましょう。
迷い犬を保護したら、何をすればいいの?
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では無事に迷い犬を保護することができたら、その後どんな対応をとればよいのでしょうか。
迷い犬を保護した後に取るべき行動を一覧にまとめました。
▼迷い犬を保護したらやること
・安全な場所で保護する
・犬の首輪や服に飼い主の手がかりがないか探す
・ペットを飼っている飼い主さんは接触に気をつける
・動物病院に連れて行く
・必ず警察や保健所などに届け出をする
・SNSなどで情報を共有する
・安全な場所で保護する
迷い犬を保護したら可能ならリードを付けましょう。
リードをつけることで脱走を防止し、安全な場所まで誘導することができます。
犬を保護する場所は柵やケージなど囲われた場所が良いでしょう。
脱走期間が長いと体力が消耗しているので、毛布やクッションなどを置いて休める場所も作ってあげましょう。
・犬の首輪や服に飼い主の手がかりがないか探す
迷い犬が首輪や服を着ていれば、飼い主さんの連絡先が載っている可能性があるので、チェックしましょう。
また首輪に「注射済票」「鑑札」「迷子札」が付けてあれば、登録番号から飼い主の情報がわかるので、市役所や動物愛護センター、保健所に連絡をして登録番号と犬を保護した旨を伝えましょう。
・ペットを飼っている飼い主さんは接触に気をつける
迷い犬が病気に感染している場合があります。
自宅で別のペットを飼っており自宅で迷い犬を一時的に保護する場合は、保護する部屋を一時的に分けるなど自宅ペットとの接触をできるだけ避けましょう。
感染症が心配であれば、自宅で保護をする前に動物病院で診察を受けるのもよいでしょう。
・動物病院に連れて行く
脱走期間が長いと栄養状態が悪く栄養不足になっていたり、病気に感染していたり、怪我をしていることがあります。
迷い犬の状態を知るために、一度動物病院に連れて行くと安心です。
また、犬の体にマイクロチップが入っている場合があります。
動物病院にはマイクロチップの読み取り機械が置いてあるので、飼い主の情報が登録されていれば動物病院から連絡を取ることが可能です。
動物病院に事前連絡を入れて、連れて行くとよいでしょう。
・必ず警察や保健所に届け出をする
迷い犬を保護したら、必ず下記の場所に迷い犬を保護したことを伝えましょう。
▼迷い犬を保護した後に連絡する場所
・警察 交番
・保健所
・自治体(動物愛護センター・保健福祉事務所など)
警察に「遺失物拾得届」を出しておかないと「占有離脱物横領罪」や「窃盗罪」といった罪に問われる可能性があります。
また、犬が迷子になると保健所や愛護センター保護されている可能性が高いので、飼い主が迷い犬の問い合わせを出していることがあります。
飼い主が愛犬を発見しやすいように、必ず届け出をしてあげましょう。
連絡をするときは犬の特徴や発見場所の情報も伝えると、より飼い主さんが見つかりやすくなります。
▼下記の情報も一緒に伝えましょう
・犬種、性別、毛の色など犬の特徴
・発見した時間と場所
・犬が身につけていた物の特徴(服や首輪など)
・犬の年齢(おおよそでOK)
・保護した人の情報(名前や連絡先)
・保護した犬の現在の状況(自宅で預かっているなど)
・SNSなどで情報を共有する
飼い主が迷い犬の専門サイトやSNSに迷い犬の情報を載せている可能性があります。
飼い主の目に触れやすいように、情報を発信しておきましょう。
保護できなかったけれど、見かけた場合はどうする?
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近寄ったら逃げてしまったなど、迷い犬を見かけたけれど保護できなかった場合はどうすればよいのでしょうか。
迷い犬を保護できなかった場合も管轄内の警察や保健所に連絡を入れましょう。
飼い主が警察や保健所に問い合わせたときに、情報を得やすくなります。
また、迷い犬の専門サイトやSNSに見かけた犬の特徴や発見場所を載せておくと、飼い主が見つかる可能性が高くなります。
迷い犬を保護した後に気をつけることは?
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では、迷い犬を無事に保護できたら、どんなことに気をつければよいのでしょうか。
気をつけることを一覧にまとめました。
▼迷い犬を保護した後に気をつけること
・飼い主と連絡が取れた場合は、引き渡しに注意する
・飼っているペットと住み分ける
・今後の保護先を決める
・許可をとってポスターなどを貼る
飼い主と連絡が取れた場合は、引き渡しに注意する
迷子札などから飼い主さんに連絡を取ることができたら、引き渡し場所や引き渡しの方法を決めましょう。
トラブルに発展する場合もあるので、引き渡しは自宅ではなく公共の場所がよいでしょう(脱走に注意)。
警察や動物愛護センターに届け出をしている場合は、警察や動物愛護センターの方に介入してもらい、犬の引き渡しを行った方が安心です。
▼飼い主であることを確認してから引き渡そう
飼い主ではないのに飼い主を名乗り出るケースもあります。
トラブルを避けるために飼い主である証拠(飼っている時の写真・ワクチン証明など)を必ず確認してから犬を引き渡すようにしましょう。
飼っているペットと住み分ける
飼い主が見つかるまで自宅で犬を預かるという場合は、先住ペットと柵などで部屋を区切って生活させるようにしましょう。
ペット同士の喧嘩で怪我をしたり病気が蔓延すると、飼い主が見つかった後にトラブルに発展することもあるので、一時預かりの場合は棲み分けをしておいた方が安全です。
ただ迷い犬が狂犬病のワクチンを接種していなかったり、問題行動を抱えている場合もあるので、自宅での保護は慎重に判断しましょう。
今後の保護先を決める
迷い犬を保護したら、今後の保護先決めましょう。
自宅で犬を保護できない場合、警察や保健所で預かってもらうこともできますが、預かり期限が過ぎてしまうと動物愛護センターに引き渡されるか、殺処分に回されてしまいます。
そのため、迷い犬を警察や保健所に引き渡す場合は、預かり期限が切れた後の対応(期限が切れたら引き取りますなど)も一緒に伝えておくとよいでしょう。
一定期間が過ぎても飼い主が現れない場合は、発見者が飼育することも可能です。
自宅で引き取ることが難しいけれど殺処分は避けたいという場合は、動物愛護センターや保護団体の力を借りて里親を探すとよいでしょう。
許可をとってポスターなどを貼る
飼い主が迷い犬にたどり着きやすいように、迷い犬を預かっている旨をポスターにまとめて貼りましょう。
許可をとれば地域の掲示板やお店、ホームセンターや動物病院にポスターを貼らせてもらえる場合があるので、相談してみましょう。
また、迷子犬の掲示板やSNSもこまめにチェックして、情報を発信しておきましょう。
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迷い犬の返還率は39%と全国的に見ると決して高くありません。
無事に飼い主の元に犬が戻れるように協力してあげたいですね。
<参考URL>
迷子の犬をなくすために 島根県
>https://www.pref.shimane.lg.jp/infra/nature/animal/aigo_izumo/doubutu_jyouhou/maigonoinuwo_nakusutameni.html
新潟県動物愛護センター統計情報 新潟県動物愛護センター
>https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/seikatueisei/1340312497991.html
<画像元>
canva
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・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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