犬を飼おうと思った時、優良なブリーダーから迎えるのが一番ですが、簡単にいつでも購入できるペットショップは未だ需要があるのが現実です。
しかし、昨今では繁殖犬に産ませるだけ産ませて供給を急ぎ、不要になると育児放棄する悪質なペットショップがクローズアップされるようになりイメージが悪くなっているのも事実です。
ペットショップでは早くから子犬が母犬や兄弟犬と引き離され、その後の成長に問題が起きる事もしばしば。売れ残った犬の行き場も心配です。
かといって、ペットショップで買うのがダメでブリーダーが良いということではありません。犬に対して愛情にあふれた販売方法を行っている優良なペットショップもあります。
できるだけ悪質なペットショップを排除していくためにも、子犬を迎える際は、飼い主になる私たちが優良なペットショップを選んでいく必要があります。
では、優良なペットショップをどう見分けたらいいのか?見分け方のポイント7つに焦点を当ててお話しします。
<目次>
優良ペットショップを選ぶ時のポイント7つ
ペットショップやブリーダーは環境省の定めた飼育管理基準を守っていない場合は行政処分の対象になります。この飼育管理基準を基に優良ペットショップかどうかをチェックする主なポイントをまとめてみました。
優良かどうかをきちんと見極めて安心・安全のペットショップから家族を迎えましょう。
【チェックポイント7つ】
- ①動物取扱業者の登録を掲示しているか?
- ②飼い方や健康状態などの説明があるか?
- ③生後56日以内の犬猫が売られていないか?
- ④飼育環境は良いか?
- ⑤営業時間が遅くないか?
- ⑥マイクロチップを装着しているか?
- ⑦子犬の値段が高すぎないか?安すぎないか?
それぞれを詳しく見ていきましょう。
①動物取扱業者の登録を掲示しているか?
動物を販売するには動物取扱業者の登録が必要です。業者の登録番号、登録期限、動物取扱責任者、動物取扱業の種別などが記載されています。
店内に登録番号が記入された標識を提示してあるかどうか確認しましょう。
また、個々の販売しているペットに繁殖者やブリーダーの名前や所在地の表記があるか、スタッフは登録番号や営業の登録期限などを記した名札(識別票)をつけているかも確認できると安心です。
②飼い方や健康状態などの説明があるか?
販売業者は、販売する前に購入者に対して動物の健康状態やワクチン接種の有無、飼い方、標準体重・体長などの説明をしなくてはなりません。
また、デメリットの説明や購入後の病気の対応の説明、飼ってからすぐに亡くなった場合の保証内容も明確に説明する義務があります。
ペット保険の申請など含める説明を受けると約1時間はかかる内容です。
さらに優良店では、販売前の飼い主に対する飼育責務について講習や、購入後の相談ができるところもあるようです。
売って終わりでは無く、アフターケアにも愛情が注がれているところが良いペットショップの条件と言えますね。
スタッフは清潔で専門知識があり、即時購入を催促しないかなどもチェックポイントになります。
③生後56日以内の犬猫が売られていないか?
小さければ小さいほど可愛くて売れるという需要から、悪質ペットショップでは生後56日に満たない子犬を販売している場合があります。
しかし、動物愛護法では8週令規制が施行されており、生後56日以下の子犬・子猫の販売を禁じています。
生後早い時期に母犬や兄弟犬と離されてしまうと、感染症のリスクが高まり、また、犬同士のコミュニケーションが取れないまま成長するため「社会化」ができず後に問題犬になってしまう可能性があるからです。
④飼育環境は良いか?
動物たちの飼育環境は大切なチェックポイントです。主なチェックポイントは以下の通りです。
【飼育環境の主なチェックポイント】
・ケージが明るすぎないか
・動物が立つ、寝るなどをするのに十分なスペースがあるか
・音がうるさすぎないか
・排泄物で汚れていないか
・施設は清潔か
・お尻や目の周りに汚れがないか
・動物の爪の状態や毛つやは良いか
・毎日の散歩・遊び・人との触れ合いをしているか
・スタッフの人数は適正か
上の項目が一つでも守られていないペットショップはおすすめできません。
⑤営業時間が遅くないか?
長い時間、人目に晒され、明るい照明下にいることはかなりのストレスがかかり、十分な睡眠が取れず子犬や子猫の成長に良くありません。
深夜遅くまで開いているペットショップは動物のことを考えているとはいえません。
⑥マイクロチップを装着しているか?
令和4年6月1日から動物愛護法でペットショップやブリーダー等で販売される犬や猫について、マイクロチップ(犬猫の首の皮膚に埋め込む個体識別用の集積回路)の装着が義務化されました。
犬猫を迎える際に、飼い主の情報に書き換えられるため、災害時の迷子の時や、万が一、飼い主が勝手に捨てても保護されれば身元がわかるしくみです。
見た目ではわからないのでスタッフに確認しましょう。
⑦子犬の値段が高すぎないか?安すぎないか?
ペットショップで犬の値段が安すぎる場合や高すぎる場合は、以下のような理由がみられます。
【犬の値段が安すぎる理由】
・月齢が経ち過ぎている
・血統書がない
・先天性の病気がある
・健康上の問題点がある
・ミスカラーで見た目が良くない
・顔立ちや見た目(骨格)が良くない
【犬の値段が高すぎる理由】
・その犬種のスタンダードに近い
・人気の犬種である
・人気のサイズである
・メスである
・血統書がある
・チャンピオン犬の血筋である
・レアカラーである
値段が高すぎる子犬には上の条件が揃っている場合が多いでしょう。安すぎる犬には何かしらの欠点があると言うことです。
デメリットを説明せず隠して販売する悪徳なペットショップには注意が必要です。
しかし、値段が高いからといって良い犬とは限りません。
以前、100万円を超えるトイプードルの子犬がペットショップで販売されているのを見たことがありますが、その値段の理由を聞いたら、サイズが特に小さいからという理由でした。
生後3カ月でしたが、手のひらに乗るほどの大きさで驚きました。
小さすぎて生まれてしまった子犬には先天性の病気が潜んでいることが多くあり、飼ってから重篤な病気にかかり飼い主の負担が大きくなることもあります。
また、珍しい毛色の子犬はレアカラーといって高く売られる場合がありますが、これは無理な掛け合わせによって生まれつき体が弱い子が多く、健康に問題を抱えている子も少なくありません。
それらを人気があるからといって仕入れをし、販売しているペットショップは優良店とは言えないでしょう。
子犬を迎える方は、ペットショップに行く前に、希望犬種の平均的な相場を調べてから見に行くことをおすすめします。
まとめ
優良ペットショップの見分け方のポイント7つを詳しくご紹介しました。
ペットショップで動物たちの目線になってみると、ケージが狭そうだな、一人遊びしかできないのかな?まだこの子売れてないのか、お散歩してあげているのかな?など、いろいろと考えてしまい筆者は心が締めつけられます。
悪質なペットショップやブリーダーを撲滅していくには、日本の犬の販売方法の改善もそうですが、購入者側の意識も知識を持ち、より良く変わっていくことが必要です。
<参考URL>
環境省(飼い主の方やこれからペットを飼う方へ)
>https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/pickup/owner.html
環境省(動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針~守るべき基準のポイント~)
>https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/r0305a.html >
フラワーアレンジメント講師
2人の息子の母
実家でパグの出産、育児を経験し、
現在はトイプードルの男の子と暮らしています。
みなさまの愛犬にお役に立てる情報を発信していきたいです。
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