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犬の歩き方には種類がある?ドッグショーなどでも審査される犬の歩様とは

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皆さんは、犬の歩き方に注目したことってありますか?

人の歩き方にも内股やガニ股など、日々生活する中で個性が出てくるように、犬にもそれぞれ正常な歩き方『正常歩』や犬種によっては『不正歩様』と言われる歩き方が通常の歩き方とされるわんちゃんが存在し、日々の生活においても変化します。

犬の安定した歩行は、正しい骨格の構造や発達した筋肉と平衡感覚が正常に整い、働くことによって形成されています。

そのため、ドッグショーなどにおいても歩様は大切な審査項目とされているだけではなく、日常的に潜んでいる股関節異常や膝蓋骨脱臼などの病気を発見するためにも、歩き方というのは大切な項目のひとつになっているのです。

では、そんな犬の歩様(歩き方)の種類には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

基本的な歩様から競技で必要になってくる歩様まで、ひとつひとつ確認していきましょう!

犬の歩様の種類とそれぞれの名称

それではここからは、主に犬の歩様の種類からそれぞれの歩様名称まで、詳しくご紹介します。

ご自身の愛犬がどの歩様に該当してるのか、また、愛犬の犬種なども合わせて確認してみてください。

なみ足(WALK)・3点着地

それではまず、なみ足(WALK)からご紹介します。

なみ足(WALK)は、犬の歩様の中で最も加速が小さく、犬の体重を3本の足で支えて、交互に対角の足を運んで前進する歩き方を指します。

この歩き方は、犬にとってはとてもゆったりと歩く歩き方で、地面などの匂いを嗅ぎながら歩く際などはこの歩き方になります。

また犬種にもよりますが、人と徒歩で比較的ゆっくりと散歩している際の速度も大体このような歩き方ではないかと思います。

速歩(TROT/トロット)・2点対角着地

続いてはこちらの速歩(TROT/トロット)と言われる歩き方です。

この歩き方は、先程ご紹介したなみ足(WALK)を加速させた歩き方で、犬にとっては一番持久力に優れた犬本来の歩き方となり、2本の足が地面に接している場合、歩様名称は速歩(TROT/トロット)となります。

人と散歩に出た際、足早に歩くか走る、または、自転車を軽く漕いで走る際によく見られる光景だと思います。

胴長短足のダックス・フンドなど、前足と後ろ足の距離が届かない犬種を除いては、前足の着地跡に後ろ足が着地する耐久性に最も優れ、エネルギー効率の良い歩様となっています。

ドッグショーなどで歩様の審査がなされる時は、基本的に速歩(TROT/トロット)で行われていて、とりわけジャーマン・シェパードなどの骨格構造が重視される犬種は、この歩き方に厳しい判断がされていると言います。

駆け足(CANTER/キャンター)・変則1点着地

さて、続いてご紹介するのは、駆け足(CANTER/キャンター)になります。

駆け足(CANTER/キャンター)は、犬を速歩(TROT/トロット)よりも早く走らせた際に自然に移行する歩様で、「だくあし」とも呼ばれる背部の伸縮性の少ない比較的楽なものになります。

ここまでくると、犬にとっては歩くというより走るという状態になり、人だと全速力でも犬に中々追いつけない程、早い走法になるスピードでしょう。

襲歩(GALLOP/ギャロップ)・変則1点着地

それでは最後にご紹介する犬の基本的な歩様は、こちらの襲歩(GALLOP/ギャロップ)になります。

襲歩(GALLOP/ギャロップ)は、サイトハウンドのグレー・ハウンドなどが競技として走る際に全速力で見せる姿に多く、他には獲物を追い詰め、最後に襲い掛かる時に見せる姿にもこの襲歩(GALLOP/ギャロップ)は見受けられます。

しかし、こういった走り方は、体の全機能をフル稼働する歩様なので、スピードは出るものの、体力の消耗も大きく、長距離などには向いていないのが特徴です。

犬種による正常歩とは?

ではここからは、犬種によって正常な歩き方とされる歩様について、ご紹介します。

本来であれば不正歩様として見なされてしまう歩様でも、生まれた時からこの犬種の歩き方は正常だとされている歩様には、どんなものがあるのでしょうか?一つずつ見ていきましょう。

ハクニー歩様に該当する犬種

まずは、’’ミニピン’’との愛称で親しまれるミニチュア・ピンシャーやイタリアン・グレーハウンドと言った犬種による歩様です。

この犬種の歩様は、ハクニー歩様という馬が歩く際の歩き方に似た極めて特徴的な歩き方をします。

ハクニー歩様は、肩甲骨の角度の浅さなどが原因で、前足を誇大に上げる歩様なので、エネルギーの消耗が激しく、持久力も減退する歩き方で、通常であれば不正歩様とみなされてしまいます。

しかし、この前足を真っ直ぐ上げてから関節を曲げて地面に下ろすその姿は、ドッグショーにおいてリングを誇らしげに跳ねるように歩くミニチュア・ピンシャーやイタリアン・グレーハウンドなどの犬種は例外として正常歩とされています。

ローリング歩様に該当する犬種

続いてご紹介するのは、こちらのローリング歩様と言われる歩様を正常歩としているブルドッグやペキニーズといった犬種。

ローリング歩様とは、頭が前に突き出し、重心が大きく前方に移動するために前足が不安定な状態となる歩様です。

側面の揺れ(ローリング)が大きく、無駄なエネルギーを消耗するため、ほかの犬種ではあまり見られない歩き方ではないでしょうか。

けれど、このローリング歩様が正常歩だとされているブルドッグやペキニーズは、その見た目も然ることながら独特な愛らしさで人気の犬種でもありますね。

側対歩(PACE)に該当する犬種

さて、最後にご紹介するのは、側対歩(PACE/ペース)と言われる歩様になります。

この歩様は、その名の通り同じ側の前足と後ろ足が地面に接する歩き方で、この歩き方は人でいうところの緊張による「同じ側の手足が同時に出る」歩行と似たような感じです。

ただし、この歩き方はオールド・イングリッシュ・シープドッグという犬種については、正常歩になります。

普段はのんびりと歩くオールド・イングリッシュ・シープドッグですが、速歩(TROT/トロット)や襲歩(GALLOP/ギャロップ)の時にはしなやかな動きを見せてくれる魅力のある犬種です。

正常な犬の歩様の重要さ

さて、いかがでしたか

犬の歩き方は、何気ないことではありますが、これ程までに種類があり、且つ、中には本来であれば不正歩様の歩き方になるものでも、犬種によっては正常歩とされる歩き方があったりとさまざまです。

冒頭でもお伝えしましたが、犬の歩様は日々の生活や過ごし方、歩き方によって徐々に変わってきたりします。

筆者の愛犬のシェルティは、元から関節の弱い子ではありましたが、年齢を重ねていくごとにモンローウォークという腰を振って歩く姿が増え、若い頃は散歩で約1時間半もの間歩いてもケロッとしていた子が、いつの間にか歩くのが億劫になる日々も増えていき…。

モンローウォークは、股関節による異常などで起こる歩き方で、時々犬が見せる、いわゆる女の子座りのような状態も股関節の異常の一つと言われています。

そのため、「可愛い歩き方」や「色っぽい座り方」と楽観視するのではなく、出来る限り気に掛けてあげてください。

犬の歩き方は、ちょっと独特な歩き方でも可愛らしく見えてしまうものかもしれませんが、歩様のちょっとした違和感は、その後の愛犬の足の状態を左右するかもしれない重要なものです。

ですので、少しでも気になるようなら動物病院で診てもらってくださいね。

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yukako

yukako

幼少期の頃より柴犬やシェットランド・シープドッグと生活を共にし、現在は3代目となる柴犬と暮らしております。
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。