保護犬との暮らしがどのようなものか、気になったりしますか?筆者がInstagramで出会った、保護犬チップくんと飼い主よしこサンのお話を今回はお届けします。
この記事を読み終わる頃には心がほっこり温まって、あなたも保護犬の魅力に惚れ込んでしまうでしょう。
ボランティアに保護されたチップくん、今は亡きチョコちゃんにそっくりでした。
保護犬ボランティアに保護されたチップくんは最初「チョコ」という名前をもらいました。
野犬として保護されたチップくんは、よしこサン家族が昔飼っていた「チョコ」という愛犬にそっくりの見た目をしていました。
今は亡き愛犬にそっくりな見た目と、「チョコ」という同じ名前に、何かの縁を感じたよしこサン家族はチップくんの里親に名乗り出ました。
同じ名前で似たような見た目、よしこサン家族に引き取られるために保護されたのではないかと思えるような展開でした。
2017年の12月26日、クリスマスの翌日に「チップくん」という新しい名前をプレゼントしてもらい、よしこサン家族の温かい愛に迎えられたのです。
イヤじゃないよ、怖いだけ。チップくんに寄り添う子どもが持つパワーとは?
チップくんは家族に迎えられた日から、一歩も動きませんでした。
寝ても覚めても、ゲージの中の同じ位置でじっとしていて、家に誰もいなくなるお留守番の時間すらも動きませんでした。
よしこサンが頭を撫でてみると嫌がるそぶりを見せることなく、気持ち良さそうにうっとり。
そのまま寝てしまうこともあったそうです。
動くこともなく、何かを訴えることもしないチップくんでしたが、撫でられたりスキンシップを図られることがイヤなのではなく、ビビり犬ならではの怖さが原因でした。
そこでチップくんの心をガバッと開いたのが、よしこサン家族の子どもたち。
遠慮なしにゲージに入り込み、頭を撫でながらそばで一緒に眠る。
チップくんは自分のテリトリーに子どもたちが入ってきても怒ることはなく、頭を撫でられてまたうっとり。
少しだけ強引で、でも優しさと愛に溢れた子どもたちの接し方は、遠慮がちなチップくんには有難いものだったのかもしれません。
動かず、声も出さず、訴えることもせず、それでも少しずつ開き始めた心の扉
チップくんはよしこサン家族と暮らすようになってからしばらくの間、ご飯を食べることも水を飲むこともしませんでした。
おやつを目の前に並べられても食べず、たくさんのおもちゃがあっても遊びませんでした。
トイレも極力我慢、少しでも怖いことがあるとお漏らしが止まらない。
声を掛けても反応はほとんどなく、たまに少し上を見上げてチラッと見るだけ。
感情表現は豊かではありませんでしたが、一歩、また一歩と確実に前へ進もうとしていることは感じ取ることができました。
チップくんなりに、チップくんのペースとチップくんだけのやり方で、よしこサン家族の愛を精一杯受け止めようと頑張っている姿はInstagramを通して、思わず応援したくなるほど愛おしい姿です。
ビビりの保護犬と暮らすことの楽しさを、チップくんが教えてくれた
チップくんは本当にビビりです。
「いつもと同じ」が少しでも変わると、その変化に上手についていくことができません。
ですが、人と暮らしていると家の中の環境も日々変化するものです。
チップくんの定位置であるゲージやクッションも清潔に保つためには洗濯が必要ですし、近所の工事や雨や雷、聞こえる音や目にするものも日々変わります。
そんな変化に上手についていくことができないチップくんは、お漏らしと脱糞を繰り返しました。
よしこサンはチップくんを叱ることはせず、タイミングを見計らってチップくんの気持ちに寄り添っていました。
そして、少し強引ではあるものの変化に慣れさせようと散歩に連れ出し、公園を巡り、たくさんの匂いや景色をチップくんに教えました。
他の犬が普通にできることができるようになるまでかかる時間は計り知れませんが、それでもゆっくりとしたペースでチップくんは確実に成長していきます。
本当に少しずつ時間をかけて、よしこサン家族の愛を一心に受け止め、チップくんは前に進むのです。
よしこサンと家族の、チップくんへの愛とは?
Instagramをほぼ毎日更新しているよしこサンですが、チップくんへの愛を文章から感じることができます。
チップくんがお漏らしをしても、脱糞してしまっても、昨日できたことが今日できなくても「いいんだよ。」の優しさいっぱいの言葉で温かく見守っているのが伝わります。
お散歩に行ったとき、チップくんがニッコリ笑っているとき、できなかったことができるようになったとき、よしこサンの文面は見ているこちらまで嬉しくなってしまうほどの愛を感じます。
少しの変化も見逃さないよしこサンのチップくんを見守る姿は、本当にチップくんが好きなんだなと思わされます。
無邪気で健気な子どもたちと、温かい優しさで包み込むよしこサン家族は、着実にチップくんの心の拠り所となっているのです。
できなかったことができるようになる、保護犬との感動の毎日
チップくんに興味を惹かれた理由は、我が家で飼っているズミに似ていることでした。
外見こそ違いますが、ビビり方もビビる理由も、野犬ならではといえます。
そんなチップくんとズミを思わず重ね合わせてしまい、それ以来毎日のようにチップくんとよしこサンのInstagramを見させてもらうようになりました。
子犬の頃から飼っている犬が当たり前のようにできることが、できないこともたくさんあります。
それがいつできるかも分からず、飼い主の手を煩わせることも多々あるのです。
一見「大変そう」に見えるかもしれませんが、保護犬の良さは「手のかかる子ほど可愛い」ところにあります。
少しずつ確実に成長していく姿を近くで見られるのは飼い主だけの特権で、どんなことも報われるような幸せでいっぱいの気持ちにさせてくれるのです。
色々な過去を背負って我が家にやってきた保護犬が、できることが増えてニッコリ笑うようになったとき、心の底から「この子の里親になってよかった」と思えるのです。
チップくんが笑顔になった。保護犬の飼い主にできることは?
チップくんがInstagramに登場して最初の頃は、表情も固くいつも同じ場所で丸まっていました。
ところが時間と共に表情は柔らかくなり、体はリラックスしている状態が増えたのです。
よしこサン家族のチップくんへの接し方と、我が家のズミへの私の接し方には共通点があることが分かりました。
多少強引にでも、慣れさせること。
ただし、安心できるように片時もそばを離れないこと。
話しかける、触れる、そっと見守る、これらの行動を根気よく続けること。
何が好きで何が苦手なのかを観察し、日々の生活で少しずつ好きを増やしてあげること。
まとめ
今日は初めて、実際に保護犬を飼っている人のエピソードをお伝えしました。
日本中で幸せに暮らしている保護犬と飼い主家族のステキな毎日を、これからもお届けできればと思います。
第一弾はチップくんとよしこサン家族についてでしたが、以下のことをご記憶いただければ幸いです。
・保護犬を飼うと、飼い主が成長させてもらえることがたくさんある。
・少しずつ成長していく姿は、飼い主だけが見られる愛くるしい姿。
・どんな子でも手がかかるものですが、手がかかる子ほど可愛いもの。
沖縄移住をきっかけに保護犬ボランティアを始め、アメリカン・ピットブル・テリアとジャーマンシェパードドッグの元保護犬2匹と一緒に暮らす。
アメリカン・ピットブル・テリアがアレルギー疾患を抱えていたことをきっかけに、食の大切さを知り、現在は生食にこだわった食事を取り入れている。
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