闘犬は「ブラッド・スポーツ(血の闘い)」と呼ばれており、世界各国で娯楽として楽しまれてきました。
ところが、時代が変わるにつれて闘犬を法律や条例で禁止する国が増えてきました。
日本でも闘犬は娯楽の1つとして楽しまれており、法律で禁止はされていません。
条例で禁止している地域はありますが、現在も闘犬文化の残っている地域があります。
日本の闘犬の歴史や、世界の闘犬事情についてお伝え致します。
日本には昔から闘犬文化がある。
闘犬というとあまり馴染みがないように聞こえるかもしれませんが、日本を始めとした世界中で娯楽の1つとして楽しまれてきました。
闘犬は犬同士を闘わせるスポーツで、中世ローマ時代に始まったといわれています。
アメリカの闘犬文化はどちらかが死ぬまで闘わせることから「ブラッド(血)スポーツ」と呼ばれています。
日本で闘犬としてよく闘わされている犬種は、土佐闘犬・秋田犬などで、秋田県では毎年「全土佐犬友好連合会」が闘犬大会を開催しています。
闘犬として闘う犬は家庭犬のような生活を送らずに、闘犬として闘うことをベースに置いた生活をさせられています。
保護犬が浸透していることや、動物虐待で逮捕者が出るようになった昨今では、日本でも動物愛護の観点から闘犬文化に疑問を持つ方が増えてきました。
闘犬としてよく選ばれる犬種は?
・ピットブル
闘犬の代表犬種ともいえるピットブルは、世界中で闘犬種として親しまれてきました。
強靭な顎の力と戦いに対する強い執着心は闘犬を楽しむ人にとって、これ以上ない犬種でした。
現在はその我慢強さと朗らかさから、セラピー犬として活躍する子も多いです。
・ドゴアルヘンティーノ
ジャガーやピューマを狩る獣猟犬として、長く人と付き合ってきた犬種です。
日本ではなかなか見ない犬種ですが、ドゴアルヘンティーノも闘犬種として愛されてきました。
・ボルドーマスティフ
マスティフ系の犬種は闘犬が始まった頃から戦っており、ボルドーマスティフは最も古い歴史を持つ犬種です。
忍耐強く、仕留めたものを離さない姿勢から、現在でも愛好家の多くいます。
・土佐闘犬
日本の闘犬文化を語る上で、土佐闘犬の存在は欠かすことができません。
大きな体に優れた闘志は闘犬愛好家に好まれ、また忍耐強く飼い主に忠実な面は家庭犬として今も多くの方に愛されています。
世界的に闘犬は、法律で禁じている国が多い!
闘犬文化の全盛期は18世紀〜19世紀といわれていますが、20世紀に入ってから闘犬文化は人道に反するとして多くの国々が法律で禁止するようになりました。
日本には闘犬を禁じる法律はなく、自治体によって条例で禁止しているところもあります。
アメリカでは50州で闘犬が禁じられているものの、ワイオミング州でのみ闘犬は禁じられていません。
そのため、ワイオミング州では今でも博打の対象として闘犬大会が開催されているのです。
ですが、動物愛護の法律改正や人々の価値観の変化は、今もなお進んでいます。
犬と人の歴史を語る上で欠かせない闘犬文化ですが、世界中で禁止される日も近いのではないでしょうか。
闘犬の起こした事件や事故
闘犬は主にライオンや犬などの動物と戦うためにしつけられていますが、その矛先が人へ向かうこともしばしばありました。
また家庭犬として何世代にも渡って暮らしてきた闘犬種も、不意に戦いのスイッチが入ることで人を傷付けてしまう事件も起こりました。
闘犬種として最も有名なピットブルは、飼育自体を法律で禁止している国もあります。
また「世界一人を殺した犬」という別名も付くほどで、ピットブルを正しく理解していない人が飼うのは困難だといわれています。
ですが、その原因のほとんどは人間側にあるのです。
しつけと称して暴力を振るったり、大丈夫だろうとわざと危険な行動を取ったり、家に入ってきた泥棒を噛み殺してしまったりと、人間側の配慮でいくらでも防げる事故ばかりでした。
アメリカでは現在、忍耐強さと飼い主に忠実であることを活かして、多くのピットブルがセラピー犬として活躍しています。
かつて強みであった闘犬のための性質は、よく見直すことで他の方法で活かすことができるのです。
まとめ
日本は闘犬を娯楽として楽しむことができる国ではありますが、動物愛護問題は多くの先進国に比べて遅れているといわれています。
私が取り組む保護犬ボランティアでレスキューした子の中にも、かつて闘犬として教育されていた子たちもいます。
人が始めた娯楽ではあるものの、闘犬という娯楽は世界的に収束の時を迎えているといえるでしょう。
ですが、闘犬という歴史があったことを知っていれば、知識は今後の犬たちの未来を明るいものにできるかもしれません。
沖縄移住をきっかけに保護犬ボランティアを始め、アメリカン・ピットブル・テリアとジャーマンシェパードドッグの元保護犬2匹と一緒に暮らす。
アメリカン・ピットブル・テリアがアレルギー疾患を抱えていたことをきっかけに、食の大切さを知り、現在は生食にこだわった食事を取り入れている。
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