とある調査で、わんちゃんと暮らしている方が「飼ってみたい犬種No.1」に挙げたのが、ゴールデン・レトリーバーだそうです。この犬種のいったいどんなところが人を惹きつけるのでしょうか?
ゴールデン・レトリーバーとの暮らしを愛してやまない私から、その魅力をたっぷりご紹介します!
他犬種の飼い主さんがゴールデン・レトリーバーに憧れる理由とは?
「飼ってみたい犬種は?」というアンケートにおいて、現在わんちゃんと暮らしている方がもっとも多く挙げたのが、ゴールデン・レトリーバーだったそうです(現在わんちゃんと暮らしていない方の回答は柴犬が第一位)。
その理由は、「お散歩で会うゴールデンがみんな優しい」「賢い」「攻撃性がなく、穏やか」「大きくて、長いコートが美しい」といったもの。もちろん個体差はありますが、ゴールデン・レトリーバーという犬種を定めたスタンダード(犬種標準)から考えると納得の答えです。
「従順で、利口」「優しく友好的で、自信に満ちている」(JKCより)という性格は、ゴールデン・レトリーバーという犬種が人間との暮らしに馴染みやすい大きな特徴なのですね。
私がゴールデン・レトリーバーを愛犬に選んだのも、やはり実際にその素晴らしさに触れたことがきっかけでした。当時たずさわっていたドッグトレーニングのお仕事で、初めて自分一人で担当したのがゴールデンだったのです。
まだ若いゴールデンの男の子を一から教える中で、その優しさと素直さと愛らしさにすっかりこの犬種のとりこになってしまい、自分の愛犬としてゴールデンを迎え入れることにしました。他にもたくさんの犬種と触れ合いましたが、おおらかで明るい性格のゴールデンは初心者向けで、初めて一人で育てる犬種としてもぴったりだったと思います。
ゴールデン・レトリーバーと暮らす、その実態とは?
一般的なイメージ通り、ゴールデン・レトリーバーは優しくて愛嬌があり、甘えん坊で人間が大好きな犬種です。いつも明るく前向きで多少のことにはへこたれない性格や、わりとどんな環境にもすんなりと馴染む柔軟性の高さは、犬の扱いにあまり慣れていない人にも向いていると言えるでしょう。
攻撃性が低く、他の人やわんちゃんに会う時も「吠えるかも」「噛むかも」といった心配をする必要がありません(ただ、みんなを大好きすぎて相手が引かないかという心配をすることはあります)。
残念ながら、遺伝的・後天的環境によってイメージとはまったく異なるゴールデンに出会うこともあります。この素晴らしい犬種の魅力を守るためには、外見だけではなく気質にも配慮したブリーディング(繁殖)と、ゴールデンらしさを活かした愛情深い育て方が欠かせないのです。
▲外見だけではなく性格も「ゴールデンらしさ」が大切!
ゴールデンとともに暮らす中でもっとも素晴らしいと感じるのは、人の気持ちに寄り添い、言葉と感情を理解する能力が想像以上に高いという点かもしれません。
「おうち帰ったら○○あげるね」「ちょっとこっち来て~!」「そこで待っていてくれる?」などなど、人間と会話をするのとまったく同じように話しかけて通じるのです。すべての言葉を理解しているわけではないかもしれませんが、経験と状況から判断する能力と、言葉に込められた私の気持ちを汲み取る力に優れているのでしょう。日常の何気ないやり取りがとても楽しいんですよ。
しかしゴールデン・レトリーバーとの暮らしは、良いことばかりではありません。体重30kg前後の長毛犬が室内にいるということは、それなりの汚れとにおいとの共存が必要です。
毛は、和犬やジャーマン・シェパードのように束になって抜けることはあまりないのですが、動くたびにハラハラと舞い落ちて半日で部屋の隅に毛溜まりができてしまいます。長い毛は掃除機のローラーに絡まり、「掃除機を掃除する」という手間も発生します。
個体差はありますがよだれの多い子もいますし、肉球の香ばしいにおいはソファやカーペットなどの布ものに移ってしまいます。また、ケージやベッドなども大きくかさばり、室内でも車内でもスペースをとる上に掃除洗濯は一仕事! もちろん、食事量も運動量も小型犬の比ではありません。
素晴らしさも大変さもビッグサイズのゴールデン・レトリーバー。でも一緒に暮らしていると、楽しさや喜びがあらゆる苦労を凌駕するほど、その魅力に夢中になってしまうのです。
ゴールデン・レトリーバーと暮らしてみたいなら、覚悟と決意を!
大変さを理解した上でゴールデン・レトリーバーと暮らしてみたいと考えるなら、大賛成です! しかし最低限必要な覚悟があります。それは、ある程度の経済力と体力です。食費、日用品代、医療費、ドッグランやホテルなどの施設使用料は、やはり小型・中型犬と比べると多く必要になります。食事は、質にこだわるのであればむしろ手作り食にした方が安上がりになります。
また、ゴールデン・レトリーバーは活発な作業犬種ですから、それなりの運動量も必須です。町内を歩くだけのお散歩では運動が足りず、おうちに帰って大暴れ・・・ということになりかねません。
暑さに非常に弱いため、夏場は日が昇る前に運動させたり、海や川やプールなどで泳がせたりする飼い主さんがほとんど。人とのアクティビティに何よりの喜びを感じるので、トレーニングやドッグスポーツなどに取り組む飼い主さんも多いです。反対に、それらを満たすことができないのであればこの犬種との暮らしはあきらめた方がいいとも言えます。自分の生活や体力に合わない犬種を育てることは、わんちゃんにも飼い主さんにも負担になってしまうからです。
一生の内、一緒に暮らすことができる頭数は限られています。ゴールデン・レトリーバーと暮らすデメリットをきちんと理解し、自分の生活を少し見直せば実現できると判断したなら、ぜひ一歩踏み出してみませんか? わんちゃんを心から大切にできる方であれば、ゴールデン・レトリーバーを選んで後悔することはないと断言できますよ!
▲可愛くて陽気なゴールデンとの暮らしには喜びがいっぱい!
<参考文献>
飼ってみたい憧れの犬種ランキング1位は…?飼えない理由もリアルに紹介【犬好き1,000人にアンケート】
>https://inunavi.plan-b.co.jp/akogare_dog/
長年犬と旅をしてきたノウハウが誰かのお役に立てればうれしく思います。
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