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小さすぎる愛犬にはリスクがある?犬の正しい犬種標準(スタンダード)とその意味を知ろう!

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犬にはさまざまな犬種があり、その数はなんと約300犬種ほど(一般社団法人ジャパンケネルクラブに登録されている犬種)。みなさんは、この300種類ほどのすべての犬種に対して体格や容姿等の基準が定められているのをご存じでしょうか?

今回は、何のために犬種に対する体格の基準が定められているのか、またどんな意味があるのかを解説します。

犬の犬種標準(スタンダード)とは?

犬の血統証明書を発行しているジャパンケネルクラブによる犬種標準は、細かく分けられた犬種が、その犬種であることを証明するための基準のようなものです。

基準は見た目だけでなく、健康的な骨格や歩容の正しさについても書かれています。

<トイプードルの犬種標準の例>
・体高(地面から肩甲骨までの高さ)は、24cm~28cmで理想体高は25cm、下限は-1㎝まで許容されることになっています。
・後ろ脚、特に太ももは筋肉に富んでいる必要があり、膝は健全でよく屈折する。(膝蓋骨脱臼の疾患があると、これらの特徴が叶わないことになります)
※JKCでは奇形や重大な欠点を持った犬を交配すことや、他人に譲渡することを推奨していません。JKC全犬種標準書第10版より参考

 

解剖学の観点から定められている側面もあり、その犬種の犬が最も健康的であるための骨格基準として、大事な指標でもあります。

一方で、人間が勝手に作った理想像に犬を合わせるのは、いかがなものかという意見があるのも確かです。ただ、300種以上ある犬種のほとんどが、そもそも人間が人間の理想に合わせて作られた犬たちであることを忘れてはいけません。純粋な血統書付きの犬種でも、人間の理想に合わせて作られたために、無理な骨格構成になってしまっている犬種もあるのです。

そういった犬種がもし、現在の犬種標準から大きく逸脱してしまえば、日常生活を送るのすら障害があるような疾患をもってしまう可能性もあります。

そのため犬種標準とは、今現在ある犬種を今以上に乱繁殖しないための指標でもあると筆者は考えています。

犬種標準から外れているからダメなわんちゃん、ということではなく、将来永久的に、その犬種として健康的な犬を残していくためのひとつの指標といえるのではないでしょうか。

「ティーカッププードル」や「豆柴」などは正式な犬種ではなく愛称

小柄な個体の血統証明書に関しては、世界的に公認されているジャパンケネルクラブ(もしくはジャパンケネルクラブへの団体切り替えが可能な指定団体)以外の団体が独自に発行している場合があります。世界的な共通認識としては、近年日本で人気のある「ティーカッププードル」や「豆柴」といった犬種は存在しません。

「ティーカッププードル」はプードルの中で最も小さい犬種である、「トイプードル」がさらに小さく生まれた個体であり、「豆柴」は「柴犬」という犬種が小さく生まれた個体であるということになります。

 

犬の犬種標準(スタンダード)より極端に小さいとどんな問題がある?

あまりにも犬種標準から掛け離れた個体には、骨や関節系の疾患、または遺伝的な病気を抱えている可能性がある、という問題があります。ただ、関節系の疾患や遺伝的な病気は、犬種標準に近い大きさの子でも持っている場合があります。

そのため、小さいせいで必ず問題があるということではなく、小さな子はより先天的な疾患を持っている可能性が高くなる、と認識しておくと良いでしょう。

近年の日本では小さい個体に人気が出でいることから、小さい個体専門のブリーダーも増えてきています。小さくても出来るだけ健康な個体を繁殖しようと考えて、交配を行っているブリーダーの方たちがいる一方で、個体の健康状態や遺伝的疾患を考えずに繁殖しているブリーダーがいるのも現実です。

そのため、犬種標準よりも小さな「ティーカッププードル」や「豆柴」などのわんちゃんを飼いたいと思っている方は、小さな個体にはどのような疾患が多いのかを把握しておく必要があり、ブリーダーに関しても正しく選ぶ必要があるといえるでしょう。

愛犬を家族として迎え入れるときの犬の月齢は、多くの場合生後2カ月半から3カ月ほどです。この時期に目に見えない遺伝的な疾患を見つけることは、不可能に近いでしょう。

将来、犬種標準よりも小さく育つであろうわんちゃんを飼うことを検討している方は、成長とともに愛犬に疾患が見つかる可能性があるのだ、ということを頭に入れておくとともに、犬の健康を考えない繁殖をしているブリーダーから愛犬を迎え入れることのないよう、注意しておきましょう。

 

今回ご紹介した犬種標準は、ネット上でも見ることが出来ます。

JKC公式ページを見る

ネット上では省略されていますが、出版されている犬種標準書にはさらに多彩な項目に分けられ詳しく書かれています。

今飼っているわんちゃんや、将来飼うことを検討しているわんちゃんの犬種標準を見てみることも意外と楽しいので、気になった方は調べてみてくださいね♪

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miuco

miuco

トリマーとして、トリミングサロンを経営中。
実家でチワワ4匹、ミニチュアダックスフンド1匹、チワックス1匹を飼っています。
過去には最高8匹の多頭飼い経験も!

最近はわんことのお出掛けにハマっています。