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「フィラリアにかかる確率は?」「投薬を忘れた!」フィラリア予防のよくあるお悩み7選

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犬を飼っている方には馴染みのあるフィラリア予防ですが、その予防法や病気に関する知識を聞かれると、実は曖昧になっているという方は多いのではないでしょうか。

フィラリアは犬の命に関わる病気なので、正しい知識を身につけて予防したいですね。

今回はフィラリア予防をするときに勘違いされがちなことやよくあるお悩みを7つご紹介しますので、愛犬の健康管理にぜひお役立てください。

フィラリア予防のよくあるお悩み①「フィラリアの薬を飲ませ忘れた!どうしたらいいの?」

愛犬にフィラリアの薬を飲ませ忘れた場合は、どうすればよいのでしょうか。

結論から言うと、数日から1週間ほどの飲ませ忘れであれば問題ありませんので、すぐに愛犬に薬を飲ませて次回から忘れないよう対策を取りましょう。

ただ、飲ませる予定の日から1ヶ月以上経過してしまったという場合は要注意です。

▼フィラリアの発育ステージ

フィラリアの薬は予防薬と言われていますが、正確には「駆虫薬」です。

フィラリアは5段階(L1~L5)を経て成虫になりますが、駆虫薬がもっとも効果を発揮するのはL4のときだと言われており、このタイミングできちんと駆虫ができていれば成虫になるのを防ぐことができます。

このL4の期間は45~60日前後と言われており、フィラリアの中には成長が早い個体もいます。

そのため薬を飲ませる予定日から1ヶ月以上経過していると、成虫に成長している可能性があります。

飲ませ忘れてから1ヶ月以上経過してしまったという場合は、すぐに薬を飲ませるのではなく一度かかりつけの獣医師さんに相談しましょう。

フィラリア予防のよくあるお悩み②「フィラリアにかかる確率は?」

予防薬を飲まなかった場合、犬はどのくらいの確率でフィラリアに感染するのでしょうか。

犬の生活環境にもよりますが、フィラリアの予防をせずに一夏を過ごした犬の感染率は約40%、二夏を過ごすと約90%まで跳ね上がると報告されています。

フィラリアの感染状況は都道府県によってばらつきがありますが、きちんと予防をしないとフィラリアに感染する可能性は非常に高いので、忘れずに予防に取り組みましょう。

フィラリア予防のよくあるお悩み③「フィラリアに感染したら犬はどうなる?」

フィラリアに感染すると、犬はどうなってしまうのでしょうか。

フィラリア成虫になると心臓や肺動脈に寄生するので心臓の動きを低下させます。

そのため、全身の血液循環が悪くなり疲れやすくなったり呼吸が早く浅くなります。

末期になると「貧血」「腹水(お腹に水が貯まる)」「失神」「呼吸困難」などの重篤な症状が現れ死に至ります。

フィラリアは命に係わる病気ですが、感染してもしばらくは何の症状も現れないため、飼い主さんが異変に気づいたときには重症化していたというケースも少なくありません。

▼初期症状

・時々軽い咳をする
・運動を嫌がるようになる

▼末期症状

・食欲や元気がない
・お腹に水が溜まりお腹が膨れる
・むくみ
・血尿
・失神
・貧血
・呼吸困難

フィラリア予防のよくあるお悩み④「毎年フィラリア検査をするのはなぜ?」

フィラリアの薬を動物病院でもらう前には必ず検査をしますね。

毎年検査をするのはなぜなのでしょうか。

もしフィラリアに感染していると、体の中に大量のフィラリアの幼虫がいます。

その状態で薬を投与すると大量の幼虫が死滅してしまうので、体が異物(死骸)を排除しようとアレルギー反応を起こし、犬がショック状態に陥る可能性があります。

また、大量の死骸が血管に詰まることも考えられます。

愛犬の命を守るために、薬を飲ませる前には必ず検査をすることが大切です。

フィラリア予防のよくあるお悩み⑤「実際にフィラリアに感染している犬はいるの?」

自分の周りにフィラリアに感染した犬がいないと「フィラリアに感染している犬って本当にいるの?」と実感がわかない方もいらっしゃるかもしれません。

「日本犬糸状虫症研究会」が行った調査によると、フィラリアに感染した犬の頭数は下記のように報告されています。

▼日本全国の犬フィラリア感染犬頭数(2012年)

フィラリア予防というと飼い主さんに広く定着しているイメージがありますが、実際にはまだまだ定着しておらずたくさんの犬がフィラリアに苦しんでいるという実態があるようです。

また「岩手県獣医師会会報」の報告によると、フィラリア予防の期間中に2ヶ月投与をしなかっただけで感染した事例が報告されています。

少しの油断がフィラリアの感染数増加に繋がっているので、きちんと予防に励みたいですね。

フィラリア予防のよくあるお悩み⑥「フィラリアの予防期間はいつからいつまで?」

フィラリアは蚊の吸血活動によって感染します。

そのため「蚊の吸血活動が開始する時期」から「蚊が吸血活動をしなくなる時期」の1ヶ月後まで投薬する必要があります。

蚊は気温が18℃以上になると吸血活動を開始するので、通常であれば5~12月までが予防期間になりますが、近年の異常気候の影響で予防期間が年々長くなり最近では4月も予防期間に入っていることが多いです。

住んでいる地域が水場の近く(田んぼや川など)や緑が多い場所であれば、早く蚊が飛び始める可能性があるので、早めに獣医師さんに相談して予防した方がよいでしょう。

▼全国 犬のフィラリア感染期間の目安

>https://filaria.jp/html/hdu/index.html

※あくまで目安なので投与期間は獣医師の指導に基づいて投薬しましょう

フィラリア予防のよくあるお悩み⑦「犬の体調が悪いときにも薬は飲ませた方がいいの?」

愛犬の体調が悪いと予防薬を飲ませてもいいか不安になりますね。

フィラリアの予防薬は絶対毎月同じ日に飲ませなければならないというわけではないので、一時的な体調不良であれば数日~1週間の間で投与日を変更して体調がよい日に与えましょう。

ただ「消化不良」「食欲不振」「下痢」といった症状が出ていると、薬を飲ませても吐き出したり薬がうまく吸収できない可能性があるので、愛犬の体調が悪い状態が続いているという場合は、動物病院で検査したうえで獣医師さんに相談をして投与するかを決めるとよいでしょう。

フィラリアは愛犬の命を奪う怖い病気ですが、予防によって防ぐことができる数少ない病気です。

正しい知識を身に着けて病気の予防に取り組みたいですね。

<参考URL>

北盛岡地区における犬糸状虫感染率の現状
>https://www.ivma.jp/promotion/magazine/document/35-1/35_1_clinicalreport02.pdf

医療情報 フィラリア症(犬編)獣医師広報板
>https://www.noah-vet.co.jp/jouhou/Dfira.htm

フィラリア症について 一般社団法人 福岡市獣医師会
>https://www.wannyan.city.fukuoka.lg.jp/yokanet/files/uploads/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%82%A2%E7%97%87%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6.pdf

犬糸状虫症の免疫学的診断法の改良に関する研究 日本大学
>https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-18580321/18580321seika.pdf

<画像元>

canva

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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