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「犬に関する法律どれくらい知ってる?」飼い主が知っておきたい法律や条例をご紹介

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犬を飼うことは素敵なことですが、飼い主になると守らなければならない法律や条例があります。

知っておくといざというときに役立ちますし、知らない内に法律や条例違反をしていたということも防げます。

今回は飼い主さんが知っておくと役立つ犬に関する法律や条例を4つご紹介するので、この機会にぜひ覚えてみてくださいね。

飼い主が知っておきたい法律・条例①「狂犬病予防法」

そもそも「狂犬病」はどんな病気なの?

狂犬病は狂犬病ウィルスを持つ動物に噛まれたり引っかかれることで感染する病気です。

狂犬病と付いていますが、犬以外に猫やきつねなどほとんどの哺乳類に感染します。

現在のところ有効な治療法はなく、発熱、昏睡、痙攣などを引き起こし、ほぼ100%の確率で死にいたります。

「狂犬病予防法」ってどんな法律なの?

「狂犬病予防法」は狂犬病の発生や蔓延を撲滅することによって、公衆衛生の向上や公共の福祉の増進を図ることが目的の法律です。

狂犬病の蔓延を防ぐために毎年飼い犬に予防注射を打つことが義務付けられています。

狂犬病予防法で飼い主さんに課せられている義務は3つです。

▼「狂犬病予防法」で定められている法的義務

①犬を飼ったら市区町村に登録しましょう(犬を所有してから30日以内に登録)
②毎年狂犬病予防注射を打ちましょう
③犬に鑑札(市区町村登録後に交付)と注射済票をつけましょう

「狂犬病予防法」に違反したらどうなるの?

「市区町村に犬を登録していない」「飼い犬に予防注射を受けさせていない」「飼い犬に鑑札と注射済票を付けていない」と20万円以下の罰金が課せられます。

また「市区町村に登録されていない犬」「予防注射を受けていない犬」「鑑札、注射済票を付けていない犬」は捕獲・抑留の対象になります。

罰則が厳しく感じるかもしれませんが、狂犬病の発生がない国(洗浄国)は世界的に見ても非常に稀で、感染した動物の密輸などでウィルスが蔓延する可能性は常にあります。

つい危機意識が低くなりがちですが、気を引き締めて予防につとめたいですね。

▼狂犬病予防注射が受けられない場合は、どうすればいいの?

重度の病気にかかっていたり、過去に接種したときにアレルギーなどがあった場合、狂犬病の予防接種の猶予証明書を発行して免除することも可能です。

不安がある方はかかりつけの獣医師さんに相談してみましょう。

飼い主が知っておきたい法律・条例②「動物愛護管理法」

「動物愛護管理法」ってどんな法律なの?

動物愛護管理法は動物の愛護と動物の適切な管理(危害や迷惑の防止など)を目的とした法律です。

原則として動物をみだりに殺したり、傷つけたり、苦しめることのないようにすることと動物の本能や習性、生理を理解して適性に取り扱うことが定められています。

動物愛護管理法では飼い主さんに下記のような義務があると定めています。

▼動物愛護管理法の飼い主の義務

・動物の健康と安全を確保するために知識を身につける
・動物が人に危害を加えないようにする(脱走防止策を取る)
・動物の鳴き声や悪臭などで周囲に迷惑をかけない
・動物の習性や本能などに応じて適正に飼育する
・適正な給餌や給水を行う
・飼養施設を確保する
・最後まで責任をもって飼う
・適正な飼育が難しい場合、犬や猫の繁殖防止の措置をとる

「動物愛護管理法」に違反したらどうなるの?

愛護動物をみだりに死傷させた場合には5年以下の懲役または500万円以下の罰金、愛護動物へ虐待・遺棄した場合には1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられます。

動物虐待は動物をむやみに傷つける暴力行為だけでなく、恐怖を与えたり体を酷使させるなどの心理的抑圧行為や必要な世話をしない、多頭飼いによる不衛生な環境で飼育するなどのネグレクトも当てはまります。

「身動きが取れない狭いケージに閉じ込める」「短い鎖で繋いだまま飼育している」「厳しい天候をしのぐ設備がない状態で外飼いする」といった一見虐待と判断しづらい行為も動物愛護管理法違反になるので十分注意が必要です。

飼い主が知っておきたい法律・条例③「糞尿の処理に関する法律」

糞尿の処理に関する法律は?

愛犬の散歩をしていると道に犬の糞が置き去りにされているのを目にすることはありませんか?

糞の置き去りは軽犯罪法によって処罰の対象になります。

軽犯罪法1条27号は「公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者」と規定されています。

マナーの問題と考えられがちですが、立派な法律違反になります。

糞尿の処理に関する法律に違反したらどうなるの?

違反した者は拘留又は科料(1,000円以上1万円未満)に処するとされています。

1度や2度の不始末で即逮捕ということは考えにくいですが、何度注意されても不始末を続ける、近隣住民に迷惑をかけ続けているといった悪質性が確認されれば、逮捕される可能性はゼロではありません。

糞や尿の不始末は景観を壊すだけでなく、感染症を広げる原因にもなります。

飼い主としての責務を守りましょう。

飼い主が知っておきたい法律・条例④「マイクロチップに関する法律」

マイクロチップに関する法律は?

2022年6月に「改正動物愛護管理法」が施行され、犬と猫のマイクロチップ情報登録の制度がスタートしました。

これによりブリーダーやペットショップなどが販売する犬や猫へのマイクロチップ装着と情報登録が義務化されました。

一方2022年6月以前から飼っている犬猫に関しては、マイクロチップの装着は努力義務になっています。

▼マイクロチップってなに?

動物の個体識別ができる電子標識器具のことで、専用の機械で犬や猫の皮膚の下に埋め込んで使用します。

専用の読み取り機を当てると、マイクロチップに登録されている情報を確認することができます。

マイクロチップに関する法律に違反したら どうなるの?

2022年6月以前に飼っていた犬猫の飼い主さんはマイクロチップの装着は努力義務となっているので、違反をしても罰則はありません。

しかし、販売業者の場合は違反すると勧告や命令が発せられ、改善が見られない場合業者の登録が取り消されることもあります。

飼い主さんからするとあまり自分に関係のある話に感じないかもしれませんが、犬猫を迎えるときにその業者が法令を遵守している良質な業者かを探る大切な指標になります。

悪質な業者に騙されないために、飼い主さんが覚えておきたい法律ですね。

飼い主さんが知っておくべき犬に関する法律を4つご紹介しました。

この他にも住んでいる地域によって守るべき条例や規約があるかもしれません。

法律違反やトラブルになる前にしっかり覚えて犬にとっても飼い主さんにとっても住みやすい環境を作っていきましょう。

<参考書籍>

動物看護コアテキスト[第3版]6 愛護・適正飼養学 第3版監修:西村亮平

<参考URL>

動物の愛護及び管理に関する法律
>https://laws.e-gov.go.jp/law/348AC1000000105

動物虐待の考え方
>https://www.doubutukikin.or.jp/knowledge/doubutugyakutai/

<画像元>

Canva

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。