世間一般では、秋という季節には空き巣被害が多発すると言われているのをご存知でしょうか?
犬を迎えているご家庭の場合、「うちの子は警戒心強いし大丈夫!」と思われる飼い主さんも居るかもしれません。
けれどそんな時こそ油断禁物です!
今回は、秋に多発する空き巣被害は本当に犬がいれば安全なのか、その真相や注意点、番犬向きの犬種などをご紹介します。
犬を飼っていれば本当に空き巣犯は嫌がる?
一般的に、犬という動物のイメージは昔から番犬と言われるだけあって、空き巣などの防犯対策にも効果的だと思われてきた方は多いと思います。
確かに犬は、自分が住む場所を縄張りとして認識する習性があるため、知らない誰かが突然侵入してきたら、勢い良く吠えかかったり、果ては噛みついて威嚇、牽制したりする子は多く居ます。
しかし、実は空き巣犯が飼われている犬に怖れをなす確率はそれほど多くないのが現状なのです。
▽『空き巣犯が犯行をあきらめる主な理由と割合』
警視庁が情報を提供している『住まいる防犯110番』では、上記のようなデータを掲載しており、犯行をあきらめる要素で【犬を飼っていた】ことを理由に断念する割合は、おおよそ30%程度に留まっています。
現在は室内で犬を飼養する人も多くなったことから、それ自体を嫌がる空き巣犯であれば、ある程度抑止力にはなり得るかもしれません。
けれど、もしそうでなかった場合、犬を迎えて飼うだけでは抑止力の効果にあまり期待はできません。
では、なぜあまり期待が出来ないと言えるのか、次章で詳しく見ていきましょう。
空き巣犯が犯行に及ぶ時の重要性と心理とは?
上記でもお伝えしましたが、犬は基本的に縄張り意識の強さから見知らぬ侵入者へ威嚇することが少なくない動物です。
そのため、一見すると犬の存在は防犯対策の一つとしても役立てられそうに見えます。しかし、そうした犬の特性が愛犬の場合になかった時では、どうでしょうか?
一般的に空き巣犯にとって、何よりも重要視する項目は下見をした際にその家が侵入しやすい家かそうでないかを見ていると言われています。
また、そこに付随する周辺の下見では、空き巣犯は下見をした際にその周囲環境が閑静な場所かどうかという点にも気を配っています。
上記の<家の下見で気にすること>の項目では、犬がいないかをある程度気にする空き巣犯は確かにいます。
けれど割合から見ても分かるように、その重要性はさほど高くはなく、むしろ低いと言って良いほどです。
警察犬など特別にしつけられた犬を除いては、犬は基本的に本能部分に弱い一面を持ち合わせる動物です。
仮に犯行に及んだ人間が犬の扱いに慣れているようなタイプだったとしたら、おやつで手懐けることは容易でしょうし、超小型犬で犯人にとって脅威になり得ないと判断されるような愛犬だったら、吠える犬かどうかはそれほど重要視する項目でない可能性は十分に考えられるでしょう。
そのため、いくら犬が家にいて、人が近寄れば吠えるようなタイプだからと言っても、何の防犯対策も施さないというのは止めましょう。
犬が居てもご用心!?空き巣に対する注意点
愛犬の防犯効果を過信せず、自ら防犯対策を施している飼い主さんであっても、以下のような点には注意が必要です。
▼【犬が居ても注意しておきたいポイント】
・日々の散歩時間が大体決まっている犬
・人の来訪があっても大人しく温厚な犬
・おやつをもらうと途端に警戒心が無くなる犬
・室内・屋外問わず普段からちょっとした事で吠える犬
日々の散歩時間が大体決まっている犬
犬の散歩時間と空き巣との関係性は、パッと見なにも関係がなさそうに感じるかもしれません。
しかし、もしも飼い主さんと愛犬の散歩時間帯が毎回大体決まっているとしたら、その行動は大変危険なため注意しましょう。
空き巣犯は基本的に必ずと言って良いほど下見をします。ただ、その時に飼い主さんと愛犬の留守にする時間が把握されてしまうと、その時間帯を狙って空き巣に入られてしまう危険性が高くなってしまうのです。
愛犬と散歩に出掛ける際には、毎回決まった時間に出掛けるのではなく、ランダムな時間にしたり帰る時間をバラバラにしたりして、空き巣犯に狙われないよう対策しましょう。
人の来訪があっても大人しく温厚な犬
いくら縄張り意識がある動物だからと言っても、犬の性格や犬種によっては、来訪者があっても大人しく温厚な犬は当然居ます。
しかし、そのような場合は例えゴミ捨てに行くたった数分でも、玄関の施錠などは怠らないよう注意しましょう。
特に集合住宅である場合には、1階であってもゴミ捨てまでの場所には通常距離があるため、ちょっとした外出でも施錠は怠らないよう対策しましょう。
おやつをもらうと途端に警戒心が無くなる犬
前述でも述べましたが、犬は基本的に本能部分に弱い一面を持ち合わせています。
特別にしつけをされていない場合、空き巣犯からおやつを見せられると、それに食いついて警戒心や威嚇が無くなってしまう愛犬であるなら、注意が必要です。
中でも出されたものはもれなく食べるタイプのワンコの場合、何かしら毒が盛られていたらそれこそ命に関わってしまう可能性があるため、日々のしつけで防げるように出来るだけ対策しましょう。
室内・屋外問わず普段からちょっとした事で吠える犬
空き巣犯にとって、自分たちのことを威嚇したり牽制しようとしたりする犬は、厄介なため嫌がる対象なのは確かです。
しかしこれが、室内・室外問わず普段からちょっとした事で吠えるようなワンコだった場合、万が一空き巣が入ってきて吠えても、近所の人が「いつものこと」と判断してしまう可能性があり、通報に繋がりません。
無駄吠えに対するしつけは、結構根気のいる作業になりますが、少しずつでもちょっとした物音に反応しないようなしつけをして、対策するよう心掛けましょう。
空き巣犯も思わず退散?番犬に向く犬種
それでは、ここでは空き巣犯も思わず退散してしまうような番犬に向く犬種をご紹介します。
▼【番犬に向いている犬種】
・柴犬
・チワワ
・ポメラニアン
・シェットランド・シープドッグ
・ジャーマン・シェパード
・ドーベルマン
・秋田犬
以上の犬種が、性格的に飼い主に従順な一面や警戒心が強い一面を持ち合わせており、番犬に向いていると言われています。
そのため、防災対策の観点から見れば、これら犬種が居るご家庭では、一定の抑止力にはなる可能性は高いことでしょう。
ただし、このような番犬としての役割を愛犬が担うためには、それなりの訓練が必要となります。
また、こうした番犬に向くような犬種は、しっかりと飼い主さんが制御を利かせられる一貫性な態度を見せられないと、時として飼い主さんや家族にも牙を剥く場合があるため、注意が必要です。
いずれにせよ、仮に愛犬が番犬に向くような犬種だったとしても、それに甘んじることなく、しっかりと防犯対策は心掛けるように日頃から気を付けておきましょう。
まとめ
今回は、秋に多発する空き巣被害について、犬がいることの安全性や注意点、犬種などをご紹介しました。
犬はそれこそ昔には、特に【番犬】という役割で人と生活を共にしてきた歴史があるため、今でもその感覚が根強く残っている方は少なくないかもしれません。
ただ、現在はダミーの防犯カメラでも高性能な物や簡単に取り付け可能な補助錠などが数多く販売、簡単に手に入ります。
番犬に向いている犬種は、今回ご紹介した犬種以外にも数多く存在するものの、あくまで彼らは私たちのパートナーであり、家族であることを忘れてはいけません。
そのため、自分の身は自分で守れる防犯対策を、是非とも一緒に心掛けていきましょう。
<参考サイト>
番犬がいれば空き巣は撃退できる?|ALSOK
>https://www.alsok.co.jp/person/recommend/113/
犬は泥棒や強盗に対して効果があるか?|安全な暮しのパートナー セキュリティハウス
>https://securityhouse-network.net/blog/b_hanzai/dog.html
すまいる防犯110番|警視庁
>https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_e_1.html
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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