愛犬が尻尾を追いかけたり、ガブガブ噛んだりする仕草をすることはありませんか?
遊びで尻尾を追いかけたり噛んだりすることもありますが、中にはストレスや病気が原因のケースもあります。
今回は「犬が尻尾を噛む理由」や「尻尾を噛むのを止めさせる方法」をご紹介します。
「動物病院に連れていくサイン」もあわせてご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
「愛犬が尻尾を噛む・追いかけるのはなぜ?」原因6つ
愛犬が尻尾を追いかけたり噛んだりする理由はなんでしょうか。
考えられる原因を6つご紹介します。
▼愛犬が尻尾を噛む・追いかける原因6つ
①「ストレス・不安」
②「体にかゆみや違和感がある」
③「病気のサイン」
④「肛門周りに違和感がある」
⑤「常同行動」
⑥「飼い主さんにかまってほしい」
①「ストレス・不安」
遊びで尻尾を追いかけたり噛みつくこともありますが、不安やストレスのはけ口として行動している場合もあります。
▼犬のストレスになりやすい行動
・ケージに入っている時間が長い
・留守番時間が長い
・散歩や遊びの時間が短い
・散歩中に匂いかぎの時間をとらない
・引っ越しや家族が増えた
・しつけの仕方が家族によって異なる
特に運動量の多い犬の場合、散歩や遊びの時間が少ないと尻尾を噛んだり追いかけるといったストレスからの問題行動を起こしやすいです。
②「体にかゆみや違和感がある」
体に痛み、違和感、かゆみなどがあると紛らわせるために尻尾を噛むことがあります。
皮膚病にかかったりノミやダニなどの寄生虫に感染すると、頻繁に体を噛んだり舐めたりする仕草が見られるので、早めに動物病院で診察を受けましょう。
③「病気のサイン」
股関節形成不全や前十字靭帯断裂、馬尾症候群などの関節や神経の病気にかかると痛みや違和感を紛らわすために尻尾を噛むことがあります。
尻尾を噛む以外に座りたがらない、歩き方に違和感がある、段差を嫌がるといった症状もあわせてみられたら、病気のサインかもしれません。
また、てんかんといった脳の病気でも尻尾を追うといった症状が見られることがあるので、頻繁に尻尾を噛む、追いかける場合は早めに動物病院に相談するほうがよいでしょう。
④「肛門周りに違和感がある」
肛門線に分泌物が詰まっていたり、肛門周りに強いかゆみがあると、違和感やかゆみを紛らわそうと尻尾を噛んだり肛門付近を舐めたりすることがあります。
⑤「常同行動」
強いストレスによって同じ行動を繰り返す常同行動でも尻尾を噛む、追いかけるといった仕草が見られます。
一時的ではなく、下記のような行動を繰り返す場合は常同行動の可能性があります。
早めに獣医師さんに相談をしましょう。
・1日に何度も尻尾を噛んだり追いかけている
・出血や脱毛をするほど強く噛んでいる
・飼い主さんが静止しても止めない
⑥「飼い主さんにかまってほしい」
飼い主さんの様子を見ながら尻尾を追いかけている、噛んでいるという場合は飼い主さんにかまってほしくて行動しているのかもしれません。
尻尾を噛んだり追いかけているときに、飼い主さんが駆け寄ったり声をかけたりすると、この行動をとればかまってもらえると犬が学習して、尻尾追いや尻尾噛みを繰り返すことがあります。
「愛犬が尻尾を噛むのは異常?」動物病院にいくべきサイン
一時的に尻尾を追いかけたり軽く噛んだりといった行動を取ることはありますが、頻繁に尻尾追いや尻尾噛みをする場合は、早めに動物病院に相談することをおすすめします。
特に関節の病気やてんかん、常同行動が原因で尻尾噛みをしている場合、早めに発見して早めに治療にはいることでその後の愛犬の生活の質が大きく変わります。
サインを見落とさないようにしましょう。
▼動物病院に行くべきサイン
・どうして尻尾を噛んでいるのか原因がわからない
・1日に何度も尻尾を噛んだり追いかけている
・尻尾を噛む回数や噛むきっかけが徐々に増えてきている
・怪我や脱毛をしている
・飼い主さんが止めてもやめない
・無理に止めようとすると攻撃された
「愛犬が尻尾を噛む・追いかける」止めさせる方法は?
では、愛犬の尻尾噛みや尻尾追いを止めさせるにはどうすればいいのでしょうか。
止めさせる方法を5つご紹介します。
▼「愛犬が尻尾を噛む・追いかける」止めさせる方法5つ
①「動物病院で検査を受ける」
②「散歩・運動・遊びの時間を増やす」
③「犬の生活空間を見直す」
④「犬の本能や頭を使う遊びを取り入れる」
⑤「薬やサプリメントを検討する」
①「動物病院で検査を受ける」
病気による痛みや違和感を紛らわすために尻尾を噛んだり、追いかけている可能性があります。
飼い主さんが違和感や痛みがでている場所を見つけるのは難しいので、原因を特定するために動物病院で検査を受けましょう。
②「散歩・運動・遊びの時間を増やす」
ストレスを解消するために遊びや散歩の時間を増やしましょう。
散歩コースを日替わりで変えるといい刺激になり、愛犬も退屈しません。
愛犬が嫌がらないようであれば、定期的にドッグランで全身運動をしたり、他の犬と交流するのも良いストレス解消になります。
③「犬の生活空間を見直す」
1日の大半をケージで過ごす、プライベートの空間がない、人の出入りが激しい場所や生活動線に犬のベッドかあるといった環境は安らげずストレスが溜まりやすいです。
愛犬が生活する空間が居心地良く整えられているかをチェックしましょう。
下の記事では愛犬が快適に過ごせる部屋作りについて解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
「この部屋落ち着く!」愛犬が快適に過ごせる部屋作りは?
>https://www.inutome.jp/c/column_9-157-35742.html
④「犬の本能や頭を使う遊びを取り入れる」
犬の嗅覚を刺激するノーズワークや頭を使う知育のオモチャは犬に適度な刺激を与え、ストレス解消に役立ちます。
犬との遊びにノーズワークや知育のおもちゃを取り入れましょう。
また、散歩中の匂いかぎも犬の本能を満たす大事な行動なので、途中で止めさせずに満足するまでかがせてあげましょう。
⑤「薬やサプリメントを検討する」
症状によっては獣医師さんから薬やサプリメントが処方される場合もあります。
ただ、尻尾を噛んだり追いかける原因が特定できないと、噛む対象が別の物に向かってしまってしまうので薬を与えるだけではなく、原因が特定することも大切です。
また薬やサプリと並行してストレス解消のために散歩や遊びは怠らないようにしましょう。
犬が尻尾を噛む、グルグル追いかける原因には、ストレスや病気が関わっていることもあります。
子犬の場合は遊びの可能性もありますが、何度も頻繁にくり返したり怪我をしてしまう場合はすぐに対策をとることが大切です。
大きな病気が潜んでいる可能性もあるので、頻繁に尻尾噛みが見られる場合は早めに動物病院に相談するようにしましょう。
<参考書籍>
小動物獣医看護学 小動物看護の基本と実践ガイド 上巻・下巻 西田 利穂 (翻訳), 石井 康夫 (翻訳), D.R.Lane B.Cooper
<画像元>
Unsplash
Canva
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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