外出や外遊びが多いわんちゃんはだんだんと体の汚れが目立ってきますね。
そんなとき自宅で愛犬をお風呂にいれるという方も多いのではないでしょうか。
なんとなく洗っているという方もいらっしゃるかも知れませんが、間違ったシャンプーの仕方やNGなシャンプーの保管方法をとっていると皮膚トラブルの原因になってしまうかもしれません。
今回は「自宅で愛犬をシャンプーするときの注意点」や「NGなシャンプーの保管方法」などをご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
<目次>
自宅で愛犬をシャンプーするときの注意点4つ
愛犬を自宅でシャンプーするときにどんなことに気をつければいいのでしょうか。
注意点を4つご紹介します。
▼自宅で愛犬をシャンプーするときの注意点4つ
①「シャンプーの後は必ず保湿をする」
②「洗浄力の強いシャンプーを常用しない」
③「シャンプーはしっかり泡立てる」
④「恐怖心をできるだけ取り除く」
①「シャンプーの後は必ず保湿をする」
皮膚からどれくらい水分が抜けたかを測る指標を「経表皮水分蒸散量(TEWL)」といいます。
シャンプー前とシャンプー後のTEWLを調べた調査によると、シャンプー後の皮膚のTEWL値は非常に高く、シャンプーをした日から3日経ってもシャンプー前の皮膚の水分量に戻っていないということがわかりました。
つまり、シャンプーした後の皮膚は非常に乾燥しており、トラブルをおこしやすい皮膚の状態になっているということです。
シャンプーは保湿成分が含まれているものを使用し、シャンプー後はしっかり保湿をするようにしましょう。
②「洗浄力の強いシャンプーを常用しない」
愛犬のベタつきが強いとついしっかり汚れが落ちるシャンプーを選びたくなりますが、洗浄力が強いシャンプーは皮脂も一緒に洗い流します。
皮脂がごっそり洗い流されると皮膚が乾燥し、必要以上に皮脂が分泌されるため余計にベタつきがひどくなります。
獣医師から指導がある場合は別ですが、日常的に洗浄力が強いシャンプーを常用するのはさけましょう。
③「シャンプーはしっかり泡立てる」
シャンプーは体につける前にしっかりと泡立てましょう。
シャンプー剤を直接犬の体に付けてゴシゴシ擦ると、皮膚を傷つけてしまいますし汚れも十分に落ちません。
使用する前に容器とスポンジを使って、しっかり泡立ててから泡で愛犬を洗うようにしましょう。
④「恐怖心をできるだけ取り除く」
水に濡れたり長時間拘束されるのは犬にとってストレスになります。
シャワーの音や洗面器の音に驚いて恐怖心を感じる犬もいるでしょう。
シャンプーをする前にお風呂に入る練習をして恐怖心をなるべく取り除いてあげましょう。
また、拘束時間を短くするために入浴剤タイプの洗浄剤でお風呂にいれるのもよいでしょう。
「実はバイ菌だらけかも」NGなシャンプー保管方法
愛犬をお風呂に入れるときはいろいろな注意点があることがわかりました。
では、使用しているシャンプーはどうでしょうか。
実は保管方法が間違っているとシャンプーが雑菌だらけになってしまい、皮膚トラブルを引き起こしてしまう可能性があります。
NGなシャンプー保管方法を3つご紹介します。
▼NGなシャンプー保管方法
①「保管場所がお風呂場などの湿気が多い場所」
②「使用期限を気にせず空になるまで使う」
③「シャンプー後に容器の汚れを拭き取らない」
①「保管場所がお風呂場などの湿気が多い場所」
シャンプーボトルを湿気が多いお風呂場やシンクの下に置いていませんか?
高温多湿の場所は雑菌が繁殖しやすいだけでなく、シャンプーの成分が分離する可能性があります。
シャンプーは温度の低い風通しがいい場所に保管するようにしましょう。
②「使用期限を気にせず空になるまで使う」
メーカーによって異なりますが、シャンプーは開封後半年以内を目安に使い切るのが理想とされています。
シャンプーは高温多湿の環境に保管されやすく、どんなに気をつけていても水や汚れが入って品質がだんだんと落ちてきます。
もったいないからと使用期限が切れたシャンプーを使っていると、皮膚トラブルを起こしてしまうかもしれません。
開封後は使用期限内に使い切るようにして、開封後半年以上過ぎたるものは買い替えるようにしましょう。
③「シャンプー後に容器の汚れを拭き取らない」
水場で使用するシャンプーは意外と容器に水が溜まりやすいです。
また、耳や爪先の汚れ落としに犬用のクレンジングを使用している場合、容器の先が犬に触れてしまうと容器内で雑菌が繁殖しやすくなります。
シャンプーが終わった後は、容器や容器の先端をしっかり拭き取って清潔にしておきましょう。
「シャンプーしすぎはNG」犬のシャンプーの頻度は?
犬のシャンプーはどれくらいの頻度で行えばよいのでしょうか。
皮脂や汚れがたまりすぎると匂いや皮膚トラブルの原因になりますが、シャンプーをしすぎると皮膚が乾燥し細菌や日光といった外的刺激を受け、かゆみや炎症を起こしやすくなります。
そのため、犬のシャンプーは月に1~2回程度に留めておきましょう。
ただし、皮膚トラブルを患っている場合はシャンプーの頻度が変わるので、シャンプー剤の選択も含めて獣医師に相談するようにしましょう。
自宅で愛犬を洗うときの手順や注意点は?
自宅で愛犬を上手に洗うには、どんな手順で行えばよいのでしょうか。
上手に洗うコツを一覧にまとめました。
▼自宅で愛犬を洗うときの手順
①「お風呂場や水の刺激に慣らす」
②「ブラッシングをする」
③「全身をしっかり濡らす」
④「シャンプーの泡で全身を洗う」
⑤「頭からすすぐ」
⑥「トリートメント・保湿剤をつける」
①「お風呂場や水の刺激に慣らす」
普段入らない場所で水に濡れることにストレスを感じる犬もいます。
ストレスを軽減するために、普段からお風呂場でオヤツをあげるなど場所に慣れさせておきましょう。
またオヤツをあげながら水の音を聞かせたり、足先を少し濡らすなど水の刺激にも慣らしておきましょう。
②「ブラッシングをする」
シャンプーをする前にブラッシングをして毛のもつれや汚れを落としておきましょう。
しっかりブラッシングをしておくとシャンプーが体に馴染みやすくなり、シャンプーの時間を短縮することができます。
③「全身をしっかり濡らす」
36度前後のお湯で全身を濡らします。
シャワーの音に驚かないように腰やお尻のあたりからお湯をかけていましょう。
シャワーヘッドをしっかりと体に当てると地肌やアンダーコートも濡らすことができます。
④「シャンプーの泡で全身を洗う」
洗面器やペットボトルなどを利用してシャンプー剤を泡立て、全身に泡を乗せて洗っていきます。
背中、胸、お腹、お尻、後ろ足、前足、顔の順番で指の腹を使って地肌をマッサージするように洗っていきましょう。
⑤「頭からすすぐ」
頭から足に向かって順にすすいでいきます。
脇、お腹、お尻、足裏は洗い残しが多い場所なので、念入りにすすいでおきましょう。
目にシャンプーが残ると角膜を傷つけるおそれがあるので、顔周りもしっかりすすぎましょう。
顔周りに水をかけられるのが苦手な子は、スポンジやタオル使用して顔を濡らし洗っていきましょう。
⑥「トリートメント・保湿剤をつける」
トリートメントや保湿剤を全身にかけていきましょう。
かけながら手でしっかりなじませていくと、毛にトリートメントや保湿剤を浸透させることができます。
自宅でのシャンプーは手軽ですが、シャンプーの保管方法やシャンプーの仕方を間違うと皮膚トラブルを招いてしまうかもしれません。
今回ご紹介した内容を参考に、愛犬のお風呂の入れ方を見直してみてくださいね。
<参考書籍>
アジア動物スキンケア検定 公式テキスト 動物スキンケア実践ガイド 岩﨑 利郎 (著)
<参考URL>
犬のスキンケアはシャンプーだけじゃない【獣医皮膚科専門医が解説】
>https://magazine.vdt.co.jp/3064/
<画像元>
Unsplash
Canva
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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