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「夏は危険がいっぱい」夏に犬にやってはいけないNG行動5つ!

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暑さ対策や寄生虫の予防など夏は色々なことに注意が必要な季節です。

何気なくやっていた行動が実は愛犬を苦しめていたり、命に関わる事故につながっているかもしれません。

そこで今回は「夏に愛犬にやってはいけないNG行動」を5つご紹介しますので、愛犬の健康管理にぜひお役立てください。

夏にやってはいけないNG行動①「昼間に犬の散歩に行く」

炎天下の中、犬の散歩に行っている方を時々見かけますが、夏の昼間に散歩に行くのは絶対に止めましょう。

理由は2つあります。

▼夏の昼間に犬の散歩に行くのがNGの理由

(1)肉球をやけどする可能性が高いから
(2)熱中症にかかる可能性が高いから

(1)肉球をやけどする可能性が高いから

「株式会社ディライトクリエイション」が行った犬の肉球やけどに関する実態調査(飼い主200人を対象に調査)によると、肉球やけどのリスクがある時間帯(※)に散歩に出た人の割合は72%で、実際に肉球やけどを経験した飼い主さんは10人に1人にのぼりました。

(※) 夏の晴れた日の10時~19時の時間帯を犬の肉球に火傷リスクのある時間帯と設定

▼犬の肉球やけどの実態調査

肉球をやけどしていても犬が痛みを我慢している場合もあり、飼い主さんが気づかないケースも含めると調査数よりもはるかに多くの犬が肉球やけどを経験している可能性があります。

低温やけどを引き起こす温度は43℃と言われていますが、外気温が30℃まで上がると地面の温度は60℃にも達するそうです。

肉球をやけどするほど高温の上を歩かせることになるので、日中の散歩は控えるようにしましょう。

(2)熱中症にかかる可能性が高いから

▼犬と人の体感温度の差

犬と人では体感温度が違います。

犬は人よりも地面に近い場所を歩くので地面からの熱を受けやすく、人よりも暑く感じます。

熱中症は体温が40℃を超えると発症すると言われていますが、犬の体温は38℃前後なので体温が1~2℃上がっただけで熱中症を発症する可能性があります。

熱中症が重症化した場合の死亡率は36~46%と非常に高いので、熱中症を起こしやすい環境には連れ出さないようにしましょう。

夏にやってはいけないNG行動②「犬を一人で車の中に残す」

犬を車に1人で残すと熱中症を起こす可能性があるので絶対に止めましょう。

「すぐ戻って来るから」「エアコンをつければいいのでは?」と思うかもしれませんが、犬だけ残すのをおすすめしない理由が3つあります。

▼犬を1人で車に残すと熱中症にかかるリスクあり

(1)エアコンを停止すると20分で車内温度は40℃を超える
(2)不安や恐怖は体温をあげる
(3)犬が誤ってエアコンを切る事故も発生している

すぐに戻るからとエアコンを切って車から離れる方もいると思いますが、JAFの調査によるとエアコンを停止した車内はわずか20分ほどで40℃まで温度が上昇しました。

40℃は熱中症を発症する可能性が高い危険な温度です。

▼エアコン停止後の車内の温度変化

1人で車内に残されると緊張や不安を感じ、犬は呼吸が荒くなります。

呼吸が荒くなると体温も上昇するため、普段より熱中症にかかる可能性が高くなります。

また動物病院からは誤って犬がエンジンを切って、エアコンが止まってしまった事例も報告されています。

▼Vol.39 車でお留守番は危険です 湘南台セントラル動物病院
>https://www.central-pc.org/column/254

事故は必ず「まさか」が起こっておきるので、犬を一人で車の中に残す状況は作らないようにしましょう。

夏にやってはいけないNG行動③「過度なサマーカットにする」

夏になると熱中症対策のために愛犬をサマーカットにする方もいらっしゃるかもしれませんが、過度なサマーカットにはデメリットも多くあります。

▼過度なサマーカットをおすすめしない理由

・皮膚のバリア機能の低下
・紫外線の影響を受けやすくなる
・毛が生えにくくなる
・虫に刺されやすくなる

毛には水を弾いたり乾燥から皮膚を守る働きがありますが、毛が極端に短くなると水の冷たさが体に伝わりやすくなったり、乾燥で皮膚トラブルを起こしやすくなります。

また毛が短い分、紫外線が直接皮膚に届きやすくなります。

バリカンをかけることで毛周期(毛が生えて抜け落ちるまでのサイクル)が止まってしまったり、生えてきた毛が硬くなるなどの毛質が変わることもあります。

暑さを解消するために良かれと思っていたことが逆効果をまねく場合もあるので、サマーカットをしたい場合は慎重に判断するようにしましょう。

夏にやってはいけないNG行動④「寄生虫予防をしない」

夏になると蚊やノミやマダニの動きが活発になります。

蚊が媒介する病気のフィラリアは犬の心臓や肺に寄生するので、重症化すると命の危険があります。

また、下の図は日本獣医師会が発表したマダニの寄生状況に関するグラフですが、7月から10月にかけてマダニが多く発生していることがわかります。

▼日本の犬と猫における「マダニ」の発生状況

ダニはSFTS(重症熱性血小板減少症候群)という病気を媒介させます。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは?

ダニが媒介するウィルスによる病気のこと。
感染すると発熱、嘔吐、頭痛などが起こり、ひどい場合はリンパ節の腫れや皮下出血、意識障害などの神経症状が起こります。

寄生虫は犬にとっても人にとっても危険な病気を引き起こすので予防はしっかりとおこないましょう。

夏にやってはいけないNG行動⑤「エアコンをつけ忘れる」

朝、家を出るときに涼しさを感じると「今日はエアコンいらないかな」とつけるのを迷う方もいるかもしれませんが、愛犬が過ごしている部屋のエアコンは必ずつけて出かけましょう。

エアコンを付けない部屋の温度はすぐに35℃以上に到達します。

▼暑さ対策を行わない場合の部屋の温度

熱中症を引き起こす可能性が高いので、朝に涼しさを感じてもエアコンは必ずつけるようにしましょう。

またエアコンに人感センサーが搭載されている場合、犬に反応せずエアコンが稼動しないおそれがあります。

自宅のエアコンの設定がどうなっているか一度確認しておきましょう。

夏に愛犬にやってはいけないことを5つ紹介しました。

ちょっとした行動が怪我や命に関わる可能性があるので、十分気をつけて対策を取りながら楽しく夏を乗り切りたいですね。

<参考文献>

保水性舗装の路面温度上昇抑制効果
>https://www.akashi.ac.jp/library/o7en060000000jxe-att/50_031.pdf

車内の熱中症に注意 山陰中央新報デジタル
>https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/599808

アジア動物スキンケア検定 公式テキスト 動物スキンケア実践ガイド 岩﨑 利郎 (著)

<画像元>

Unsplash

Canva

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。