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あなたの愛犬は脂性肌?乾燥肌?それとも混合肌?原産国で気を付けたい皮膚トラブルへの対処法

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突然ですが、飼い主の皆さんの肌は脂性肌ですか?乾燥肌ですか?それとも、混合肌ですか?人では当たり前のように肌質状態が分けられるこの言い回し。

けれど、実は犬にもその犬の原産国によって肌の質に違いがあるんです。

今回の記事は、皮膚トラブルを抱えやすい犬の中でも特に皮膚疾患を持ちやすい犬種とその原産国別肌質傾向、そして肌質傾向に合った対処法についてご紹介します。

脂性肌や乾燥肌、混合肌の違い

皮膚病になりやすい犬種、その犬種の原産国などをご紹介する前に、犬で見られる脂性肌や乾燥肌、混合肌など違いを見てみましょう。

まず、脂性肌の特徴としては…、

・皮膚がベタ付いている

・被毛が脂っぽい

・体臭がきつい

このような傾向が見受けられます。

発症する皮膚疾患の種類にもよるものの、例えば脂漏症や外耳炎が発症してしまった時には、愛犬の肌質は、もしかしたら脂性肌に該当しているかもしれません。

次に、乾燥肌の特徴としては…、

・フケがでる

・発赤や痒みがある

・肌のカサつき、パサつき

このような傾向が見受けられます。

頻繁に足先を痒がっていたり、脇や口元、目元など皮膚の薄い部分を痒がったりする時には、アトピー性皮膚炎や食物アレルギー、膿皮症などの皮膚疾患の可能性があり、もしもこれらの皮膚疾患を発症してしまった時には、愛犬の肌質は乾燥肌に該当しているかもしれません。

そして、最後の混合肌の特徴は、上記の脂性肌と乾燥肌、どちらの傾向も持ち合わせている肌になります。

肌の水分量や皮脂のバランスを整えることを重視し、例えばアトピー性皮膚炎に加え、脂漏症の症状も見受けられる愛犬の場合には、皮膚のバリア機能を正常化するための治療を中心に、保湿ケアをいつ頃施すかなどの相談を獣医さんと行ってください。

皮膚疾患になりやすい犬種の原産国、肌質、対処法とは?

それでは、具体的にどのような点に気を付け、どのような点に気を配れば愛犬のためのスキンケア方法を施すことが出来るのか…。

そこで重要になってくるのが、犬種の原産国とその気候で違いが生じてくる肌質です。

ここでは、皮膚疾患になりやすく、且つ多くの方が飼養する人気な犬種の原産国と肌質傾向、対処法についてご紹介します。

皮膚疾患になりやすい犬種:柴犬(原産国:日本)

柴犬の原産国は皆さんもご存知の通り日本です。日本は基本的に気候が【温暖湿潤気候】と言われる季節風の影響で四季がはっきりしている国と言われています。

分かりやすく言えば、夏は高温多湿、冬はとても乾燥する季節になるという特徴を持ち合わせています。

<柴犬の肌質傾向>

柴犬は元来日本が原産なので、比較的暑さにも寒さにも、また湿度にも適応できる犬種ではありますが、遺伝的にフケや発赤、痒みなどが現れやすく、肌がカサつくアトピー性皮膚炎になりやすいという特徴から、どちらかというと『乾燥肌タイプ』に分類される傾向が強いでしょう。

もちろん、同じ犬種でも全く症状が出ない子も居れば、アトピー性皮膚炎の影響で膿皮症を併発する場合も多々あります。

<柴犬の皮膚トラブル対処法>

柴犬がなりやすいアトピー性皮膚炎や食物アレルギー、膿皮症といった皮膚疾患は、乾燥によるフケや痒み、発赤が原因で、犬自身が掻き壊し、舐め壊しが起こることで悪化してしまいがちです。

そのため、まずは愛犬が痒がる原因を突き止めることを最優先として、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーであれば、食事療法と抗菌シャンプー、場合によっては塗り薬などを処方してもらいましょう。

膿皮症の場合では、抗菌シャンプーや外用薬などの処方、中年期に入ってから発症した場合には、何らかの内科疾患を考慮し、他の病気の検査も検討しましょう。

皮膚疾患になりやすい犬種:チワワ(原産国:メキシコ)

チワワの原産国はメキシコで、チワワの名前の由来となったチワワ州というところは、アメリカの国境に近い北部に位置した場所に存在します。

メキシコは大体5月~10月頃が雨季、11月~4月頃が乾季と分けられているため、夏には唯一雨が降るものの、基本的には【乾燥地帯】と言われています。

<チワワの肌質傾向>

メキシコの北西部に位置する乾燥地帯が原産のチワワ、さぞ暑さに強いだろうと思われる飼い主さんも居るかもしれませんが、実際はマズル(鼻)の短さやその小さな体格から、どちらかというと暑さには弱く、その環境に適応できるよう脂腺の増生が起こりやすい犬種で、アトピー性皮膚炎を起こしやすい一方、マラセチアが関係する脂漏症皮膚炎という皮膚疾患も起こしやすい犬種なので、『脂性肌』または『混合肌』タイプに分類される傾向が強いでしょう。

<チワワの皮膚トラブル対処法>

チワワがなりやすい脂腺の増生や脂漏症は、主に皮膚のターンオーバーに異常が生じたり、酵母菌の増殖によって発症します。

脂漏症と聞くと、読んで字のごとく皮膚がベタ付いて脂っぽくなる印象を受けるかもしれませんが、脂漏症には時としてひどく乾燥し、フケなどが発生する『乾性脂漏症』という病態になる場合もあるため、ホルモン量、食べ物の脂肪分の多い、少ない、皮脂の過剰、減少などの違いで原因を突き止め、『油性脂漏症』なら抗生物質や抗脂漏シャンプーを使っての薬浴を週2回の頻度を目安に行いましょう。

一方でフケが良く出る『乾性脂漏症』の場合には、ビタミンA製剤や亜鉛製剤、サプリなどを処方してもらいましょう。

皮膚疾患になりやすい犬種:ミニチュア・ダックスフント(原産国:ドイツ)

ミニチュア・ダックスフントの原産国であるドイツの気候は、日本と同様四季がある国とされていますが、冬は厳しい寒さに晒される【温帯気候】と言われています。

ただ、【温帯気候】と言われてはいるものの、時折急な寒暖差に見舞われることのある国なので、時と場合によっては夏場でも羽織ものを持参した方が良いとされています。

<ミニチュア・ダックスフントの肌質傾向>

ドイツを原産とするミニチュア・ダックスフントは、主に外耳炎や脂漏症を発症しやすい犬種と言われています。

ドイツと日本では四季があるなど、ある程度季節的には共通点もありそうな気がしますが、ドイツは日本の北海道よりも北寄りで当然冬は寒く、とても乾燥するため、その影響もあってかミニチュア・ダックスフントの肌質は『脂性肌』タイプに分類される傾向が強いでしょう。

<ミニチュア・ダックスフントの皮膚トラブル対処法>

ミニチュア・ダックスフントがなりやすい外耳炎や脂漏症は、主に細菌感染や皮脂の異常分泌、酵母菌増殖などが原因で発症します。

脂漏症の場合では、前述したように抗生物質や抗脂漏シャンプーで週2回の頻度でケアをしてあげましょう。一方で耳の構造上仕方ないことではありますが、外耳炎の場合にはミミヒゼンダニや緑膿菌などが関係しているため、菌の確認を行った後、各々に合った抗生物質や軟膏などを処方してもらい、定期的な耳掃除を心掛けるようにしましょう。

犬の皮膚は人間の1/3の薄さ

上記でご紹介した犬種は、原産国も環境も全く違いますが、主に患いやすいと言われている皮膚疾患について言えば、共通する疾患も多かったのではないでしょうか?

一般的に犬の皮膚というのは、人間の赤ちゃんよりもデリケートに出来ていると言われていて、その薄さはなんと人の1/3以上だとされています。

ザックリと人の1/3と言われても、なかなかピンとこないかもしれませんが、一般的な成人、新生児、犬の皮膚の厚みを数値で表すと以下のような違いがあります。

【一般的な人間と犬の皮膚の厚みの違い】

・人間(成人)…0.2㎜
・人間(新生児)…0.1㎜
・犬…0.05㎜~0.1㎜

人間の大人と犬の皮膚の厚さには、このようにこれだけの違いが生まれ、犬の皮膚の厚さは良くても人間の赤ちゃんと同じくらいと思うと、相当デリケートなことが分かって頂けるのではないかと思います。

そのため、犬のスキンケアを行ってあげる時には、その犬の肌質に合った方法に気を配ってあげる必要があるでしょう。

犬の皮膚トラブル改善に向けた方法は、シャンプーや食事療法の他に、ブラッシングやサプリによる腸内環境改善など、いくつかの方法が存在します。しかし、それら様々な方法も、適切に使用出来なければ、犬のスキンケア改善に繋がらないどころか、無駄に出費が嵩んでしまって、飼い主さんも困ってしまいかねません。

皮膚トラブルで困っているワンちゃんへのスキンケアは、まずは愛犬の皮膚がどれだけデリケートなものなのかを知った上で、適切な治療、スキンケア方法、併せてサプリなどの使用を検討するなど、多方面からアプローチするように心掛けてあげてください。

まとめ

いかがでしたか?

筆者の2代目シェルティは、マラセチアが原因の外耳炎や食物アレルギーを持っていたため、食事療法と並行して、定期的な耳の洗浄やシャンプーなどで皮膚の状態を出来るだけ改善するよう努めてきました。

人にも肌質によってスキンケアが異なるように、犬にもその犬の肌質が存在するため、その子に合ったその子のためのスキンケアを見つけてあげてくださいね。

<参考書籍>

犬の医学

最新版 犬の病気百科

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yukako

yukako

幼少期の頃より柴犬やシェットランド・シープドッグと生活を共にし、現在は3代目となる柴犬と暮らしております。
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。