ワンちゃんを迎えると、よく『旅行に行けない』なんて言葉を聞くことはありませんか?こういった問題は、旅行だけではなく、急な出張など、仕事の際にも関係してくるものだと思いますが、そんな時愛犬の預け先を確保しておくことはとても重要です。
そこで今回は、愛犬を長期で預けなければならない時に知っておきたい犬へのストレス度合いや預け先のポイント、注意点について解説します。
愛犬を長期間預けることで起きるストレスとは?
愛犬を長期間預けるとなった際、もちろんその子の特徴や性格、個々の経験によって差が出てくるため、一概にこれほどのストレスが掛かってくるとは言えませんが、やはり相当の負担がかかっていることは想像に難しくありません。
一般的に、愛犬を長期間どこかに預けて起こりうるストレスには、以下のようなことが考えられます。
【長期預かりによって考えられる犬のストレス】
・食欲不振・元気消失
・嘔吐や下痢などの胃腸障害
・不安や恐怖心による問題行動
・飼い主さんへの依存状態による精神疾患
犬は元々群れで行動する生き物とも言われている通り、とても社会性の高い動物のため、それまで一緒にいた飼い主さんが、突如として長期の旅行に行ったり、急な出張で家を空けたりしてしまうと、飼い主さんが思っている以上に愛犬のストレスは相当のものとなってしまう危険性が高いです。
とはいえ、決まっている予定を直前になってキャンセルすることは現実的ではありませんし、それが仕事の関係や飼い主さん自身の思わぬ入院ともなれば、尚更断るなんてこと、容易には出来ませんよね。
そこで重要になってくるのが、『預け先』を決める前にやっておきたいストレス軽減対策法です。
愛犬を長期間預ける前のストレス軽減対策法
ストレス軽減対策、と言っても特別コレ!というようなことをするわけではありません。
日々の生活の中で、基本的に教えなければいけないしつけやトイレ・ハウストレーニングなど、例え飼い主さんと離れ、慣れない環境下に置かれてもそこまで動じないという状況に慣れることが出来れば愛犬のストレス度合いは十分に違ってきます。
具体的に、愛犬を長期間預ける前にはこういったストレス軽減対策をすると効果的です。
<愛犬を預ける前のストレス軽減対策>
手順1:最初は数分~数十分、または数時間ほど別の部屋でそれぞれ過ごしてみたり、愛犬を数時間トリミングのため預けたりというところから始める。
手順2:愛犬の様子を観察し、大して愛犬に異変が感じられないようなら、実際に一度預けようと思っている人、場所に預けてみる。
ただ、もちろんこういった『慣らし』というものは、犬種の特徴や性格によって違いは現れ、比較的小型犬は神経質な子が多いと言われているため、状況によっては根気強い『慣らし』が必要になることを覚悟してください。
また、こういったトレーニングを行うにあたって、それまで飼い主さんとの時間が長かった、もしくは常にあった愛犬だと、飼い主さんと離れたことで『クンクン』と鳴くかもしれませんが、こういった要求には、飼い主さん自身が応えないように注意しましょう。
そうしてある程度愛犬が一人でも平気な環境に慣れてきたところで、ようやく長期間預ける際の『預け先』を決定してあげましょう。
愛犬を長期間預ける時の預け先とポイント
それでは、ここからは愛犬をどうしても長期間預けなければならない場合の預け先とポイントをご紹介します。
▼【愛犬を預ける時に考えられる主な預け先】
・親戚や家族、友人宅に預ける
・ペットホテルに預ける
・動物病院に預ける
親戚や家族、友人宅に預ける
親戚や友人宅は、飼い主さん自身が信頼を置き、気心の知れた間柄の場合が多いため、選択される方も多くいらっしゃる預け先だと思います。
特に家族や親戚の自宅に預けるということであれば、愛犬自身も家族や親戚に慣れている可能性が高いので、上記でご紹介したストレスも最低限にすることが出来ます。また、金銭的にも節約出来て預け先としては一番問題ないでしょう。しかし、こういった場合でも以下のようなポイントを抑えることが大切です。
・愛犬はその環境・人に慣れているか
・基本的なしつけやトイレ、ハウストレーニングなどは出来ているか
・依存になりすぎないような飼い主さんとの距離感が作れているか
愛犬が家族や親戚、友人に慣れているかどうかはとても重要です。
というのも、例えば一人暮らしや結婚後にご実家以外でワンちゃんを迎えたといった場合、どんなにそのご家族、ご友人が愛犬を可愛がってくれる存在だとしても、会う頻度が低ければ愛犬にとってはほぼ他人と変わりない状態です。
そのため、例え家族や親戚に預けるとなっても、上記のポイントに加え、持病などがあるなら、事前にそういった重要事項を伝えておくことは忘れないようにしましょう。
ペットホテルに預ける
場所によって、サロン設備や動物病院が併設されているところもあるペットホテルは、一時預かりはもちろん、長期間の預かりサービスを行っているところもある預け先です。
お願いするところによって、サービスの充実性などは異なるものの、基本的には愛犬が快適に過ごせるような環境設備となっているところが多いでしょう。しかし、ペットホテルを選ぶ際には以下のポイントを抑えておく必要があります。
・ケージで過ごすのか、フリーで過ごせるのか
・逃走防止対策、補償はされているか
・万一の病気やケガの時の対応は万全か
・24時間常駐してくれるスタッフはいるのか
ペットホテルを預け先として選択する時には慎重に選択し、出来ることなら一度来店することをオススメします。
今はネット社会と言われるほど検索をすればHPや口コミサイトである程度の情報を把握することが出来ますが、やはり実際に行って、そのお店の雰囲気などを事前に確かめておくことが大切です。
また、持病などの有無は家族や親戚の場合同様、事前に伝えておくことや愛犬自身が不安がらないように飼い主さんの匂いの付いたものを置かせてもらうのもオススメです。
動物病院に預ける
成犬はもちろん、持病のある老犬を預ける際も利用することが出来る預け先として動物病院を選ぶ飼い主さんもいると思います。
中でもかかりつけの動物病院であれば、持病のあるワンちゃんにとってはとても安心できる場所でしょう。
しかし、動物病院を預け先として選ぶ際には、以下のポイントを抑えておくようにしましょう。
・カルテがなくても宿泊可能かどうか
・休診日などのお世話はどうしているのか
・預ける費用とは別途の費用はかかるのか
万一のケガや病気の治療については一番安心できる動物病院の預かりサービスも、前もってその病院にかかっていないワンちゃんの場合はどうすれば良いかや休診日のお世話体制などを事前に確認しておく必要があります。
筆者も親戚の結婚式に出席した際に3日程初代柴犬を動物病院に預けたことがありますが、やはりその動物病院もカルテがある場合のみ宿泊可能だったので、動物病院を預け先にする時には、しっかりと確認しておきましょう。
愛犬を長期間預ける時の注意点
愛犬を長期間どこかに預ける際には、人それぞれ期間が違うと思います。そのため、愛犬を預ける時は数日単位なのか、数週間単位なのか、はたまた数ヶ月なのかでも、預け先を決める時には一つの指標にすることが大切です。
特に『預け先』を家族や親戚に任せようと思っている場合、気心が知れている分、ある程度任せっきりにしてしまうなんてこともあるかもしれませんが、そういった時こそ、ちゃんと愛犬を見てもらう上で気をつけておいて欲しいことを伝えておきましょう。
いつもなら飼い主さんのそばを離れずどこにも行かない子であっても、長期間誰かに預けられるという環境に置かれてしまうと、どんな行動を取るかはその時々によって違うものです。
にわかには信じがたい話になってしまいますが、実は筆者の2代目シェルティも状況は違うものの、ある日の公園内の散歩で家族が誤って愛犬とはぐれてしまったことがありました。
その時の状況は、別の場所で休憩していた筆者を愛犬が必死に探し回り、途中で心優しい少年が捕まえて愛犬に導かれるまま着いていったら、私たちの元に辿り着いたといった状況で、連れてきてくれた時には、本当に肝が冷える思いとともに、無事で良かったという安堵の思いでいっぱいだった経験があります。
しかし、それだけ帰巣本能にも長けているのが犬という動物のため、少なくとも家族や親戚については、万一逃走するようなことがあっても自己責任となる可能性を考慮し、十分に注意するように気をつけましょう。
まとめ
長期的に愛犬を誰かに預け、どこかに旅行、出張に行くことは決して不可能ではありませんが、やはり何よりも愛犬目線に立った考えは大切です。
飼い主さんの状況によっては、愛犬を連れていくというのが難しいこともあるかもしれませんが、それでも出来ることなら、愛犬も一緒に連れていける場所を選んであげてくださいね。
<参考書籍>
THE DOG CARE|ザ・ドッグケア
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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