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「犬が熱中症になった時の対処法知ってる?」ワンランク上の対策で愛犬の命を守ろう

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犬も熱中症になるということが広く知られるようになり、愛犬に熱中症対策をとっている方も増えてきました。

その一方で実は「熱中症にかかったときの対処法を知っている」という飼い主は非常に少ないというデータがあります。

いざというときにすぐに行動できるように予防策に加えて対処法も覚えておきましょう。

愛犬に熱中症対策をとっている飼い主さんは9割以上

株式会社PLAN-Bが運営する「いぬなび」が全国の犬の飼い主さん323人を対象に「愛犬の熱中症・暑さ対策」に関するアンケート調査を行いました。

「愛犬に熱中症、暑さ対策をしているか」の質問に対し、「気をつけている」と答えた飼い主さんは59.1%、「かなり気をつけている」と答えた飼い主さんは34%で、合わせると90%以上の飼い主さんが熱中症対策をとっているという結果になりました。

▼愛犬の熱中症対策・暑さ対策はしていますか?

愛犬の熱中症対策・暑さ対策はしていますか?

「気をつけている」59.1%

「かなり気をつけている」34.4%

「あまり気にしたことはない」6.2%

「気にしたことはない」 0.3%

アンケートの結果をみると愛犬を熱中症にさせないという意識が非常に高い飼い主さんが多いということがうかがえます。

しかしその一方で「犬が熱中症になったときの対処法を知っていますか?」という質問に対しては意外な結果が浮き彫りになりました。

犬の熱中症の対処法を知っているのはわずか10%

同アンケートで「犬が熱中症になったときの対処法を知っていますか?」という質問に対し、結果は下記のようになりました。

▼犬が熱中症になったときの対処法を知っていますか?

犬が熱中症になったときの対処法を知ってる? 

「あまり知らない」41.2%

「なんとなく知っている」31.6%

「知らない」17.0%

「知っている」10.2%

「あまり知らない」と答えた方が41.2%、「知らない」と答えた方は17.0%で、合わせると半数以上の方が「犬が熱中症にかかったときの対処法を知らない」という事実が浮き彫りになりました。

「対処法を知っている」と答えた方が10%程度にとどまっていることを考えると、非常に危険な数字だと感じます。

熱中症は時間の経過ともに重症化し、死亡率も高い危険な病気です(重症化したときの死亡率は36~46%ほどと推定されています)。

そのため、飼い主さんがいざというときにすぐに行動できるかが命の分かれ目になります。

この機会に熱中症の対処法を覚えてワンランク上の熱中症対策で愛犬の命を守りましょう。

愛犬が熱中症にかかったときの対処法

愛犬が熱中症にかかったとき、どのような対処法をとればよいのでしょうか。

ポイントは「2つ」あります。

・応急処置をする

・応急処置が終わったら動物病院に電話して向かう

・応急処置をする

異変を感じたらすぐに動物病院に向かいたくなりますが、移動している間に症状が悪化する可能性があります。

まず応急処置をおこなってから動物病院に向かいましょう。

▼飼い主さんができる応急処置

・風通しがよい涼しい場所で休ませる

・意識があれば常温の水を飲ませる

・濡れタオルで体全体を冷やして風を送る

・体全体を冷やした後、首、わきの下、内股など太い血管が通っている箇所を冷やす

▼応急処置の注意点

応急処置の際に冷水や氷を使うと末梢血管が収縮して、逆に体温が下がりにくくなり臓器にダメージがいきやすくなるそうです。

冷やすときは常温(体温より低ければOK)の水で冷やすようにしましょう。

また、冷やしすぎるとかえって低体温をまねきます。

体温が39.5度以下になったら冷やすのをやめましょう。

・応急処置が終わったら動物病院に電話して向かう

応急処置が終わったらすぐにかかりつけの動物病院に電話をしましょう(外出中の場合は最寄りの動物病院へ)。

その際に伝えてほしいことが「3つ」あります。

▼動物病院に伝えること

①熱中症をおこしている可能性がある

➁愛犬の症状を簡潔に

③動物病院に到着する時間

先ほどお話したように熱中症は処置が遅れると命の危険がある病気です。

愛犬の状態によっては一刻を争うという場合もあるので、事前に電話をしておくと動物病院側はスムーズに受け入れをすることができます。

▼元気になっても動物病院に行ったほうがいいの?

応急処置で愛犬が元気になったとしても、念のため動物病院に行きましょう。

見た目でわからない臓器のダメージを受けている可能性があります。

夜や翌日に急に容体が急変するという場合もあるので、一度診てもらうと安心です。

隠れ熱中症にかかっている犬は実は多い?!

これまで熱中症の対処法をお話してきましたが、実際に熱中症にかかる犬はどのくらいいるのでしょうか。

同アンケートで「愛犬が熱中症になったことはありますか?」という質問に対し「熱中症になったことがある」と答えたのは8.4%でした。

▼愛犬は熱中症になったことはありますか?

愛犬が熱中症になったことはある? 

「ない」91.6%

「ある」8.4%

この数字だけ見ると熱中症にかかる犬は少ないように感じますが、夏バテや熱中症に関するエピソードを見ていくと、実際は数字以上に熱中症にかかっていた子が多かったのではないかと推察されます。

▼「熱中症になったことはない」と回答した方のエピソード

・熱中症ではないですが、夏に散歩の帰宅後にペットがグタっとしてしまった事がある

・夏キャンプに連れて行った際に息が荒くなり日陰の土の上でぐったりしていた

・日中の暑い時間帯に散歩をしてしまい、帰宅後ぐったりしてしまった

・真夏に大きな公園に行き、元気に走り回っていたのですが途中ぐったりしご飯を食べなくなりました

▲https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000175.000068228.html から一部抜粋

「ぐったり」というキーワードが頻繁に出てきていますが、息が荒くなるのも急にぐったりするのも、実は熱中症の症状です。

飼い主さんが気づいていない隠れ熱中症を引き起こしていた犬はもっと多かったのかもしれません。

熱中症の症状を見落とすと、重症化してしまうケースもあるので、愛犬からのサインを見落とさないようにしましょう。

今回のアンケート結果を見ると犬の熱中症の対処法はまだまだ浸透していないことがわかりました。

いざというときに愛犬の命を守る行動ができるように、この機会に熱中症の対処法をぜひ覚えてみてくださいね。

<参考URL>

愛犬の熱中症・暑さ対策は大丈夫?暑さ対策をしている飼い主は9割以上だが応急処置を知らない飼い主は〇%も!
>https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000175.000068228.html

<参考書籍>

小動物獣医看護学 小動物看護の基本と実践ガイド  上巻下巻

D.R.レイン (著)B.ク-パ- (著) 西田利穂 (著)

動物看護コアテキスト[第3版]5 臨床動物看護学Ⅱ

動物看護コアテキスト編集委員会

<画像元>

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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