四季折々の姿を持つ日本では、春から秋にかけて、様々な虫や昆虫が発生し、散歩の途中で見掛けることも多いかと思います。
見た目からして危険だと感じられる虫なら、対処のしようもあるかもしれませんが、人にとっては大して害もないと思えるような虫が、実は犬には害だったということも珍しくありません。
本日は、犬がノミ・ダニ以外に気を付けたい、犬が接触すると危険な『虫』5選と接触させないための対処法をご紹介します。
基本的に犬が気を付けた方が良い『虫』とは?
通常、犬を迎えた場合に気を付けた方が良いと言われている『虫』と言ったら、皆さんはどんなものをイメージしますか?
基本的に、犬を迎えた際に気を付けた方が良い『虫』は、犬回“虫”、瓜実条“虫”、犬鞭“虫”、毛包“虫”などの主に内部寄生虫と、ノミ、ダニなどの外部寄生虫と呼ばれる『虫』がほとんどです。
そのため、ノミやダニが活発に活動し始める春からは、フィラリア症と言われる犬糸状虫の駆除薬と併せてノミやダニを駆除できる駆虫薬を動物病院で購入する人が多いと思います。
しかし、その駆虫薬はあくまでフィラリア症予防及びノミ・マダニ駆除だったり、服用させる駆虫薬の種類によって犬回虫や犬鉤虫、犬鞭虫だったり、一般的には犬が感染してしまうと厄介な寄生虫にのみ効果が発揮されるので、それ以外の接触をすると危険な『虫』については効果がありません。
基本的に犬が気を付けておいた方が良い寄生虫対策には、当然動物病院から処方される駆虫薬を与える必要がありますが、愛犬も一緒に頻繁にキャンプやグランピング、山登りなどをされる飼い主さんについては、これからご紹介する犬が接触すると危険な『虫』5選を参考の上、それとは別に対策をするように心掛けてください。
犬が接触すると危険な『虫』5選!
それでは、犬が寄生虫以外に気を付けておきたい、接触すると危険な『虫』5選をご紹介します。
▼【犬が接触すると危険な『虫』】
①ハエ
②ブユ
③スズメバチ
④ムカデ
⑤チャドクガ
①犬が接触すると危険な『虫』その1:ハエ
家の中のごみ箱や屋外など、ありとあらゆるところから姿を見せるハエ。
人からしてみたら、たいして危険性もないように見えるハエですが、実は犬にとってハエという『虫』は、危険をはらんでいる虫なんです。
ハエは犬の体表に卵を産み付け、その卵から孵ったウジが皮膚を食い破って皮下組織を傷付けることで、犬はひどい痛みに苦しみます。
基本的には屋外で飼養されて免疫低下している犬や何らかの理由で体表に傷がついてしまった犬に、ハエが卵を産み付けると発症することが知られており、この症状の事を『ハエウジ症』と言います。
②犬が接触すると危険な『虫』その2:ブユ
ブユは高原や山間の渓谷域に生息することが知られており、雌だけが産卵のために吸血する『虫』です。
ブユに咬まれた際には蚊と同様麻酔成分を含んだ毒素を犬の体内に出し、感覚を麻痺させるため、咬まれてすぐはかゆみや痛みはそれほど感じませんが、その半日後くらいからは、発疹、徐々に痒みが増し、どんどん痒みが酷くなるのが特徴です。
そのため、アウトドアを好む飼い主さんは、むやみに藪の中や雑木林を愛犬と一緒に歩くことはしないように注意しましょう。
③犬が接触すると危険な『虫』その3:スズメバチ
ハチにはミツバチやクマンバチ、スズメバチなど様々な種類が存在します。
その中でもスズメバチは特に人にとっても危険な『虫』なので、容易に愛犬を近づけたり、自分から近づこうとしたりすることはないと思いますが、スズメバチは一度刺された場合、強烈な痛みや腫れが生じ、二度目については最悪死亡する可能性がある『アナフィラキシーショック』を発症する危険性があります。
④犬が接触すると危険な『虫』その4:ムカデ
散歩中だけではなくガーデニングをしている時にも見掛けることがあるムカデもまた、人及び犬にとって危険な『虫』の一種です。
ムカデは通常屋外に生息していることが普通ですが、エサを求めて度々屋内に侵入してくることがある『虫』です。
そのため、そういった時に愛犬と鉢合わせて興味本位で近づいた愛犬が咬まれてしまうと、激痛が走ります。
ムカデの持っている毒はハチの持っている毒と同様のため、咬まれないためにも、しっかりと戸締りをしましょう。
⑤犬が接触すると危険な『虫』その5:チャドクガ
卵から成虫に至るまでどの状態であっても毒を持ち続けるチャドクガは、犬だけではなく人においても接触すると危険な『虫』の一つです。
チャドクガの毒針が愛犬の体表に付いた場合、基本的には密生したその被毛で守られることも多いですが、万が一その毒針が皮膚に接触してしまった時には、かゆみや腫れ、赤みなどが見られるようになります。
チャドクガの幼虫はいわゆる一般的な毛虫の事を指すことが多い『虫』で、生息時期は主に4月~6月の春の時期と8月~9月の夏の時期の2回発生するため、その間は特に注意が必要です。
愛犬を危険な『虫』に接触させないための対処法
愛犬を危険な『虫』に接触させないためには、まず大前提として愛犬をその『虫』に近寄らせないようにすることが大切です。
それでも中には好奇心旺盛なワンちゃんも居ることと思います。そう言った場合には、事前に愛犬に無害な虫除けスプレーをかけて対処したり、虫に刺されないために薄手で構わないので洋服を着せたりすることで対処しましょう。
ムカデについては、ハッカやヒノキ、ローズマリーといったハーブ系の匂いを苦手としているため、アロマオイルやスプレーにして吹きかけるといった方法も効果的だと思います。
また、チャドクガについてはツバキの葉っぱに良く見られることが多いので、散歩コースでツバキがある場所を通るならそこを通るのは避け、万が一何らかの理由で愛犬に毒針が付いているのを発見した際には、素手でその毒針を取ろうとするのではなく、ガムテープやセロファンテープでそっと斜めに抑えて取り除くように注意してください。
ノミ・ダニ・蚊にも十分ご注意を!
犬を迎えている方なら当然の事かもしれませんが、ノミやダニ、蚊も、愛犬にとってはとても危険な『虫』です。
ノミやダニは人畜共通感染症であり、咬まれてしまうとかゆみや痛み、皮膚炎などの症状が表れ、もしも感染していることが分かった時には、生活環境から駆除し、改善していくほかありません。
また、蚊から刺されることで移ってしまうフィラリア症についても、フィラリアを媒介している蚊がもしも愛犬を刺した場合には、しっかりと対処をしないと最悪は死に至ってしまうことがある大変危険な病気です。
ノミ・ダニ・蚊については、冒頭でもお伝えした通り、今では一つの駆虫薬で回虫や鉤虫、鞭虫までも駆除できるものが動物病院で手に入るため、しっかりと対策をして、それと併せて犬が接触すると危険な『虫』への対策も講じてあげてください。
まとめ
本来愛犬が移ってしまうと危険だとされている寄生虫だけではなく、日常生活においても愛犬が接触してしまうと危険な虫は数多く存在します。
虫から愛犬を守るためには、1年の内に約10か月間続く駆虫薬の投与や虫除けグッズを用意するなど、心掛けることが大切です。
そして同時に、虫が良く生息する場所に無暗に近寄らないことも愛犬を守るためにはとても重要な事なので、愛犬とアウトドアを楽しむ時には、事前に十分対策して、愛犬との楽しい時間を過ごしてあげてください。
<参考書籍>
もっともくわしいイヌの病気百科 犬の病気・ケガの知識と治療
<参考サイト>
アース製薬|噛まれると直後に激痛!ムカデの侵入を予防するポイント。
>https://www.earth.jp/gaichu/wisdom/mukade/article_001.html
奈良市|毛虫(チャドクガの幼虫)に注意しましょう!
>https://www.city.nara.lg.jp/site/kankyo-eisei/7956.html
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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