愛犬が他の人にピョンピョン飛びついたり、人の膝やお腹に向かって前足をかける行動をとって、気まずい思いをしたことはありませんか?
家族内や飼い主さんだけであれば「かわいい」で終わる行動かもしれませんが、他の人にも同じ行動をとってしまうとトラブルになってしまう可能性があります。
今回は、「犬が人に飛びつく理由」と「飛びつきを止めさせるための対策」をご紹介しますので、愛犬のトレーニングにぜひお役立てください。
愛犬が人に飛びつくのはなぜ?
愛犬が人に飛びついてしまう理由はいったいなんでしょうか。
理由はいろいろと考えられますが、ポイントは「2つ」あります。
▼犬が人に飛びつく理由は?
①興奮している
➁犬にとって良いことが起きる
飛びつきが起きるシーンは、「大好きな人が近づいてきた」「挨拶を早くしたい」など犬が嬉しくて興奮している場合が多いです。
その興奮している時にたまたま人に飛びついてみたら「声をかけてくれた」「撫でてくれた」といった犬にとって嬉しいことが起きると、犬は「飛びついたら良い事が起こった」と学習してしまいます。
1度覚えた事は何度も繰り返されると、より強化されていきます。
「愛犬がじゃれてきたので頭を撫でた」「他の飼い主さんに飛びついたら愛犬を撫でてくれた」のように、日常の中で飛びつくことを強化しているシーンは意外と多いです。
犬の中では「嬉しいときは飛びつくもの」と学習されているので、飼い主さんが「飛びつくのは止めようね」と教えるまで、犬はその行動を取り続けます。
愛犬が人に飛びつくのを止めさせた方が良い理由
飼い主さんにとっては飛びつきは可愛らしい行動かもしれませんが、飛びつきが原因でトラブルに発展することは意外と多いです。
下の図は、ペット保険のアニコム損保が発表したペットの事故の分類と発生状況のグラフです。
グラフを見ていくと、「人に噛みつく」「人に飛びついて怪我をさせる」といった対人事故の件数が一番多いことがわかります。
犬側に悪気はなかったとしても、飛びつかれた人が転倒や犬の爪などで怪我をしてしまうと、飼い主さんに賠償責任が発生してしまうことがあります。
▼飛びつきを止めさせた方が良い理由
・相手の服が汚れる
・子供や高齢者だと大怪我になりやすい
・犬が苦手で近寄って欲しくない人もいる
・妊娠や怪我をしている人もいるので、飛びついたら危険
仲が良かったり相手が笑っていると「飛びついたけど大丈夫かな」と思いがちですが、犬に飛びつかれるのは嫌だと感じている方は多いです。
トラブルを招かないためにも、愛犬の飛びつき癖を無くすようにしましょう。
人に飛びつかせないための対策は?
では、愛犬に飛びつき癖を無くしてもらうには、どうしたら良いのでしょうか。
対策は「2つ」あります。
▼飛びつかせないための対策は?
①相手と距離を空ける
➁取ってほしい行動を教える
①相手と距離を空ける
愛犬が人に飛びつきやすいという傾向がわかっているのであれば、「人がきたら道を変える」「すれ違いは犬を道の端に寄せて距離を空ける」など、物理的に距離を取るようにしましょう。
飛びつく回数が多ければ多いほど、行動は強化されてしまいます。
まずは「飛びつきがおきる」というシチュエーションを無くしていくということが大切です。
➁取ってほしい行動を教える
愛犬に「飛びつくのではなく別の事をしてほしい」と教えていきましょう。
例えば、人と会う時は「おすわりをする」という方法です。
人と対面する前に飼い主さんが目の前に立ち「おすわり」をさせます。
指示に従ったら褒めてオヤツをあげましょう。
また訓練に協力してくれる方がいたら、おすわりをしている間は人が近づく、お尻をあげたら人が遠ざかるというトレーニングをすると「おすわりをしていれば人が近づいてきてくれる」と学習することができます。
訓練中にやってはいけないNG行動は?
飛びつかせないための対策をお話ししましたが、逆に訓練中にやってはいけないNG行動もあります。
▼やってはいけないNG行動
・適切なタイミングで褒めない
・ときどき飛びつきを許している
愛犬がきちんと飛びつかずに過ごせたり、おすわりをしたらすかさず褒めてオヤツをあげましょう。
褒めるタイミングが遅かったり、犬が適切な行動を取ったのに褒められないと何が正解なのかわからず犬が混乱してしまいます。
また訓練中に「今日はまぁいいか」と飛びつきを許したり、人によって飛びつきを許したりするのも止めましょう。
こちらも何が正解かわからず、犬が混乱する原因になります。
人への飛びつきを抑制していないと、いつか大きな事故を招いてしまうかもしれません。
特に小型犬や子犬の飛びつきを問題視していない飼い主さんは多いです。
トラブルを起こす前に今回ご紹介した内容を参考に飛びつかないための対策を取ってみてくださいね。
<参考URL>
アニコム家庭どうぶつ白書mini3
>https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_202203_3.pdf
<参考書籍>
ドッグ・トレーナーに必要な 「犬に信頼される」テクニック/ヴィベケ・リーセ 藤田 りか子 (著)
<画像元>
写真AC
Unsplash
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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