梅雨時期も本番を迎える6月。
飼い主さんにとって憂鬱になってしまう日課として挙げられるのは、やはり愛犬のお散歩ではないでしょうか?
大型犬や中型犬、小型犬であってもミニチュア・シュナウザーやイタリアン・グレーハウンド、ミニチュア・ダックスフンドなどは比較的運動量が多いと言われています。
そこで今回は、梅雨の散歩の必要性や雨の日散歩の注意しておきたいお手入れ方法や病気などをご紹介します。
雨の日のお散歩に行かないと答えた人は6割以上!
雨の日や梅雨時期の散歩というと、なかなか行きたがらないワンちゃんも多いと思いますが、それは飼い主側に立つ私たち人も同じで、「梅雨時の愛犬との過ごし方」アンケート結果では、犬種別に見ても全体の66.1%もの愛犬や人が「散歩には行かない」と回答しています。(アニコム損害保険株式会社様による統計)
出典元:https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2021/news_0210603.html
中でもマルチーズは88.4%が、ダックスフンドは88.3%が雨の日の散歩に行かない傾向が強いようですね。
では、このように犬種別でも違いが出てくる梅雨の日の散歩で、行かないとしている理由は何でしょうか?
雨の日散歩は愛犬自身も嫌がる場合が多い
これだけの多くの人や犬が雨の日散歩に行かない理由第1位は、「家の中で排泄が出来るから」という回答が27.5%と最も多く、第2位に「散歩後のケアが大変だから」、第3位が「毛が濡れるのが(飼い主が)嫌だから」という結果でした。
出典元:https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2021/news_0210603.html
しかし、僅差で第4位ランクインしている「愛犬が行きたがらないから」という理由には、飼い主さんご自身というよりも愛犬の意思を尊重しての行動の表れで、愛情が感じられます。
愛犬がもしも雨の日の散歩を嫌がるのであれば、無理して散歩に連れていく必要はありません。
ただし、中には外でしか排泄をしないというワンちゃんも存在し、そういったワンちゃんはしつけで改善出来る子もいれば、そうでない子もいます。
ですので、まずは愛犬のおトイレ事情をよく観察した上で、それでも外でしか排泄しない場合に限って、臨機応変に雨の日の散歩に連れて行くのが良いでしょう。
梅雨時期散歩に必要な犬のお手入れ
先にお伝えした「【犬種別】雨の日に散歩に行かない割合」の中にある、トイ・プードル、ミニチュア・シュナウザーやゴールデン・レトリバーなどは長毛犬種に当たります。
長毛犬種は短毛犬種とは別に散歩前にも気を付けておいた方がいい雨の日の散歩対策があるので、まずは犬種に対する散歩前のお手入れから確認してみましょう。
梅雨時期の散歩お手入れ① 足裏の被毛ケア
短毛犬種の場合、足裏のパッド(肉球)の間の被毛はそこまで伸びることもないため、散歩後のケアとして足裏の水気をしっかり取り除くことが大切になってきますが、長毛犬種に至っては、散歩に出かける前からの足裏チェックが必要になる場合があります。
というのも、長毛犬種はパッド(肉球)の間にある被毛も体の被毛と同じく長いため、雨の日の地面と接した際に、誤って滑ってしまう可能性があり、大変危険です。
また、被毛が伸びたまま雨に濡れると、愛犬自身が不快な思いをしてしまう可能性もあるため、長毛犬種の梅雨散歩は、事前にパッドの間の被毛をお手入れしておきましょう。
梅雨時期の散歩お手入れ② レインコート着用
服に抵抗がない場合には愛犬にレインコートを着せ、出来る限り愛犬の体温を低下させないように気を付けてあげてください。
特に小型犬に関しては、体が濡れると体温を奪われやすい傾向が強いので、注意してあげてください。
また、飼い主さん自身も傘ではなく、レインコートを着て、足元はレインブーツを履くなどして転倒を防止するのがおすすめです。
レインコートは雨の日以外必要としないアイテムの上、防水機能などの機能性を重視した結果、伸縮性に欠けるものも存在するので、普段愛犬が着用している洋服と同じくらいのサイズを選ばないように注意し、出来る限り愛犬の被毛が濡れないような状態を作ってあげましょう。
梅雨時期の散歩お手入れ③ しっかり体を拭く
例えレインコートを着用していて少しの距離だと思っても、雨の日の散歩は思った以上に愛犬の体が濡れていることは珍しくありません。
筆者の愛犬の柴犬も、普段レインコートを着用させて散歩に行きますが、やはりそれでも体は濡れてしまうものです。
そのため、散歩から帰った時には、犬用に用意したバスタオルなどで十分に体の水気を拭き取り、しっかりと被毛を乾かしてあげましょう。
被毛が生乾きだと、皮膚疾患を持ちやすい犬種などは病気を発症、悪化させてしまう原因にもなるので、特に注意することが大切です。
梅雨時期に注意しておきたい犬の病気とは?
それでは、犬が実際に梅雨の季節に注意しておきたい病気には、一体どんなものがあるのでしょうか?
ご自身の愛犬の犬種と照らし合わせて、もしも当てはまるようなら、早めの内に動物病院で診てもらうといった対処を取ってあげてください。
皮膚疾患
梅雨時期に愛犬に対して体調面で気になる症状と言えば、やはり印象深いのはアトピー性やアレルギー性を伴う皮膚疾患ではないでしょうか。
筆者が2代目に飼養したシェルティーも、マラセチア菌による皮膚疾患を抱えていて、梅雨時期の高温多湿な季節になると、決まって激しい痒みに襲われていました。
これらの皮膚疾患については雨の中での散歩後の不十分な体の乾燥はもちろんですが、それとは無関係に高温多湿下の状況でも十分に起こりうる疾患です。
皮膚疾患が発症しやすいと言われているフレンチ・ブルドッグやパグ、シー・ズー、ゴールデン・レトリバー、ダルメシアン、ウエストハイランド・ホワイトテリア、柴犬などは特に注意してあげてください。
感染症(レプトスピラ症)
雨の降りやすい梅雨の散歩で気を付けておきたいものに、レプトスピラ症という感染症があります。
レプトスピラ症とは、ドブネズミが保菌しており、人にも感染する人畜共通感染症の一種です。
主にドブネズミの尿から排泄されるレプトスピラ菌は、人や犬の皮膚に触れただけで感染する感染力を持っており、犬がドブネズミの尿を含む汚染された水場などを誤って歩いて感染してしまうと、最悪死に至るほど致死率が高い感染症とされています。
一般的には河川敷のそばや愛犬を水溜まりなどに近づけさせない事、混合ワクチンを打つことで回避することが出来ます。
食中毒
食中毒は、愛犬だけではなく、私たち人にとっても注意が必要な消化器トラブルの一つだと思います。
梅雨時期から夏場にかけてのこの季節は、犬の消化機能も衰えてしまうため、散歩中の拾い食いによる食中毒は要注意です。
また、帰宅後の飲み水についても注意が必要です。見た目からあまり悪くなっているように見えないことが多いため、ついつい交換するのを忘れてしまいがちですが、フードが開けた瞬間から酸化が始まり、雑菌が付着しやすくなってしまうように、飲み水も愛犬の唾液が混ざると雑菌が繁殖してしまい、食中毒の原因になる場合があるので、こまめな交換を心掛けましょう。
まとめ
いかがでしたか?
ジメっとした梅雨時期の散歩は、必ずしも必要ではないものの、病気などについては散歩とは関係なしに気を付けてあげたい内容だったのではないでしょうか?
おおよそ1カ月という期間の梅雨の季節ではありますが、散歩に行けない、行かない場合の対処としては、十分な室内遊びで体を動かすなどして、ストレス発散をさせてあげてくださいね。
<参考書籍>
イラストでわかりやすい!愛犬との絆がぐーっと深まる本
もっともっとわんこを愛したいあなたへ 犬語レッスン帖
最新版 愛犬の病気百科 気になる初期症状から最新医療までがわかる
<参考サイト>
アニコム損害保険株式会社|「梅雨時の愛犬との過ごし方」アンケート結果発表!雨だと散歩に行かない派が6割以上。増加する愛犬とのおうち時間を、快適に過ごす工夫も
>https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2021/news_0210603.html
DSDC犬と猫の皮膚科|梅雨と皮膚
>https://animal-skin.jp/seasonal/2016-06-03.html
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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