人間の体に良いものが犬にとっても良いというわけではありません。ぶどうもその一つ。
ぶどうはビタミンやポリフェノールが多く含まれており、愛犬にも健康のために食べさせてあげたい果物ですが、与えることはとても危険です!
犬にチョコレートや玉ねぎが危険なのは有名ですが、ぶどうも同じくらい危険だということが近年わかってきました。
犬にぶどうを与えると「ぶどう中毒」を引き起こし死に至る危険があります。犬と「ぶどう中毒」について詳しく見ていきましょう。
<目次>
とっても危険!犬のぶどう中毒の症状とは?
犬がぶどうを食べてしまうと急性腎不全や下痢などの「ぶどう中毒」を引き起こします。どのくらいの量を食べてしまうと犬が中毒に陥るかは現在わかっていません。
ぶどう中毒が起こる量は犬の個体によって異なるため、食べさせてみないとわからないといった所ですが、食べさせるのはあまりにも危険です。最悪の場合、食べて1日で死亡する例もあります。
では、犬の「ぶどう中毒」にはどんな症状が現れるのでしょうか?
【犬のぶどう中毒の症状】
・急性腎不全
・腹痛
・食欲不振
・下痢や嘔吐
・多尿
・無尿(尿が出ない)
・呼吸困難
・むくみ
・黄疸や血便
・痙攣
犬がぶどうを食べるとこれらのような症状が出ます。その症状のほとんどが急性腎不全に関連しています。
ぶどうを摂取して6~24時間以内に起こる症状とされています。急性腎不全が悪化するとおしっこが出にくくなり尿中の毒素が体に回り尿毒症を引き起こし、最悪の場合、死に至ります。
犬にぶどうを与えてはいけない理由とは?
犬にとってぶどうが危険な果物のひとつだと知られるようになったのはここ最近のことです。
アメリカで犬のぶどう中毒の例が2001年に10件、2005年に43件報告されてから、日本でも2010年に犬のぶどう中毒が1例報告されました。これによってぶどうが犬にとって危険であるということが知られるようになりました。
犬がぶどうを食べると、急性腎不全や下痢、嘔吐などの中毒症状を引き起こし最悪の場合は死に至ることもあるため絶対に食べさせてはいけません。誤飲や盗食にも注意が必要です。
少しずつ明らかになってきている犬とぶどうの危険な関係ですが、ぶどうの何が原因で犬が中毒症状を引き起こすのか未だ原因物質は明らかになっていません。
しかし、ぶどうの果肉より皮を食べる事で中毒になりやすいことがわかっており、農薬やカビ、殺虫剤なども疑われています。
犬にとってどんな種類の「ぶどう」が危険なの?
犬に与えて良いぶどうの種類はありません。全ての「ぶどう」が危険であり、皮を剥いても変わりません。
巨峰やシャインマスカット、デラウェアも危険です。赤いぶどうも青いぶどうもレーズンなどの干しぶどうも含め全ての種類のぶどうが犬にとっては危険です。
生のぶどうより「ぶどうジュース」はさらに危険ですので間違っても飲ませてはいけません。
ナッツやシリアル、アイス、ビスケット、ジャム、パンにもレーズンやぶどうが入っていることがあるので要注意です。
愛犬と一緒にぶどう狩りや自宅の庭にぶどうを育てている場合は、地面に落ちたぶどうの誤食に注意する必要があります。
愛犬がぶどうを食べてしまった時の対処法とは?
もし愛犬が間違ってぶどうを食べてしまったら、症状によっては30分以内なら胃の洗浄ができる場合があります。気がついたらすぐに動物病院へ連れていきましょう。
残念ながら、ぶどう中毒にはいまのところ確立した治療法はないため、中毒症状がある場合、急性腎不全の治療対応をするしかありません。
一刻も早く治療を始めないと命にかかわることなので、ぶどうを食べたことがわかったら、症状がすぐに出ていなくても獣医師にみてもらうことをおすすめします。
まとめ
犬にぶどうを与えると「ぶどう中毒」を引き起こし、急性腎不全で命を落とすこともあります。
人間にはとっても美味しい秋の味覚のぶどうが犬にとってはとても危険な食べ物だとは驚いた方もいるのでは?犬にぶどうが危険な食べ物であることは、環境省の「飼い主のためのドッグフード・ガイドライン」にも記載されています。
今は9割近くの飼い主さんに周知されているため、犬にぶどうを知らずに与えてしまった症例は少ないようですが、誤食や盗食での中毒が多いため、普段の生活で犬の近くにぶどうを置かないように注意することが大切です。
犬にぶどうが危険なことを知らない飼い主さんには是非教えてあげてくださいね。
<参考URL:岩手県獣医師会臨床レポート(ぶどう中毒を発症した犬の考察)https://www.ivma.jp/promotion/magazine/document/44-2/02_44_2_clinicalreport.pdf>
<参考URL:日本獣医師会 短報(ぶどう接種後に急性腎不全を発症して死亡した犬の1例) http://nichiju.lin.gr.jp/mag/06311/c1.pdf>
<参考URL:環境省(飼い主のためのペットフード・ガイドライン)https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide_1808/pdf/full.pdf>
<参考書籍:4歳からはじめる愛犬の健康生活習慣 三浦裕子・伊藤みのり (著)>
フラワーアレンジメント講師
2人の息子の母
実家でパグの出産、育児を経験し、
現在はトイプードルの男の子と暮らしています。
みなさまの愛犬にお役に立てる情報を発信していきたいです。
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