多頭飼いや他の犬と遊ぶときに、犬同士の相性はとても大切です。
人間と同様、犬同士にも相性が良い場合と悪い場合があります。
もし相性が悪い犬と遊んだり一緒に住んだりすると、嫌な思いをしたりケンカになりかねません。
愛犬と相性が良い悪いを見るときに、どういったことに気をつければいいのか一緒に学んでいきましょう。
犬同士で相性がいいってどういうこと?
どんな犬にもフレンドリーで相手に上手に合わせられる犬もいますが、すべての犬がお互いに関心をもったり、仲良くできるわけではありません。
では犬同士で相性が合う、合わないとはどういうことをいうのでしょうか。
▼犬同士で「相性」が合うとは?
・同じような性格をしているか
・相手が嫌がることをしない
犬の性格はその犬が生まれ持った気質と育った環境によって形成されると言われています。
群れの中心で騒ぎたい子、1匹の時間を大切にする子、のんびりしている子など、人と同じでさまざまな性格の犬がいます。
そのため、他の犬が通っただけで吠えてしまうような臆病な性格の子に社交的な性格の子が「遊ぼうよ」と誘いに行ってもなかなかうまくいきませんし、「怖いから私に近寄らないで」とケンカに発展するかもしれません。
同じような性格をしている犬同士の方が波長が合いやすく、上手にコミュニケーションを取れる可能性が高くなります。
また、相手の犬の仕草を読むのが上手な犬は、相手の犬が「嫌がっているな」「怖がっているな」という気持ちを上手に汲み取ってくれます。
相手の嫌がることをしないので、相手に嫌われたりケンカに発展しにくいです。
犬種によって遊び方にも差がある?!
先ほど、性格が似ている方が相性が合いやすいとお話ししましたが、同じく好きな遊びが似ている方が相性は合いやすいです。
実は犬種によって好む遊びに差があります。
マスティフ系やブル系は走り回るよりも引っ張りっこをしたり、他の犬に飛びついて取っ組み合いの遊びをするのを好みますが、ボーダーコリーのような牧羊犬の場合、忍び寄ったり走り回る遊びが大好きですし、遊びながら歯を見せたり唸ったりする子もいます。
また、テリア系の犬はキビキビと活発に動き回ったり勢いのある取っ組み合いをするのが大好きです。
同じような動きや遊び方ができるのなら良いのですが、好む遊びに差があると「この子の遊びは乱暴すぎて嫌だなぁ」「この子とは動きが嚙み合わなくて退屈だなぁ」とお互いに楽しく遊べません。
また、犬のボディランゲージ(体全体で自分の気持ちを表現する方法)は犬種によって多少差があるので、コミュニケーションの一種で歯を見せたり唸ったりしたのに「自分に敵意がある」と勘違いされて、ケンカに発展してしまう事もあります。
犬の相性には体格や運動量にも要注意!
犬同士の相性には性格や遊び方も重要な要素ですが、体格や運動量にも気をつけなければいけません。
犬には多かれ少なかれ狩猟本能があります。
遊んでいるうちに体格が小さい犬のチョコチョコとした動きに、狩猟のスイッチが「パチン」と入ってしまい思わぬケガを招いてしまうこともあります。
また、運動量や持っている体力に差があると、遊びや運動のときにお互い負担になってしまいます。
できれば体格は同じくらいの子とコミュニケーションを取らせるようにして、体格差がありすぎるときは十分注意しましょう。
相性の良い犬の組み合わせは?
さて、今までの内容で犬種によって遊び方に差があったり、性格や動きが似ている犬同士の方が相性が良いことがお分かり頂けたと思います。
それでは、相性の良い犬の組み合わせはあるのでしょうか。
一般的には、同じ犬種同士の組み合わせが一番相性が良いと言われています。
しかし、同じ犬種でも体格差がある場合には注意が必要ですし、同じ犬種同士でも仲良くなれない場合もあります。
この犬種とこの犬種は必ず相性が良いということはないので、愛犬との相性を見るときは、「同じ犬種がどうか」「体格差はないか」「同じような動きや性格をしているか」などを目安に判断すると良いでしょう。
犬同士は相性が大切とよく言いますが、どこをみると相性が良いと判断できるのがを探るのはとても難しいですね。
犬のことは犬に任せてという考え方もありますが、「この子とは相性がいいかな?」と飼い主さんがワンクッション挟むだけで、愛犬が嫌な思いをする機会をグッと減らすことができます。
多頭飼いをする時や犬のお友達と触れ合わせるときに、今回紹介したことをぜひ参考にしてみてくださいね。
<参考書籍>
ドッグ・トレーナーに必要な「複数の犬を同時に扱う」テクニック (著)ヴィベケ・リーセ 藤田 りか子
<参考URL>
行動遺伝学 東京大学獣医動物行動学研究室
>http://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/koudou/files/VCNA.pdf
<画像元>
Unsplash
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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