急に愛犬がドッグフード(ご飯)を食べなくなると「どうしたんだろう」と不安になってしまいますね。
わんちゃんがドッグフード(ご飯)を食べたがらない時には必ず理由があります。
考えられる原因と対処法を一緒に学んでいきましょう!
<目次>
「食べない=わがまま」だけではない
ドッグフード(ご飯)の匂いを嗅くだけで食べなかったり、ドッグフード(ご飯)を残してしまう様子を見ると、わがままなのかなと感じてしまいますね。
よく元気があって体に異常が無いようであれば、わがままだからすぐに食事を下げてくださいと聞きます。
確かにわがままでドッグフード(ご飯)を食べない場合もあるのですが、「ドッグフードに違和感を感じた」「ドッグフードが年齢に合わなくなった」「単にお腹が空いていなかった」など、わがまま以外にも色々な原因が考えられます。
わがままだから食べないと決めつけてしまうと、他の可能性に気づくことができませんし、対処方法も間違ってしまいます。
わんちゃんがドッグフード(ご飯)を食べなかったり、頻繁に残すのには必ず理由があるので、いろいろな方面から解決策を探っていくことが大切ですね。
食べない理由① 食事の量が愛犬に合っていない
皆さん、愛犬の食事の量はどのように決めていますか?
ドッグフードのパッケージをみて、体重ごとの給餌量を与えている方が多いと思います。
パッケージの記載は、あくまで一般的な給餌量なので、必ずしも愛犬に合っている量ではありません。
頻繁に食事を残す、あまり食べないのに理想の体形がキープできている、もしくは太っているという場合は、給餌量が愛犬に合っていないのかもしれません。
食べない理由➁ 病気になっている
体調が悪くなると、食欲にも変化が現れます。
例えば呼吸器にトラブルが出ると、匂いが感じにくくなるため食欲がわきませんし、胃腸炎になると吐き気や下痢が起こって食事を嫌がります。
また、寄生虫に感染した場合や誤飲をした場合にも症状として食欲不振がでてきます。
食事を拒否する裏には、思わぬ病気が隠れていることも覚えておきましょう。
食べない理由➂ 愛犬の口に異常がある
歯ぐきが腫れている、歯がぐらついている、口の中に腫瘍ができているなど、口に異常がある場合も痛みや違和感から食事を嫌がることがあります。
アニコム パフェ株式会社が行った犬の歯科検診の調査によると、3歳以上の犬の80%以上(全780頭)に歯垢の沈着や歯石が確認され、飼い主さんが気づいていない歯周病の予備軍が多かったそうです。
口の中のトラブルはわんちゃんにとって、非常に身近な問題だといえます。
ドッグフード(ご飯)を食べないことが口の中に異常が出ていることを知らせる、わんちゃんからのサインかもしれません。
食べない理由④ ドッグフードに違和感を感じる
わんちゃんは人の何倍も嗅覚が鋭い生き物です。
人には感じ取れないペットフードの傷みや違和感を感じて、食べないのかもしれません。
残念なことにペットフードのリコールは後をたちませんし、人の基準に比べてペットフードは規制や基準がまだまだ緩いのが現状です。
飼い主さんは良いペットフードと思っていても、食いつきをよくするために脂を添加しており酸化しやすくなっている、見た目をよくするために着色している、添加物を使用しているなど、わんちゃんからすると口に入れたくないペットフードになっているのかもしれません。
食べない理由➄ いつも愛犬の要求に従っている
わんちゃんがドッグフード(ご飯)を食べなかったら「お腹がすいたよね?」とオヤツや人の食べ物を与えていませんか?
食べ物(報酬)がもらえるとわんちゃんは強く学習します。(美味しい物だったら特に)
つまりドッグフード(ご飯)を食べなければ、もっとおいしいものがもらえると覚えてしまうのです。
その時にわんちゃんが吠えたり手で突くなど、アクションをとってオヤツが出てくると、余計に要求すればもっと美味しいものが出てくると覚えてしまいます。
食べない理由⑥ ストレスを感じている
人と同じくストレスを感じていると食欲が低下します。
例えば引っ越しをして環境が変わった、食べきるまでジーっと見つめている、花火や雷など大きな音がしている、家族構成が変わった、などでもストレスを感じてドッグフード(ご飯)を食べなくなることがあります。
食べない理由➆ 愛犬のライフステージに合っていない
年齢が上がるにつれて消化能力が落ちてきたり、食の嗜好が変わってきたりします。
若いとき用のペットフードは運動をたくさんすることが前提なので、たんぱく質や脂肪も若い子向けに入っています。
年齢が上がると運動量も少なくなりますし、消化能力も落ちるので、若い子向けのペットフードが体に合わなくて嫌がることがあります。
食べない理由⑧ 愛犬の好みに合っていない
人と同じようにわんちゃんによって好きな触感や温度は違います。
カリカリが食べにくい、香りが好みじゃない、ひんやりしているのが苦手で食べないこともあります。
食べない理由⑨ 食器が合っていない
わんちゃんによって口の形は違います。わんちゃんの口の形と食器の形があっていないと食べずらさを感じて、食べなくなることがあります。
また首や腰や背中に痛みがある、関節が悪い、シニアで足の踏ん張りがきかないなどで、床など低い位置から食事をとるのが辛い場合があります。
食器の材質もプラスチック、陶器、金属など色々ありますが、舌触りや口触りが気になって食事を嫌がることがあります。
食べない理由➉ 飽きてしまった
毎日同じ食事だと飽きてしまって食べないというわんちゃんもいます。
私たちも毎日、毎日同じ食事だと飽きてしまいますね。
お腹が弱い子やシニアの場合、便が緩くなることもあるので様子を見ながらですが、毎日同じものを食べなくてはいけないわけではありません。
飼い主さんが続けるのに負担がない範囲で、食事に変化をつけてあげましょう。
わんちゃんがなかなかドッグフード(ご飯)を食べてくれないという経験、一度はあるのではないでしょうか。
愛犬がドッグフード(ご飯)を食べないという場合は必ず理由があるので、気持ちに寄り添いながら対処してあげたいですね。
<参考文献>
・動物看護のための小動物栄養学 著者/阿部又信 監修/日本小動物獣医師会 動物看護師委員会
・動物看護のための動物行動学 著者/森裕司 武内ゆかり 監修/日本小動物獣医師会 動物看護師委員会
・76.3%が歯周病の予備軍、愛犬も歯みがきの習慣化を! アニコム パフェ株式会社
・犬のオーラルケアの手引き DSファーマアニマルヘルス
<画像元>
illust STAMPO
Unsplash
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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