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老犬との旅行!注意すべきポイントは?【動物看護師が解説】

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「愛犬がシニアになったら旅行は無理だよね・・・」というお声をよく聞きます。

確かに年齢が高くなった分、気をつけるポイントはたくさんありますが、年齢が高くなってもわんちゃんの知的好奇心は衰えません。初めての場所や初めての匂いは、わんちゃんにいい刺激をもたらします。

シニアになっても、愛犬と楽しく旅行できるように、注意すべきポイントを覚えていきましょう。

移動での注意ポイント

クレートはしっかり固定

愛犬を車に乗せるときは、クレートの中に入れて、動きが固定される場所におきましょう。(クレートが小さい場合は運転座席の後ろ、クレートが大きい場合は車一番後ろがオススメ)体が安定している方が、揺れが少ないので車酔い対策になります。

また、年齢が高くなると足腰が弱りとっさの踏ん張りがきかなくなります。座席に座らせたり、フリーの状態にしていると、急ブレーキや急な揺れなどに対応できず、座席から落ちて骨折やケガをする恐れがあります。

メッシュタイプのソフトクレートは、愛犬の様子をすぐに確認することができますが、事故にあったときに衝撃に耐えきれず、愛犬が外に飛び出てしまう危険性があります。

電車や飛行機に乗るときの注意点

電車で移動をする場合は、ラッシュ時を避けて、なるべく乗車時間を短くしましょう。

年齢が高くなると、視力や聴力が低下するため、周りの状況を瞬時に把握するのが苦手になります。急に環境が変わったことに不安を感じる場合があるので、こまめに愛犬の様子を観察しましょう。

今のところ、わんちゃんを飛行機に乗せるときの年齢制限は設けられていませんが、持病がある場合や7歳以上のわんちゃんは、飛行機移動は控えておく方が安心です。(夏場や冬場は特に)

飛行機は気圧の変化や騒音、気温差にさらされます。若い時であれば耐えられる環境でも、年齢が高くなると体がついていかないこともあります。

こまめに休憩を取ろう

最低でも1時間に1度は休憩を入れましょう。ずっとクレートの中にいると、血行不良になりがちです。

こまめに休憩をとり、外の空気を吸わせて、軽く歩いて血行を良くしてあげましょう。

暑さ寒さ対策

わんちゃんも人と同様、年齢が高くなると感覚器官が鈍くなるので、体温調節がうまくできなくなります。

洋服を着せる、毛布を敷く、犬に合わせた温度管理(犬の快適な温度は22度~25度程)など、愛犬が快適に過ごせるように体温調節の手助けをしてあげましょう。

水分をこまめにとらせる

高齢になると、喉の渇きに鈍感になります。体が脱水状態になっていても気づかず、水を飲もうとしないこともあります。飼い主さんが意識的に水分を取らせるようにしましょう。

なかなか水を飲んでくれないという場合は、缶詰やドライフードをふやかして与えるなど、食事からも水分が取れるように工夫してあげましょう。

宿選びでの注意ポイント

・車を降りてからフロントまでの距離が短い
・宿内に段差が少ない
・スロープが設置してある
・床が滑りにくいように工夫してある
・エレベーターがある
・部屋から外に出やすい
・近くに動物病院がある

愛犬と泊まる宿を探すときは、上記のポイントが満たされているかを確認しましょう。

移動で疲れている愛犬は早めにくつろがせてあげたいですし、移動は段差が少ない方がいいですね。

ペットと一緒に泊まれるホテルや旅館はたくさんありますが、上記のポイントを満たしているとシニアも安心して泊まれる宿といえるでしょう。

また、食事や環境の変化で旅行中に体調を崩す可能性があります。宿の近くに動物病院があるかも調べておくと、もしものとき安心ですね。

食事での注意ポイント

旅行の2週間前から食事の内容に気をつけて、お腹の調子を整えておきましょう。

また年齢が高くなると、消化能力が衰えるので食事内容や食事時間が変わると下痢することも。

旅行先の美味しいご飯を食べさせてあげたいですが、念のためいつも食べているドッグフードを持参しておきましょう。

飲みなれている整腸サプリメントがある場合は、そちらも持ってきておくと安心です。

他の犬と触れ合うときの注意

今まであったことのないわんちゃんとの触れ合いは、愛犬にいい刺激をもたらしてくれます。

ただ、相手が成犬や子犬であれば体力や反応速度も違いますし、何度も遊びに誘われると疲れてしまいます。

また、若いときは他の犬と遊ぶのが大好きだったけれど、シニアになったら他の犬にまとわりつかれるのが苦手になったということもあります。(逆もあります)

愛犬の反応をよく観察し、愛犬のストレスサインや嫌だというサインを見落とさないようにしましょう。

余裕をもったプランニングが大事

老犬と旅行をするときは、タイトなスケジュールではなく、余裕をもったスケジュールを立てましょう。若いときのように動くことはできませんし、こまめな休憩も必要になります。

体調を崩して予定外のところで休憩したり、時間をくってしまい移動だけで終わることがあるかもしれません。

時間通りに到着する、プラン通りに進めるという事も大事ですが、愛犬の体調が一番大切です。

老犬との旅行は気持ちも時間もゆったり進めましょう。

新しい環境に連れ出してあげることは、愛犬の脳や体にいい刺激をもたらします。

年齢が上がれば上がるほど、一緒にお出かけをした思い出はかけがえのないものになります。

愛犬の体調に合わせながら、シニアになっても一緒に旅行を楽しんでくださいね。

<参考文献>

・犬もよろこぶシニア犬生活:心や体の変化にあわせた老犬とのコミュニケーションがわかる 愛犬の友編集部 (編集)佐々木 彩子 (監修)

・7歳からのシニア犬とのしあわせな暮らし方 伊藤 みのり (監修), 内田 恵子 三浦 裕子

・イヌの老いじたく 「7歳」からの最適な飼い方を伝授 臼杵 新 (著)

<画像元>

illust STAMPO

ICOOON MONO

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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