川や森など愛犬とアウトドアやキャンプに出かける方も多いですね。
自然が多い場所では虫やヘビなどと出会う機会が多く、わんちゃんが噛まれる被害も多くあります。
愛犬がヘビや危ない虫に刺されたどうしましょう。
注意が必要な虫やヘビは?
ノミ
気温が高くなると動きが活発になり、5月~10月にかけて草むらなどで繁殖します。
ノミが寄生するとアレルギー反応によって、激しいかゆみや炎症を引き起こします。
またノミに寄生する寄生虫(サナダムシ)もおり、わんちゃんが体をなめた時にノミを口にしてしまうと、わんちゃんの体の中に寄生します。
この寄生虫はわんちゃんだけでなく、人にも寄生するので注意が必要です。
蚊
わんちゃんは蚊を介してフィラリアに感染することがあります。
フィラリアは犬糸状虫という寄生虫で、心臓や肺動脈に寄生します。
寄生すると血液の流れが悪くなり、心臓や腎臓、肺などに悪い影響を及ぼします。
マダニ
イボのようなものをわんちゃんの体に見つけたら、体いっぱいに血を吸ったマダニかもしれません。草むらに潜んでおり、吸血されると貧血や皮膚炎を引き起こします。
マダニの恐ろしいところは、人とわんちゃんどちらにも感染する病気を多く介すところです。
人ではマダニによる感染症で死亡例が出ている病気もあるので、注意が必要です。
ハチ
スズメバチやアシナガバチなど好奇心の強いわんちゃんだと追いかけて刺されてしまうことがあります。
また、土の中に巣をつくるタイプの蜂もいるため、気がつかずに接近してしまい刺されてしまうケースもあります。
ムカデ
湿気がありジメジメした環境を好むため、河原の近くの石や草陰に潜んでいます。
ムカデの種類によりますが、蜂の毒に似た毒性を持っており、噛まれると激しい痛みが起こり赤く腫れあがります。
マムシ
繁殖期、産卵期は8月から10月なので、キャンプやアウトドアに出かける機会の多い夏には出くわす機会が多くなります。
本能的にヘビを怖がるわんちゃんもいますが、好奇心が旺盛なわんちゃんが不用意に近づいて噛まれることも。
噛まれたときに入る毒の量は少なく、マムシの毒に対する抗体も持っているので、死にいたるケースは少ないですが、体の小さい小型犬などは注意が必要です。
愛犬が虫に刺されたときの対処法は?
ノミに刺されたら?
ノミを見つけてもつぶすことは絶対にやめましょう。
つぶすことでノミ体内の卵か大量に飛び散ってしまう可能性があり、万が一口に入ってしまうと寄生虫感染のリスクがあります。
応急処置として荷造りテープで捕まえて、動物病院を受診し駆除薬をもらいましょう。
ノミ由来のアレルギーを発症している場合は、短期間で症状が広がるのでノミを見つけた、
噛まれた場合は早めに動物病院を受診しましょう。
マダニに刺されたら?
マダニを見つけても、無理やり引っ張ったりつぶしてはいけません。
無理やり引っ張るとマダニの体内の病原体を入れてしまったり、噛みついたアゴが皮膚に残ってしまい、炎症やアレルギーを起こしてしまう場合があります。
また、つぶした場合もお腹の卵が飛び散ってしまうリスクがあります。
マダニはついてしまっても、48時間以内に駆除ができればマダニが媒介する病原体の影響を受ける危険性はほとんどないと言われています。
マダニを発見したら自分で処置をせず、動物病院で処置をうけましょう。
ハチに刺されたら?
ハチに刺されるとアナフィラキシーショックを引き起こす場合があります。
すぐに動物病院に行ける場合は、症状が出ていなくても早めに受診しましょう。
もしすぐに行くのが難しい場合は、下記手順で応急処置をしましょう。(愛犬が嫌がる場合は無理にしない。)
①針が残っている場合は早めに抜く
指でつまんで抜くと毒液の袋を押し込む可能性があるので 爪やクレジットカードで弾き飛ばすようにして抜く。
➁毒を吸い出す
口で吸うと毒が口に入るので、ポイズンリムーバー(上記画像)などの道具を使う。
➂流水で洗い流す
毒を絞り出すようにしながら洗う。
④患部を冷やす
ムカデに刺されたら?
毒の活性を下げるために43度以上に患部を温めるという方法もあるようですが、ハチと同じくアナフィラキシーショックを起こす場合があるので、早めに動物病院を受診しましょう。
愛犬がヘビに噛まれたときの対処法は?
ヘビにかまれたときは、愛犬を動かさないようにしましょう。
動くことで毒が全身に回ってしまいます。
傷口を流水で洗い流し(傷口を触るときは素手はダメ)噛まれたところを下に向けて、早めに動物病院に行きましょう。
冷やしたり、毒を吸ったり、縛ったりするとかえって組織を破壊を促進したり、毒の影響を受ける場合があります。
虫やヘビに噛まれない対策は?
虫やヘビに噛まれないために上記のような対策をとりましょう。
ノミやマダニ対策は、錠剤やオヤツタイプ、液体タイプなど色々な種類の駆除薬が出ており、種類によって効果が異なります。
キャンプやアウトドアに出かける前に獣医師さんに相談して、愛犬に合うものを選びましょう。
また、わんちゃんが食事や休憩中に虫に刺されないように、メッシュタイプのケージの中に入れたりや蚊帳をつってあげましょう。
お腹や内太ももは毛が薄く虫に刺されやすい場所です。
虫よけスプレーはお腹周りや内太ももを重点的にスプレーし、服を着せてわんちゃんの体を覆ってあげましょう。
ヘビや虫が潜んでいるリスクが高い草むらは、なるべく避けるようにすることも大切です。
愛犬との楽しいキャンプやアウトドア、痛い思いをすると嫌な思い出になってしまいます。
愛犬が虫やヘビに噛まれないための対策、刺されたときの対処法をしっかりと覚えて、楽しい思い出を作ってくださいね。
<参考文献>
・プロはどうする? 夏キャンプの虫除けノウハウ! 蚊、ブヨ、ムカデなど要注意の虫から対策アイテムまで
・「蚊に刺されたら熱い蒸しタオルで温める」が話題 小児科医が根拠を探ってみた 日本アレルギー学会専門医・指導医
・犬・猫がムカデに噛まれたら毒と症状と治療 アニウェル
・ネクスガードとフロントラインの比較 日本全薬工業株式会社
<画像元>
illust STAMPO
ICOOON MONO
Unsplash
イラストAC
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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