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愛犬と安全にドライブするために!車で注意する7つのこと【動物看護師が解説】

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愛犬とドライブや車旅を楽しむ方が増えています。車だと犬連れでも気軽にお出かけできますよね!

しかし、愛犬を車のどこに乗せるのが安全なのか?愛犬を車の中でフリーにするのは実は交通違反?という事は意外と知られていません。

①犬を車の中でフリーにするのは交通違反?

車の助手席に座っていたり、窓から顔をのぞかせているわんちゃんをよく見かけますね。中には、運転手の膝に座っているわんちゃんもいます。

とってもほほえましい光景ですが、わんちゃんを車の中でフリーにするのは道路交通法違反です。

道路交通法 第五十五条 第2項

車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。

引用元:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=335AC0000000105#521

わんちゃんが膝の上に居たり、助手席から移動してくることが「ハンドルその他の操作を妨げる」ことに当たります。また、助手席の窓からわんちゃんが顔を出していたら、バックミラーが確認できません。

うちの子は大人しいから大丈夫、同乗者が抱っこしていれば安全と思うかもしれませんが、過去には、愛犬が偶然ウィンドウボタンを押し、窓から飛び出して後続車に轢かれ死亡した事故や、膝の上の愛犬が衝突時エアバックに潰されて死亡した事故も起きています。

わんちゃんの身を守ることはもちろんですが、交通違反なので車の中でわんちゃんをフリーにすることはやめましょう。

➁リアワイパーに物をぶら下げるのはNG

愛犬の排泄物を入れた袋をリアワイパーにぶら下げている車もよく見かけます。匂いが気になる気持ちもわかるのですが、積載のために設備された場所以外に荷物を置くことは、道路交通法違反に該当します。(道路交通法第55条1項)

また、走行中に袋が落ちてしまった場合、車から物を投げた事と同じ扱いで違反にとわれる可能性がありますし、後続車に嫌な思いをさせてしまいます。

愛犬の排泄物を持ち帰るという行為は素晴らしいのですが、積載場所以外に乗せることは止めましょう。

匂いが気になる場合は、普通のビニール袋ではなく消臭効果の高い袋と新聞紙でしっかりくるみ、密閉容器に入れると匂いが軽減します。

➂クレートを座席の上に置くのは安全?

わんちゃんをクレートに入れて、座席にシートベルトで固定している方も多いと思います。

わんちゃんを車に乗せるとき、クレートはどの位置に置くと安全なのでしょうか。

上記の動画は車の衝突実験の動画です。

1分30秒あたりで、クレートを運転座席の後ろに置いた場合と、座席にシートベルトで固定した場合の結果が確認できます。座席にシートベルトで固定した場合、クレートは動かないように固定されていますが、衝撃に耐えきれずクレートが壊れて犬のダミー人形が飛び出てしまっています。

クレートに入れておくと安心というイメージがありますが、置く場所やクレートの強度によってはわんちゃんの命を守ることが難しくなります。

クレートが小さい場合は運転座席の後ろに置きましょう。クレートが大きい場合は、車一番後ろの動きが固定される場所に置きましょう。

メッシュ性のソフトケージは通気性が良く、持ち運びが楽ですが安全性を考えると耐久性の高いハードゲージがオススメです。

国際航空運送協会の安全基準をクリアしたゲージやクラッシュテストに合格したゲージを選びましょう。また、車に備え付けられる金属製の備え付けゲージはプラスチックよりも耐久性が高いので安心ですね。

④犬用シートベルトを付けると安心?

上記は犬用シートベルトを用いた衝突実験の動画です。

衝突事故にあったときに怖いのが、後部座席にいる犬が前に向かって飛んでくること。約30kgのわんちゃんを乗せて、時速40km/hでぶつかった場合、1トン(象と同じくらい)の重量物となって前に飛んできます。意外と知られていませんが、愛犬が大ケガするだけでなく、飼い主さんや同乗者にも大きなダメージを与えてしまうこともあるのです。

そういった事故を防ぐために犬用のシートベルトが売られていますが、クラッシュテストに合格したものや認証がとれたものを選ぶようにしましょう。

散歩用のリードやテストを行っていないものだと、動画のように衝撃でちぎれてしまったり、首に衝撃がかかり首の骨が折れてしまう可能性があります。

ゲージと違い、愛犬の様子をすぐに見ることができるのが利点ですが、飼い主さんと愛犬を守るためにきちんと安全性が確認されたものを選びましょう。

➄急ブレーキ・急発進に注意!

飼い主さん1,000人に愛犬とのお出かけの失敗を聞いたところ、10.7%の方が「走行中、急ブレーキや急ハンドルで愛犬を座席から転落させてしまった」と答えました。過去には、助手席にいた犬が、急ブレーキでフロントガラスに突っ込んで骨折をしてしまったという事故もあります。

急発進、急ブレーキは車酔いにもなりやすいですし、人と違ってどこかに捕まることもできません。わんちゃんを乗せているときは、優しく優しく運転しましょう。

⑥シートや服に付いたタバコの煙に注意!

「3次喫煙」という言葉をご存じですか?タバコの煙が服や車のシートなどに付着し、その残留物が直接、または間接的に被害をもたらすというものです。

愛犬の前で直接タバコを吸わなくても、服や車のシートに煙がついてしまうと愛犬が接触したときに残留物が毛についてしまいます。わんちゃんは毛を舐めるので、口からタバコの残留物が体内に入ってしまいます。タバコを吸っている飼い主のペットは、リンパ腫になりやすいと言われています。

タバコを吸う習慣のある方や喫煙者が近くにいる方は、十分気をつけてあげましょう。

➆移動は3時間以内を目安に

愛犬とのお出かけは楽しいですが、長時間のドライブなどはわんちゃんの体の負担になることもあります。

動物福祉の先進国であるスウェーデンでは、法律で3時間以上、犬を閉じ込めたままにしてはいけないと定められています。

わんちゃんと旅行やドライブに行くときは、こまめに休憩をとってあげましょう!(車酔い予防にもなります。)

車でお出かけは自由度も高く、愛犬の社会化トレーニングにもなります。一方で注意しなければならないことも多くなります。

愛犬とお出かけをする前や車グッズを選ぶときに、思い出してくれると嬉しいです。

<参考文献>

・【全社】愛犬とのドライブで法律違反?! 辰口自動車販売株式会社

・ペットを襲う「受動喫煙」や「3次喫煙」のリスク 法改正を機会に知ってほしい問題点とは?

・ホンダアクセス調べ 愛犬をクルマに乗せると嫌がる?喜ぶ?

<画像元>

illust STAMPO

ICOOON MONO

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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