「キャンピングカー」と聞くと、みなさんはどのようなイメージを持っていますか?
その名の通りキャンプをするための車、アウトドア派にしか縁のない車、一部の富裕層にしか手が届かないもの・・・私もかつてはそう思っていました。しかし実際はもっと身近に、もっと気軽に人生に取り入れることができるものだったのです。
特に愛犬との暮らしにおいては、旅行やアウトドア以外のさまざまな場面で大活躍!庶民にも決して夢ではない、キャンピングカーという選択肢を考えてみませんか?
キャンピングカーってどんなもの?
一口にキャンピングカーと言っても、大きさも機能も実にバラエティー豊か。ベース車両がバスという大型のものもあれば、ハイブリッド車や軽自動車というものもあります。よく見かけるのは、トラックや大型のバンを改造したもので、それぞれ「キャブコン」「バンコン」と呼ばれます。我が家の愛車はベース車両がハイエースのタイプです。
▲キャブオーバーコンバージョン、略して「キャブコン」。広い室内が魅力。
出典元:http://www.vantech.jp/lineup/corderundy/index.html
▲ハイブリッドカーもキャンピングカー仕様になります。
出典元:http://whitehousecamper.com/compact/hybrid/
▲日本独自の規格を活かした軽キャンパー。
出典元:https://www.vs-mikami.com/tentmushi/
基本的な機能として、ベッド、ダイニング、冷蔵庫、シンクなどはほとんどの車両に標準でついています。また、ベンチレーター(換気扇)、FFヒーター(エンジンを止めても使える暖房)、家庭用エアコン、電子レンジ、コンロ、テレビ、トイレ、シャワーなどがついたもの(またはオプションでつけられるもの)もあります。
エンジンを止めた状態で電化製品を動かすために載せているサブバッテリーは容量が少なかったり充電に時間がかかったりするため、それを補うためのソーラーパネルや発電機を積んでいる場合もあります。
▲キャンピングカー内での食事の際に役立つ装備。
キャンピングカーの価格は、機能とベース車両の値段によって大きく変わります。フル装備にしようと思えば家が建てられるくらいの金額になりますし、機能を絞れば大型ミニバンと同価格帯で購入できます。旅の目的やスタイルを洗い出してみると、車両サイズや必要な機能が定まります。
キャンピングカーが犬との暮らしに最適な3つの理由
キャンプをしなくても、アウトドア派じゃなくても、犬連れにとってキャンピングカーはあらゆるシーンで非常に役立つもの。我が家がキャンピングカーを購入したのは2014年ですが、キャンプ場へ行ったのは3回くらいでしょうか。
旅先で宿として利用する我が家にとっては、アメリカ式に「モーターホーム」と呼びたいところ。そう、まさに動く家、移動式別荘というイメージなのです。
キャンピングカーがなぜ犬との暮らしに適しているか、普通車での車中泊とどのような点が異なるのか、3つの観点からご紹介します。
1.車内の温度管理
まずは断熱性に優れているという点。
キャンピングカーのボディには断熱材を使用しているため、薄い鉄やアルミの板だけの普通車に比べると真夏や真冬でも外気温との差が小さく、エアコンなどで適温にするのにあまり時間がかかりません。さらに窓には網戸がついており、ベンチレーターと呼ばれる換気扇を使用して室内に風を通せます。
4~5月の天気のいい日には、屋外では問題なくても熱のこもる車内では熱中症が心配になりますよね。そんな日でも外の風を取り入れるだけで適温になるのです。
また、家庭用エアコンを設置すればエンジンを停止した状態で空調を使えるため、真夏でもちょっとした買い出しやお風呂の時などに安心して愛犬に待っていてもらうことができます。
▲犬連れ車旅に欠かせない室温調整アイテム。
2.動物病院の待ち時間
次に、意外と活躍するのが動物病院に連れて行く時。
我が家の犬猫たちのかかりつけ病院はいつも非常に混雑していて、到着から帰宅まで3~4時間かかることが普通です。そのほとんどが待ち時間!緊急事態でもなければつい足が遠のいてしまいそうになりますが、キャンピングカーで行くようになってからはずいぶん楽になりました。
駐車場で待っている間、コーヒーをいれたり寝転んだり、自宅と同じようにくつろいで過ごすことができるからです。愛犬たちにとっても他の動物の姿や匂いに緊張したり興奮したりしないため、平常に近い状態で検査に臨めることは大きなメリットだと思っています。
▲キャンピングカー内で家と同じようにくつろぐ愛犬
▲犬以上に環境変化に弱い猫たちも自由気まま!
3.緊急時の避難場所として
最後にキャンピングカーの利点として挙げたいのが、災害時を想定した利用です。
我が家のように複数の犬や猫を連れて避難することは難しいと思われますが、万が一の時にはキャンピングカー内で過ごすことができます。普段から水とフードを積んでおき、旅行中に使った分を買い足しておけば、ローリングストックとして非常時に役立つと考えています。
キャンピングカーの不便な点
キャンピングカーを所有することは良いことばかりではありません。大型のタイプだと取り回しがいいとは言えず、狭い道や急な坂道、強い横風に弱い上、駐車場では高さ制限、重量制限に気を配る必要があります。燃費、税金、メンテナンスを考えると、維持費という面でも普通車よりは負担が大きくなるでしょう。
また、サブバッテリーで使える電気には限界があるため、オートキャンプ場やRVパークのように外部電源をつなげる施設か、発電機の使用が必要になる場合があります。発電機の音や振動は周囲の迷惑となるため、高額な割に使用可能な場所が限られてしまいます。
それでもキャンピングカーを推したい!
いくつかのデメリットがあってもなお、犬連れにとってキャンピングカーは理想的なアイテムと言えます。特に大型犬と暮らしていると大きめの車を選ぶ方が多いと思いますが、それならいっそのこと同価格帯のキャンピングカーを検討してみませんか?
各地で開催されているキャンピングカーの展示会に行ってみれば、思いのほか手が届く範囲でたくさんの種類があることが分かります。
▲毎年幕張で開催される国内最大級のキャンピングカーイベント「ジャパンキャンピングカーショー」
出典元:https://camping-cars.jp/camping-car/7549.html
キャンピングカーは私たちの世界を広げてくれました。北海道から九州まで愛犬たちと一緒に旅ができるし、インターネットでつながった遠方の友だちにも気軽に会いに行くことができます。
愛犬との素敵な思い出作りに一役買うこと間違いなしのキャンピングカー。レンタルもありますので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?
長年犬と旅をしてきたノウハウが誰かのお役に立てればうれしく思います。
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