2018年冬、5シーズンぶりに出現した諏訪湖の御神渡り。穏やかな湖面に現れる神秘的な氷の芸術は、寒さを忘れて見入ってしまうほどの景色でした。
温暖化に伴い、めったに見られなくなってしまった奇跡の現象を愛犬と見てきたときのことをレポートします。
諏訪湖の御神渡りとは?
長野県南部に位置する諏訪地域。夏は避暑地、冬はスキー、そして泉質の良い温泉などで人気の観光地でもあります。ここに信州最大の湖、諏訪湖があります。映画「君の名は。」に出てくる湖のモデルとしてご存知の方もいるのではないでしょうか。
▲諏訪湖(諏訪市上諏訪の立石公園から)
1月中旬~2月上旬にかけて諏訪湖が完全に凍り付いた後、氷点下10℃以下の気温が数日間続くと、氷が膨張したり収縮したりすることで山脈のように盛り上がる現象が発生します。
湖の上を数キロメートルにわたって走る氷の道は神様の通り道「御神渡り(おみわたり)」と呼ばれ、氷上ではその年の天候や農作物の作柄、世の中の吉凶を占う御渡神事(みわたりしんじ)が執り行われます。
およそ600年前から続くこの伝統儀式は地元の人たちにとって重要な神事なのですが、温暖化のためか御神渡りの起こらない「明けの海」と呼ばれる年が続いていました。
しかし2018年1月、5シーズンぶりに発生するかもしれないという噂を聞きつけ、諏訪地域を愛してやまない私たちはさっそく出かけることにしたのでした。
御神渡り誕生の瞬間
2018年1月27日。まだ早いと思いつつ、諏訪湖を目指した私たち。仕事のため週末しか時間が取れないので、万が一にでもチャンスを逃したくなかったのです。
しかし案の定、湖にはうっすらと氷が張っている程度でした。
ところが湖岸に近づいてみると、打ち寄せる波が白く凍り始めています。これは期待できそう!
▲諏訪湖はわずかに凍っているだけ。
▲湖岸は凍り始めていた!
その夜は急激に冷え込み、私たちが車中泊した白樺湖では氷点下20℃にまで下がりました。
そして翌日、諏訪湖が全面氷結したという知らせを受け、もう一度見に行くと湖面には白い亀裂が走っていて、かすかに御神渡りの兆候が見られたのです!しかしここで帰宅しなければならず、残念な思いで諏訪を後にした私たちでした。
▲御神渡り誕生の瞬間!
御神渡りの成長期
週が明けて2月2日、正式に御神渡りと認定されたという知らせを聞き、再び諏訪湖へ。
御神渡りがよく見えるという赤砂崎公園に行きました。広い無料駐車場にはたくさんの車が停まっています。そして湖面には、生まれたての氷の道がはるか向こう岸までつながっていました。雪が積もっていてはっきりとは見えませんでしたが、生まれたての小さく可愛らしい御神渡りの姿に感動!
▲遠くに見える隆起した部分が御神渡り。
▲まだ小さく、積雪のためはっきりしませんが、向こう岸まで続いています。
▲角が立った生クリームみたい!
立派に育った御神渡りは壮観!
2月16日、3回目の観察のため、またまた諏訪へ。
赤砂崎公園から左右の向こう岸に向かっていく神様の通り道は、ますます立派に成長していました。
この年の冬は気温が低く、氷が大きくせり上がったそうです。湖岸では氷の塊のかなりそばまで近づくことができ、迫力ある姿を見られると同時に、時おり「ギシギシ」という氷がこすれ合う音も聞こえます。写真や映像よりはるかに壮観で神秘的な光景に、たくさんの観光客が魅了されていました。
▲氷の道は赤砂崎公園の岸辺から始まるため、間近で見られます。
▲せり上がる氷は迫力満点!
▲近くでは時おり氷の「声」が聞こえます。
御神渡りを見に行くときの注意事項
御神渡りが発生するということは、当然のことながら非常に寒いということ!日中でも氷点下になることもめずらしくないので、御神渡りを見に行くときはしっかりと防寒対策をしていきましょう。
我が家の若いゴールデン・レトリーバーは平気でしたが、寒さに弱い子やシニアワンコには注意が必要です。
もう一つ気をつけたいのが、決して氷上に足を踏み入れないということ!
3回目に諏訪湖を訪れた際には、それまでなかったロープが張られていました。ところどころ氷が薄い場所があって危険だというのに、氷の上に立ち入る観光客がいるからです。愛犬がロープの下をくぐってしまわないように気をつけましょう。
▲氷に乗ってはいけませんよ。
諏訪地域の見どころは他にもたくさん!
残念なことに、温暖化の影響でめったに見られなくなってしまった御神渡り。今回、誕生の瞬間から成長過程を見届けることができた私たちは非常にラッキーだったと思います。
2019年は全面氷結せずに「明けの海」が宣言されたし、今年も暖冬なので確率は低そう。これからますます発生する頻度は低くなっていきそうな予感ですので、次に冷え込んだ冬には、ぜひ見に行ってみてはいかがでしょうか。
また、諏訪地方には他にも愛犬と楽しめるスポットがたくさんあります。車山高原や霧ケ峰、美ヶ原に白樺湖、蓼科高原など、冬の雪遊びはもちろん、標高の高いこの地域なら真夏でも愛犬を走らせることができるため、我が家にとっては年に何度も訪れるお気に入りの場所となっています。
ワンコOKのカフェやレストランも数多くありますから、皆さんもぜひ愛犬と一緒に遊びに行ってみてください!
▲真冬の白樺湖畔には雪がたっぷり!
長年犬と旅をしてきたノウハウが誰かのお役に立てればうれしく思います。
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