愛犬の健康を守るために獣医師・動物病院の存在はとても大切ですね。
動物病院の診療料金や治療方針は人間と同様、病院によって様々な違いがあります。
今回は信頼できる動物病院の見つけ方と、上手な獣医師との付き合い方をご紹介します。
動物病院の診療料金は決まっていない!?
動物病院の診療料金は完全に獣医師各自が設定しています。
そのため同じ治療を行っても、動物病院によってかなり治療費の差が出てしまう場合があります。
同じ診療を行った場合の金額の差は、大きいものだと2倍~5倍以上になることも少なくありません。
私の経験した実際の料金の違いです。
・ワクチン接種
A病院 3,000円 B病院 6,000円
・輸液(点滴)
A病院 1,000円 B病院 3,000円
・避妊手術
A病院 30,000円 B病院 60,000円
輸液1回の金額の差額は2,000円で、あまり大きくないように見えますが、輸液は複数回する場合が多く、3回の輸液を受けた場合の差は6,000円になりますね。
私が受けた診療の中で一番差が大きかったのが、犬の乳腺腫瘍の手術です。
A病院 100,000円 B病院 200,000円
同じ2倍といっても手術などの高額な医療費が必要なものになればその差額は10万円以上になることもあります。
料金の違いとサービスの違いは必ずしも直結するものでない、というのも悩みの種です。
飼い主さんがその価格に納得できるかどうかが大きいのですが、いきなり高額な料金を請求されたら困りますね。
動物病院は料金を明示してないところも多くあるので、事前にいくらくらいかかるのかを聞いておくことが大切です。
特に初めての病院は、事前に電話やメールなどで料金などを確認してから行くといいですね。
動物病院の診察料・手術費の相場は?
獣医師の料金は法律で決まっていないので、想像以上に高い料金を提示してくる動物病院もあります。
しかし法律で決まっていないとはいえ、処置における相場はある程度まとまっています。
こちらはいくつかの動物病院の料金を調べ、その相場をまとめたものです。
・ワクチン接種(種類により変わる) 5,000円~8,000円
・フィラリア予防薬 1,000円~1,500円
・血液検査(詳細なもの) 6000円~10,000円
・避妊手術 20,000円~50,000円
・去勢手術 15,000円~20,000円
・輸液(点滴) 1,000円~3,000円
ばらつきはありますが、概ねこの範囲が処置料金の相場と言えるのではないでしょうか。
気を付けたいのは、毎年接種しなければならないワクチンやフィラリア予防薬、回数が必要になる輸液などです。これらの料金が高い動物病院は少し注意した方がいいかもしれません。
1回、2回の診察で済めば問題ないかもしれませんが、何度も必要な治療が高額だと困難になります。
適正料金はインターネットで調べてみたり、ご近所の飼い主さんたちの口コミを聞いてみたりすると判断しやすいでしょう。
信頼できる獣医師・動物病院の選び方
医療の知識や経験が豊富な上に、動物が大好きで親身になって診察をしてくれる、そんな獣医師に出会いたいですね。
良い獣医師・動物病院かどうか、どのように見分ければいいのでしょうか。私の経験でまとめてみました。
①電話対応
病院スタッフの対応がよくない動物病院は処置もあまり期待できません。
患畜や飼い主さんを大切にする動物病院はスタッフへの教育もしっかりしています。
初めて行く病院は、事前に電話で問い合わせをしてみてもいいと思います。
丁寧で良識ある対応ができている病院だと安心です。
②近所の飼い主さんの評判
やはり実際にその病院に通院している方のお話が、一番信ぴょう性が高いです。
料金や診察方法、対応の仕方などを聞いてみるといいと思います。
人によって感じ方は様々ですし、できれば複数の方に聞けるといいですね。
③インターネットの口コミ評価
気になる動物病院へ行っている知り合いがいないときは、インターネットの口コミを利用してもいいと思います。
ただし、インターネットの口コミは実際の口コミよりも信ぴょう性は劣ります。
良い評価も悪い評価も誇張されて記載されていることも多いため、一見してすぐに判断しかねます。
良い口コミと悪い口コミの両方を確認し、口コミの具体性や口コミ主の言動などに注意して情報を取捨選択することが大切です。
④病院内が清潔かどうか
病院だから清潔に決まっていると思う方もいるかもしれませんが、驚いたことにそうではないこともあるようです。
動物病院は様々な動物が来るところで、病気もさまざまです。なので完璧な消毒が必要です。
悪臭がしたり、掃除が行き届いていなかったりする場合は衛生面に気をつかっていない証拠です。
実際に病院の消毒が不完全であったために、病院でペットが伝染性の病気に感染したという例もあると言われています。
人間で言うと、インフルエンザが流行しているときの病院が危険なように、どんな病気を患った動物が来院しているか分からないですから、清潔にすることへの関心が低い病院はリスクが高いでしょう。
⑤獣医師の人柄も重要なポイント!
愛犬のことを一番心配しているのは飼い主さんだと思います。
でも獣医師にも、愛犬の病状や苦しさ、飼い主さんの心配を理解したうえで病気を治していただきたいですね。
中には、飼い主さんの話や意見に耳を傾けない、何かあったときも非を認めず、飼い主に責任を押し付けるといった獣医師もいらっしゃるようです。
このような対応をされてしまうと、仮に知識や能力があったとしても、安心して相談などできません。
また、高額医療をすすめてきたり、説明を受けずに検査や治療をされてしまうこともあります。
治療の際は、事前にきちんと説明を受け、納得がいかないようであれば「家族に相談させてほしい。」などいったん距離を置いて、セカンドオピニオンなどを求めることをおすすめします。
⑥高度な医療機器がそろっていたら良い動物病院?
高度な医療機器がそろっていれば良い病院かというとそうでもない場合が往々にしてあります。
高額な医療費を請求してくる病院は、高額な医療機器をそろえている病院であることもしばしば。
数千万円の医療機器をそろえているので、医療機器の費用回収のためにも医療費も高額になることが多いようです。
そういう点も含めて高額の医療費が納得できるのであれば問題ないかもしれません。
ただ、何度も高額な検査をすすめられる場合は注意が必要です。高度な医療機器がそろっていると確かに安心感が得られますが、適正に使用しているかどうかが一番大切ですね。
獣医師とうまく付き合うためには?
言葉が話せない愛犬のために、まずは飼い主がちゃんと獣医師と信頼を築くことが大切ですね。
診察の疑問点は遠慮せずに聞きましょう!
「何をしているのか分からない。」「良くなっているのかどうか分からない。」などの疑問があると獣医師を信頼できませんね。
きちんとインフォームドコンセントをしてくれる獣医師もいますが、全くしない獣医師もいるようです。
少しでも疑問に思った点や心配な点などをぶつけてみて、真摯に対応してくれるかどうか確認してみましょう。
本当に重篤な病気のときに信頼できる関係を気付くために、日頃から遠慮せずに聞いてみてください。
セカンドオピニオン・サードオピニオン
現在は獣医師にも専門分野がありますし、獣医師によって治療方針が異なることもあります。
治療方針などに疑問がある場合は、セカンドオピニオン・サードオピニオンを求めてもいいでしょう。
獣医師との信頼関係は大事ですし、セカンドオピニオンを希望することを獣医師に伝えにくいかもしれませんが、愛犬の命には代えられません。
私の愛犬は15歳の老犬ですが、難治性角膜潰瘍を患っています。私は愛犬の治療のためにサードオピニオンまで求めました。
ファーストオピニオンでは、ただの炎症という診断で、難治性であることが分かりませんでした。
しかし目薬を付けてもなかなか治らないのでセカンドオピニオンを求めました。
そこで判明したのが難治性角膜潰瘍でした。
セカンドオピニオンの獣医師の治療方針は手術でした。私は15歳の犬に手術はリスクが大きいと思いました。
たとえ失明したとしても命には代えられないので、サードオピニオンを求めることにしました。
サードオピニオンは「手術も治療の一つだが年齢的にリスクが高いので、まずは痛みをとるために薬での改善を目指す」という方針を示されました。
私が選んだのはサードオピニオンの治療方針です。
約1年が経過した現在、完治していませんが痛みはなくなり、状態もかなり改善されました。
サードオピニオンまで求めてよかったと思っています。
同じ病気に対する治療方針も獣医師によってかなり異なる場合があります。
言葉が話せない愛犬に代わり、飼い主が決めなければなりませんから、納得できる治療法を探したいですね。
かかりつけの動物病院を大切に
ワクチン接種や健康診断などをかかりつけの病院で行い、定期的に犬の健康状態をチェックしてもらえると安心ですね。
普段から診てもらっていれば、その子の傾向や健康状態を把握してくれていますから、特に持病があるときなどは、余計な検査をしたりせずにすぐに対応してくれます。
高度な医療機器をそろえていなくても、何か大きな病気やケガをしたときは、ほかの病院の専門医や大学病院を紹介してくれるような柔軟な考えを持った獣医師がいいでしょう。
かかりつけの動物病院は近所であれば便利ですが、きちんとした診療をしてくれる信頼できる獣医師であるかどうかが重要です。
まとめ
信頼できる獣医師・動物病院の選び方と上手な付き合い方について解説してきましたが、自分で意思表示できない犬の状態をくみ取ってもらうという点で、人間の医師よりもより観察眼や共感力、そして誠実さがが必要なのかもしれません。
また、飼い主側も愛犬の健康を守ってもらうという点を忘れずに、良識ある飼い主でありたいですね。
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