アニマルケアサービスや犬のオーナーさんへのカウセリングを行なっていると、犬との楽しい暮らしを望んで犬を迎えたのに、犬との暮らしで悩んでいるとたくさん相談をいただきます。
どんなことを悩んでいらっしゃる方が多いのでしょうか?
特に困るのは、「犬の噛みつき」「犬が吠える」「リードをグイグイ引っ張る」「拾い食いや食べ物でないものも食べる」「トイレの失敗をする」「お留守番ができない」などが挙げられます。
それぞれの問題行動と、その原因とは?
犬の問題行動は「犬がする困った行動」と捉えられがちなのですが、じつは興奮やストレスによるストレス行動の現れです。
ですので問題行動を解消するには、この犬のストレスと興奮を減らすことが根本的な解決になります。
他の犬や人に噛みついてしまう
犬の噛みつきは恐怖や不安が引き金になって起きます。
例えば、ジッと見る行動やまっすぐに近づいてくる行動は犬同士がすると攻撃的な意味合いのある行動になります。これを人間が犬にした場合、犬は攻撃を受けるかもしれないというふうに受け取ります。
また頭の上から撫でたり、嫌がるお手入れを無理にしたりなども不安や恐怖を招きます。
犬は飼い主の何気ないけれど犬に不安や恐怖を与える行動によって、次第に不安や恐怖が蓄積されていきます。
そしてとうとう、自分を守るため、またパニックになって噛むという行動をとってしまいます。
犬が噛むと一緒に暮らす人間もいつ噛まれるのかビクビクしながら行動しなければいけないので、犬も人間もとても辛くなります。
無駄吠えしてしまう
犬が吠えるというのは適切な範囲であれば習性の範疇ですので問題ありませんが、吠える対象がいなくなっても吠え続けたり、些細な物音に対しても吠える時は犬に大きな負担がかかっているサインだととらえた方がいいかもしれません。。
吠えることは仲間に何かを伝えるとき、例えば危険なものが近づいてきたと知らせるときなどに行う程度で、継続的に吠えるものではありません。吠えるときは全身を使うためエネルギーを使います。 生物はエネルギーを温存するように行動するので犬がずっと吠え続けるということは生物として異常な行動をとっているということになります。
たくさん吠えるというのもストレスによる行動ということです。
散歩の時にリードを引っ張る
リードをグイグイ引っ張るのもいくつか理由が考えられます。
首輪が食い込んで苦しくて引っ張ってしまったり、お散歩するところが車や人などの交通量が多く、怖かったり騒がしすぎたりしてゆっくり歩くことができずに早歩きになったり、
リードを引っ張ってしまう時はこのようなところに原因がある場合が多いです。
なんでも口に入れてしまう
拾い食いや食べ物ないものを食べるのもストレス行動です。
本来犬は自分で食べることができるものと食べるものができないものをきちんと判断して食べていました。
木の実や葉っぱ、お弁当やおかしの残りは食べても問題ないのですが、プラスティックやビニール、そして石までも食べてしまうことがあります。
これは口に咥えていたものをよく取っていると取られないように急いで飲み込んだり、お散歩のとき周りが騒がしかったり、怖いものがたくさんあって速足で移動しているうちに興奮してしまい判断できず、結果として何でも口に入れてしまうということが考えられます。
口に入れるものは犬にとっても自分の体を守るために大切なことなのできちんと判断できないと危険な目にあってしまいますが、刺激が多かったり、怖いものがあったり、興奮しすぎていたりするときちんと判断することができずにストレス行動として食べることができないものを食べてしまうということが起こります。
トイレに失敗してしまう、マーキングが多い
トイレの失敗、特にマーキングするというのはストレス行動です。
少量チョコチョコ排泄するのは頻尿になってしまいますし、ゆっくり過ごすことができないので犬の体にもよくありません。もちろん、飼い主も掃除をしたり、家が汚れたりして大変な思いをしてしまいます。
お留守番ができない
そしてお留守番ができないというのは分離不安症といわれるものからきています。飼い主と離れることがとても不安になり、吠えたり、粗相をしたり、家具を壊したりしてしまいます。
置いていった嫌がらせや退屈しのぎなどでは決してなく不安で仕方なくしてしまう行動なのです。ひどい場合は壁に穴をあけたりする場合もあります。
このように犬の問題行動は犬が悪いわけではなく、恐怖や不安、興奮からくるストレス行動です。ストレス行動を軽減していくためには犬の習性を知り、犬にストレスのかからない暮らしをする必要があります。
犬がストレスでいっぱいになると犬も人間も大変な思いをします。問題行動を抱えている犬はSOSを発しているのでぜひ助けてあげてください。
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