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「寒くなったら膀胱炎に注意」 かかりやすい犬と予防・再発防止策もご紹介

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寒くなってくると注意したい病気のひとつに「膀胱炎」があります。

犬がかかりやすい病気で、症状が悪化すると排尿時に痛みや血尿が現れるようになります。

一度発症すると再発することも多いので、早期発見・早期治療が大切です。

そこで今回は「膀胱炎にかかりやすい犬」と「膀胱炎の予防策」をご紹介しますので、寒くなる季節の健康管理にぜひお役立てください。

犬の膀胱炎ってどんな病気?

膀胱炎は細菌感染や結石によって膀胱が傷つけられて炎症を起こす病気です。

水分をあまり取らなかったり尿を我慢していたりすると、膀胱内で尿が濃縮されます。

尿が濃縮されると尿の中に含まれるミネラル成分も凝縮されるので、結石や結晶ができやすくなります。

こうしてできた結石や結晶が膀胱を傷つけたり尿管をつまらせたりして様々な泌尿器トラブルを引き起こします。

また、尿が体外に排出されないと膀胱内で細菌も増えやすくなります。

細菌が増えると膀胱炎を招くだけでなく、尿のPH(ペーハー)が結晶や結石ができやすいアルカリ性に傾いてしまいます。

犬は膀胱炎になりやすい?!

ペット保険のアニコム損保が調査した犬の泌尿器疾患の内訳によると、犬に多い泌尿器トラブルは下記のようになりました。

▼犬の泌尿器疾患の内訳

犬に多い泌尿器疾患トップ3

1位:「膀胱炎」34.3%
2位:「慢性腎不全」13.5%
3位:「尿石症」12.0%

一番多い泌尿器疾患は「膀胱炎」で次に「慢性腎不全」「尿石症」という結果になりました。

泌尿器疾患全体の3割以上を膀胱炎が占めているとなると、犬が非常に膀胱炎にかかりやすいということがわかります。

そしてこの膀胱炎は特に冬に注意したほうがよいと言われています。

どうして冬に注意したほうがよいのか次章で詳しくみていきましょう。

寒い季節は膀胱炎に注意

冬は膀胱炎に注意といわれている理由はなんでしょうか。

冬は気温が低いため喉の渇きを感じにくく、飲水量が減りがちです。

飲水量が減ると尿量も少なくなるので、トイレになかなか行かず尿が長時間体の中に留まってしまいます。

老廃物や菌は尿と一緒に体外に排出されますが、尿量が減り長時間尿が膀胱内に留まっていると、菌も膀胱内に留まっているため感染症や結石を引き起こしやすくなります。

また「水が冷たくて飲みにくい」「寒さで運動をしないため喉が渇きにくい」というのも、冬場に飲水量が減ってしまう原因の一つです。

「喉が渇かない」→「飲水量が減る」→「尿量が減る」というループが冬は起こりやすいので、膀胱炎も引き起こしやすい環境だといえます。

膀胱炎にかかりやすい犬は?

膀胱炎はどんな犬にも発症するリスクがありますが、特に注意をしておいた方がよい犬もいます。

膀胱炎にかかりやすい特徴を「3つ」ご紹介するので、当てはまる子は冬場に特に注意しておきましょう。

▼膀胱炎にかかりやすい犬は?

①メス
②老犬
③クッシング症候群を発症している

①メス

メスは尿道が太くて短いのでオスに比べると膀胱炎を発症しやすいと言われています。

また肛門と尿道が近い、座ったときに尿道が地面と接触しやすいという構造も膀胱炎を発症しやすくしている原因のひとつだと考えられています。

②老犬

老犬になると運動量が減るため、飲水量も減りがちです。

また、免疫力も低下するので細菌感染も引き起こしやすくなります。

加えて眠っている時間も増えて排泄にいく回数も減るため、膀胱炎を引き起こしやすい条件が揃っているといえます。

③クッシング症候群を発症している

クッシング症候群は副腎で作られるホルモンが過剰に分泌され、体に悪影響を与える病気です。

症状が進行すると免疫力が低下するので、膀胱炎を引き起こしやすくなります。

犬の膀胱炎の予防策は?

では、膀胱炎を引き起こさないために飼い主さんが取れる対策はあるでしょうか。

ポイントを「3つ」ご紹介します。

▼膀胱炎の予防策3つ

①飲水量を増やす
②食事を工夫する
③生活習慣を見直す

①飲水量を増やす

膀胱炎予防に大切なのは飲水量を増やして尿量を増やすことです。

いつでも新鮮な水を飲めるように水は定期的に交換しましょう。

また冬になると冷たい水を嫌がって飲まない犬もいます。

常温のお水やぬるま湯を用意してあげるのもオススメです。

②食事を工夫する

なかなかお水を飲んでくれないという場合は、食事からも水分がとれるように工夫しましょう。

「ドライフードをお湯でふやかす」「缶詰を与える」「ヤギミルクを与える」「手作り食でスープをつくる」など食事と一緒に無理なく水分を取れるようにするとよいでしょう。

ドライフードの方が、喉が渇くのでしっかり水を飲むイメージがありますが、ウェットフードの方が総合的に摂取できる水分量は多いと言われています。

③生活習慣を見直す

排泄を我慢させないように散歩の回数や運動習慣を見直しましょう。

また、トイレが汚れていると排泄を嫌がる子もいるので、常にトイレをきれいにしておくという事も大切です。

トイレが寒い場所に設置してあると、行くのを億劫がって排泄を我慢してしまう場合もあります。

冬場は暖房が当たる温かい場所にトイレを移動させて、トイレに行きやすい環境を作ってあげましょう。

膀胱炎はどんな犬でもかかるリスクがありますが、ご紹介した特徴を持っている犬は特に注意が必要です。

一度かかると再発しやすい病気なので、肌寒くなってきたら膀胱炎の予防策を意識してみてくださいね。

<参考書籍>

小動物獣医看護学 小動物看護の基本と実践ガイド  上巻下巻

D.R.レイン (著)B.ク-パ- (著) 西田利穂 (著)

<参考文献>

ネコの水分摂取量と尿量・尿比重値に関する研究
>https://core.ac.uk/download/pdf/72731439.pdf

家庭どうぶつ白書2018
>https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_201812_3_3.pdf

<画像元>

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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