皆さんは愛犬にどんな健康管理をしていますか?
ずっと元気でいてもらうために「毎日散歩に行く」「食事に気を使う」などの健康管理に励んでいる飼い主さんは多いのではないでしょうか。
しかし、獣医師を対象に行った「愛犬の健康管理」に関するアンケートによると「愛犬の健康管理が不十分な飼い主は多い」という驚きの結果が寄せられました。
今回は「飼い主さんが取りがちな誤った健康管理方法」や「愛犬の健康管理の重要ポイント」をご紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。
獣医師の9割「愛犬の健康管理が不十分」
株式会社ネイチャーリンクスが全国の獣医師1,006名に対し「犬の健康管理」に関するアンケートを実施しました。
「愛犬の健康管理が十分でない飼い主は多いですか?」という質問に対し、結果は下記のようになりました。
▼「愛犬の健康管理が十分にできていない飼い主は多いと思いますか?」(回答:1,006名)
▼「愛犬の健康管理が十分にできていない飼い主は多いと思いますか?」
・「とても多いと思う」38.2%
・「多いと思う」53.9%
・「少ないと思う」7.2%
・「とても少ないと思う」0.7%
「多いと思う(53.9%)」と答えた獣医師が一番多く「とても多いと思う(38.2%)」の回答と合わせると、約9割以上の獣医師が「愛犬の健康管理が不十分な飼い主が多い」と感じているという結果になりました。
愛犬の健康管理に気をつけている方は多い印象があるので、この結果は非常に驚きですね。
では、どういったところが「健康管理が不十分である」と感じるのでしょうか。
次章で詳しくみていきましょう。
獣医師が感じた「飼い主さんの誤った健康管理方法」
同アンケートで「飼い主が誤った健康管理方法をしていると感じたことはありますか?」をたずねたところ結果は下記のようになりました。
▼「飼い主が誤った健康管理のやり方をしていると感じたことはあるか?」(回答:926名)
▼「飼い主が誤った健康管理のやり方をしていると感じたことはありますか?」
・「感じたことがある」95.4%
・「感じたことはない」4.6%
実に9割以上の獣医師が「飼い主が誤った健康管理をしている」と感じたことがあるようです。
では、どのようなことが「誤っている」「できていない」と感じるのでしょうか。
「どのようなことが特にできていない、誤っていると感じますか?」という質問をしたところ、結果は下記のようになりました。
▼「どのようなことが特にできていない、誤っていると感じますか?」
・「食事」49.5%
・「温度(室温・体温)」24.0%
・「トイレ」12.2%
・「運動」8.9%
・「お風呂」5.1%
一番誤っている、不十分だと感じたのは「食事(49.5%)」で次に「温度(24.0%)」「トイレ(12.2%)」の順になりました。
具体例を聞いてみると「エアコンの設定温度が人と同じで寒すぎる」や「人の体にいい物は犬にもいいと思っている」「犬種や体型に合ったトレーニングができていない」という声が寄せられました。
人が心地よいと感じる温度と犬が感じる温度は違います。
そのため人に合わせて室内温度を設定していると、犬にとっては過ごしにくい環境になっているかもしれません。
また、人によいとされている食べ物が犬にも同じ効果があるとは限りません。
むしろ消化に負担がかかったり、アレルギーを引き起こすなどの悪影響を与える可能性もあります。
愛犬の健康のためによかれと思っていたことが、結果として「間違っている」「不十分だ」ということもあるので、注意が必要ですね。
健康管理が不十分な犬に現れやすい体調の変化
健康管理が不十分だったり、誤っていたりすると犬にどんな変化が起きるのでしょうか。
同アンケートで「健康管理ができていない犬の体調の変化」をたずねたところ、結果は下記のようになりました。
▼「健康管理ができていない場合、どんな体調変化が見られやすいですか?」(回答:1,006名)
▼「健康管理ができていない場合、犬にどんな体調変化が見られやすいですか?」
・「目ヤニが出る」42.4%
・「耳からニオイがする」31.8%
・「耳をよく掻く」26.4%
・「白目が赤くなる」22.5%
・「歯垢がつく」22.3%
一番回答で多かったのが「目ヤニが出る(42.4%)」で次に「耳からニオイがする(31.8%)」「耳をよく掻く(26.4%)」の順になりました。
目ヤニは健康な犬でも出ますが、目の病気にかかっていたり食事内容を変更したりすると目ヤニの量が増えます。
また耳からニオイがする、耳をよく掻くのは「外耳炎」という耳の病気の症状のひとつです。
外耳炎は食事(食物アレルギー)や生活習慣(誤った耳掃除方法)などで発症することがあります。
毎日のように誤った習慣を続けていると、だんだんと犬の健康に影響が出てくることがよくわかりますね。
愛犬の健康管理の重要ポイントは?
では、愛犬の健康管理を行う上で重要なポイントはどこなのでしょうか。
同アンケートで「愛犬の健康管理において気を使ったほうがよいことはなんですか?」という質問に対し、結果は下記のようになりました。
▼「愛犬の健康管理において特に気遣った方がよいことはなに?」(回答:1,006名)
▼「愛犬の健康管理において特に気遣った方がよいことはなに?」
・「食事管理」49.6%
・「室温・体温調節」32.8%
・「適度な運動」17.1%
一番多い回答が「食事管理(49.6%)」で次に「室温・体温調節(32.8%)」「適度な運動(17.1%)」の順になりました。
犬にとって快適な温度は「20~25℃」程度と言われていますが、短毛種や年齢によって快適な温度は多少異なります。
「震えていないか」「丸くなって眠っていないか」「呼吸が荒くないか」など愛犬の仕草に注意して温度管理をしてあげましょう。
また、室内で温度差を作らないためにサーキュレーターやシーリングファンで空気をかきまぜてあげるとよいでしょう。
食事管理で重要なことの詳細を見ていくと、犬種や年齢にあったペットフードの使用を勧めている獣医師が多いですね。
高齢になると消化機能が衰えたり、不足しがちな栄養素が出てきます。
ペットフードをライフステージに合わせて見直したり、サプリメントを追加して今の愛犬にあった食事を作ってあげましょう。
今回のアンケートで飼い主さんの認識と獣医師さんの認識には大きな開きがあることがわかりました。
よかれと思ってやっていたことが時には悪影響を及ぼすこともあるので、今回ご紹介した内容を参考にして愛犬の健康管理に役立ててくださいね。
<参考URL>
獣医師の9割以上が、愛犬の健康管理ができていない飼い主が多いと回答!飼い主なら知ってほしい、愛犬の健康管理の最重要ポイントとは? 株式会社ネイチャーリンクス
>https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000089613.html
<画像元>
Unsplash
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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