わんちゃんの健康のために大切なのが動物病院えらび。
人と同様、専門分野も増えて選択肢が広がった一方で、動物病院をどのように選べばいいのか悩んでいる飼い主さんも多くいます。
などなど、「動物病院の選び方」と「つき合い方」を動物看護師が解説します。
<目次>
動物病院の「今」を知ろう!
専門医に救急外来など、ひと昔前に比べると人と変わらない仕組みが動物病院でも見られるようになりました。
一次診療では、病気の予防と早期発見を主軸として、わんちゃんの健康寿命を延ばすことを目的としています。
一方、二次診療では専門知識と技術、設備をそろえて高度な医療を提供しています。
では、どんな時に一次診療と二次診療を使い分ければいいのでしょうか。
10年で変わった!かかりつけ医(一次診療)の役割
一次診療は人でいう町のお医者さんやクリニックのこと。病気になったらまず行くというイメージがありました。
しかし、わんちゃんの寿命がのびている今日、一次診療は病気を治す場所だけではなく、健康を保つ場所という役割も加わりつつあります。
そのひとつが定期的な健康診断。
人もそうですが、早期に発見できれば回復は早く、いろいろな治療法を選択することができます。
「飼い主さんのチェック」+「獣医師のチェック」で早期発見をめざし、病気が完治するまで見守っていくことが一次診療の役割です。
専門医(二次診療)ってなに?
人の場合、外科、内科、麻酔科、歯科、皮膚科など各分野に分かれていますが、動物病院は全部同じ先生が診ていますね。
しかし難易度の高い処置や手術を1人でこなすには限界があります。そんな時に頼りになるのが専門医(二次診療)です。
診察や手術を数を多くこなしている方が手術の成功率が高く、確かな診断につながります。
一次診療での治療や判断が難しい場合は、二次診療に頼りましょう。
二次診療は紹介制が多く、かかりつけ医の判断で紹介する場合もありますが、飼い主さんからの依頼で紹介することもできます。
どんな病気の専門医がいるの?
人と同じく多くの専門分野があります。
どんな診療科目があるのか図にまとめてみました。
難しい手術が必要な病気から行動やリハビリテーションまで、幅広く分かれています。
いざという時にあせらないように、どんな専門病院があるのか情報を集めておくと安心できますね。
専門医えらびのポイントは?
一口に専門医といっても選ぶときの基準はどうすればいいのでしょうか?
今まで日本には各学会による国内の認定制度はありましたが、国際的に認められた獣医師の専門医制度はありませんでした。また、認定する基準は統一されておらず、試験や審査を通らなければならないものから、講習を受ければ認定されるものまでさまざま。
現在はその基準が見直され、国際基準の専門医制度が整備されてきています。
飼い主さんが専門医を選ぶ際の判断基準のひとつになりそうですね。
動物病院えらびのQ&A
動物病院を選ぶ際に気になることをQ&Aでまとめてみました。
- かかりつけ医をもつメリットは?
-
①状態を継続的に把握しており的確なアドバイスが受けられる
➁最新情報をもらえる
➂二次診療への橋渡しをしてもらえる
わんちゃんの健康を保つうえで、信頼できるかかりつけ医を見つけることは重要です。日々進化する獣医療の情報は飼い主さんにとって大きいメリット。
また、セカンドオピニオンを受けたい場合は、病院だけではなく「○○病院の○○先生」レベルで紹介してもらうことができます。
いろんな情報があふれているので、よりいい病院や獣医師さんを紹介してもらえることは心強いですね。
- かかりつけ医は変えてもいい?
- 場合によってはOK。
一次診療のメリットは気兼ねなく相談できるところ。説明が不十分、飼い主さんの話を聞いてくれない獣医師さんだと困ってしまいます。自分がしっかり話せる先生かどうかがポイントです。
ただ、二次診療にいっても一次診療との連携は必要なので、気まずくならないようにしましょうね。
- 医療機器がそろっている病院を選ぶべき?
-
設備がそろっているだけでなく、総合的に判断することが大切。
医療機器がそろっている方が詳しい診断や検査は可能です。(CTやMRIの画像診断には専門家がいるほど。)
ただ、設備を使いこなせる知識と技術も必要になるので、実際に通っている患者さんに話を聞いてみたり、獣医師さんにいろいろ質問したりして、安心できる病院を選びましょう。
私たちの身近な動物病院ですが、選択肢が多くなるとどう選べばいいのか迷ってしまいますね。
わんちゃんの状態によって一次診療と二次診療を使い分けて、後悔のない病院選びをしましょう!
<参考文献>
・飼い主が知っておきたい!動物病院と獣医療の最前線 専門医・認定医のいる動物病院リスト
・国立がん研究センター セカンドオピニオン
<画像元>
無料写真素材 写真AC
イラストAC
Icon rainbow
Pixabay
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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