犬は購入したり保健所から引き取れば飼うことはできますが、日本で犬を飼うために必要な手続きや接種させなくてはいけないワクチンがあります。
知っているようで実は知らない、日本で犬を飼うためのルールなども併せてご紹介しますので、この記事を読み終わる頃には犬を飼うための基礎的なことを網羅できるでしょう。
日本で犬を飼うためには、いくつかルールがある!
ペットショップやブリーダーから犬を購入したり、保護犬を引き取れば、誰でも犬を飼うことができます。
ただし、犬を飼ったらそれで終わりではなく、犬を飼うためには色々とやらないといけないことがあるのです。
犬にも戸籍のようなものがあり、生後91日を過ぎたら行政に「犬の登録」をしましょう。
これは厚生労働省で決めれていることで、犬を飼っている人は誰でも義務を果たす必要があります。
現在居住している市区町村に届け出を出すと、鑑札をもらえます。
鑑札には登録番号が印字されており、迷子になった際や保健所に保護された場合に飼い主の元へ戻すことができるのです。
「犬の登録」は1度すればいいのですが(他の市区町村へ引っ越す場合は、その旨を届け出る必要があります。)狂犬病の予防注射は年に1度受ける必要があります。
年に1度というと忘れがちになりますが、行政に犬の登録をしておくと毎年手紙やハガキで狂犬病予防注射のお知らせを送ってもらえるのです。
特別に行政に届け出る必要がある犬種は?
日本の法律として届け出なければならない犬種は決められていないのですが、各行政によって‘’条例‘’が設けられています。
全国の中で厳しい条例を設けているのが茨城県で、茨城県では県の条例として以下のことが定められています。
【特定犬について】
・秋田犬、土佐犬、紀州犬、ジャーマン・シェパード、ドーベルマン、グレートデーン、セントバーナード、アメリカン・スタッフォードシャー・テリア(ピットブル)の8種類に加え、体高60cmかつ体長70cm以上の犬、危険性があるとあらかじめ判断される犬は‘’特定犬‘’として届け出ること
・特定犬を飼育しています、という標識を軒先の見える場所に貼っておくこと
・檻の中で飼うこと
参照:http://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/doshise/hogo/kousyoutotokuteiken.html
各行政によって条例が異なることを覚えておきましょう。
犬を飼ったら絶対に必要になるワクチンは?
犬の健康管理をすることも飼い主の大切な役割で、犬には必要なワクチンがあります。
狂犬病ワクチンは毎年接種することが義務付けられていますが、コアワクチンといって義務ではないもののすべての犬に接種するよう勧告されているワクチンがあります。
コアワクチンは重篤な症状を発症する感染症を防ぐためのもので、生まれて6〜8週で打ち始め、計3〜4回に分けて接種します。
予防する感染症の種類によって、2種・3種・4種…とワクチンの種類があるのですが、最も一般的な種類は5〜8種類だといわれています。
コアワクチンを打つスケジュールは以下のものですが、保護犬などで成犬になってから接種する子もいるので、打ったかどうか分からない場合は獣医師に相談しましょう。
生後6週〜8週:1回目のワクチン
1回目から3〜4週間後:2回目のワクチン
2回目から3〜4週間後:3回目のワクチン
最後に‘’ブースターワクチン‘’といって、免疫がしっかり付いていないと思われる子に確実に抗体を付けさせるコアワクチンがあります。
3回目のワクチンを打ってから4週間後に血液検査をし、免疫が付いていることが確認されればブースターワクチンを接種する必要はありません。
狂犬病ワクチンはなぜ毎年やるの?
日本で犬を飼っている人は、必ず年に1度飼い犬に狂犬病ワクチンを接種させる決まりがあります。
コアワクチンとは異なり、狂犬病ワクチンは亡くなるまで毎年打たなければいけません。
この違いはなんでしょうか?
狂犬病は致死率100%ともいわれている感染症の一種で、狂犬病ウイルスを保有している犬や猫、コウモリなどの野生動物に噛まれたり引っ掻かれたりして傷口からウイルスに感染して発症します。
世界保健機関(WHO)によると、毎年3万5千人〜5万人の人が狂犬病で亡くなっていると報告されていて、その多くがアジアだといわれています。
参照:https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/394-rabies-intro.html
犬から人へ感染する恐れがあるため、年に1度は狂犬病ワクチンを打たせる必要があるのです。
感染から発症までは早くて7日、遅くて1ヶ月ほど間があり、1度発症すると致死率はほぼ100%です。
狂犬病ワクチンは犬と人が安全に暮らしていく上で、‘’しなくてはいけないこと‘’です。
必ず毎年1回接種させるように、徹底しましょう。
犬の保険(ペット保険)は絶対に入らなきゃいけない?
犬の保険に入るかどうかは、飼い主さんが決めることであって絶対ではありません。
ですが、最近では全国どこの病院にも対応している保険会社などもあり、ペット保険も利便性が高まってきています。
一旦自分たちで支払い、後から費用を請求するのではなく、人の保険証と同じように保険証を提示することによって、その場で保険適用を受けることができる場合もあります。(病院と保険会社の提携による。)
病院に行く回数や、病気になる可能性を考えたときに入っていた方が安心なのは事実ですが、その費用は決して安いものではありません。
ただ、それを差し置いてでも入ることをオススメしたい理由は、こちらです。
・動物病院は自由診療、故に手術や入院は高額であることが多い
・犬も人と同じように、高齢になれば病院に行く回数も増える
・1度も手術や入院をしていなかったり、多頭飼いの場合には値引きサービスなどの特典を受けることができる
自由診療だからこそ、犬も保険に入った方が安心
動物病院は基本的に診察からお薬代まで、すべてが自由診療です。
自由診療というのは価格や値段が決められていないので、それぞれの動物病院が好きなように価格設定できることをいいます。
軽い怪我や悩みで診察を受ける場合はいいのですが、手術や入院となるとうん十万というお金を請求されることになります。
そこでペット保険に入っていると、治療費の3〜5割をカバーしてもらうことができるのです。(保険の種類による。)
普段の生活で飼い主さんがどんなに気を付けていても、事故や病気は突然やってくるものです。
万が一に備えておくことで、万が一になった場合も冷静に対応することができます。
まとめ
今日お話ししたことは、日本で犬を飼うにあたってごくごく一般的なことです。
知っているようで知らないこともあったかと思いますが、多くのルールは人と犬が安全に楽しく共存していくために設けられています。
ワクチンや犬の鑑札については様々な意見があるかと思いますが、以下のことをご記憶いただけると幸いです。
・生後1ヶ月半を過ぎたら、狂犬病ワクチンを接種することと行政に犬の登録をすることは義務
・狂犬病ワクチンを年に1度接種することは、法律で決められている
・犬の保険は入っておいた方が、後々よかったと思える
沖縄移住をきっかけに保護犬ボランティアを始め、アメリカン・ピットブル・テリアとジャーマンシェパードドッグの元保護犬2匹と一緒に暮らす。
アメリカン・ピットブル・テリアがアレルギー疾患を抱えていたことをきっかけに、食の大切さを知り、現在は生食にこだわった食事を取り入れている。
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